『PK』 伊坂幸太郎 講談社

 読了したのはもう2ヵ月も前。飛行機の中で読もうと買った本だ。早くも内容が忘却の彼方に追いやられ気味ではあるが、なんとか記憶を奮い起こして感想文でも。
 
 とても不思議な時間軸の中で物語が進む。エピソードごとに主人公も時代もガラッと変わるのだが、実は全てのエピソードが時を越えて繋がっており、飽きさせない構成になっている。
 
 ほんとに何度も書くようだが、伊坂幸太郎の書くキャラクターの台詞や振る舞いはとてもスマートで大好きである。村上春樹に似ているようなのだがあそこまでぶっ飛んでいる感じではなくもっと親しみやすい感じ。私はそんなキャラに好感を持っているので、タイムパラドックスを使った一見ありきたりなようなストーリーでも十分に楽しむことができた。
 
 伊坂幸太郎が好きな人にはおすすめ。初めて読む人にはゴールデンスランバーがいいと思います。
 
 

2

ここんトコ

 ご無沙汰しておりました。久しぶりすぎてログインパスワード忘れたかと思いました。
 
 先日西やんと飲みに行った。彼は海外出張が多く、飲みのアポイントを取るのが売れっ子タレントばりに難しいのであるが、なんとか約束を取り付けた。西やんのほうも仕事の都合とかいろいろとやってくれてありがたい。
 
 話は変わるが、去年6月ごろから急に英会話を勉強しようと思い立って約9ヶ月である。「聞き流すだけ」という超有名なフレーズに、
 
 「だまされてもいいか。何もしないよりマシだろう」
 
 と、清水の舞台から飛び降りるつもりで始めたスピードラーニング。各方面でその成果のほどは?と聞かれることが多い。やはり皆さんスピードラーニングが気になっておられる様子である。そりゃあれほどテレビやラジオで宣伝しまくっていたら、少なからずのサブリミナル効果により多くの人々の脳に刷り込まれているようだ。
 
 まだまだたったの9ヶ月ではあるが、随分とその効果はあると私は思う。年末年始にハワイ旅行をしたときも、とりあえず相手の言っていることは理解できるし、頭の中で文章を組み立ててからではあるが、こちらの言っていることもすぐに理解してくれた印象である。
 
 しかし言うてもハワイである。しかも年末年始。ほぼ日本語が通じる場所で「ヤッター!外人と話せた!」と言ってもあんまり実感がない。というわけで、英語をバリバリ使ってビジネスしている西やんを呼び、果たして自分の英語がどれだけ使えるのか、西やんを使って試したかったわけである。
 
 とりあえずは日本語で近況などを話し、酒も十分に回って口が滑らかになったころに、まずはiPhoneにダウンロードしてあるスピードラーニングのフレーズを数分間西やんにイヤホンで聞かせてみた。
 
 しばらく無言で聞き入っていた西やんだったが、イヤホンを外すなりなんと西やんの口からいきなり英語が飛び出してきたのでびっくりした。いや仕掛けたのはこちらなのだが、あまりにも急に西やんの英語スイッチが入ったので、あわわあわわとなってしまい、結局私の酒が進んだだけで英会話もくそも成り立たなかったのである(笑)。
 
 しかししかし英会話はおもしろい。自分の英語が通じたときの感動は忘れられない。自分の考えや訴えが、自分の言葉を通じて相手に伝わることの喜びは、ふだん日本語だけを使って生活している中では忘れがちなことである。英会話を勉強するようになってより一層そのことを意識するようになり、普通に日本語で会話しているだけでも英語を意識している自分がいる。
 
 その道をまじめに研究している人には到底及ばないが、言語というものに大変興味が沸いている今日この頃である。このままのペースで続けていても英語がマスターできる日なんていつまでたってもやってこないのではないかと思うけれども、それでも「英語を勉強している」という事実が、自分を高めてくれているように感じる。これからも頑張っていきたい。
 

 
 ↑小遣い稼ぎ(笑)

ガーベラ

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 高校時代の親友の話。
 
 彼は当時仲良くしていた我々グループのへたれ的存在であったにもかかわらず、20代前半にしてグループの中で一番最初に結婚することになった。それを聞いた時にはそこにいた全員が自分の耳を疑ったほどである。色々と馴れ初めを聞いていると彼の方からの猛アタックにより成就したとのことで、その方法とは花束を贈り続けたのだと言う。
 
 そんな古典的な方法で・・・・と彼をバカにしたものだが、「やはり女性には花束が一番効果的や!」と、高校時代は一切自分の意見を述べなかった彼が自信たっぷりに訴え、しかもそれが実際に成功しているという裏付けもあったことから、我々の間では一時期、「お目当ての女性へのプレゼントはとりあえず花束」が流行ったぐらいである。
 
 彼女の好きな花はガーベラ。花の名前などほとんど知らない私であるが、このエピソードの印象が強いのか何故かガーベラだけはよく覚えていて、花屋でガーベラを見るたびに、幸せそうな彼ら夫婦の顔を思い出すのである。
 
 しかし時の流れは残酷で、色々とあって離婚することになった。
 
 住んでいた京都の家に奥さんと小さな子供を残し、彼が引き払うことになったので、荷物の運び出しの手伝いも兼ねて訪問することになった。親友として、そして仲良く付き合っていた頃を知る者として、奥さんに対してどんな顔で会いに行けばいいのだろうと思案したものだが、まあそこは冗談の通じる親友だと思い、私はガーベラの花束を買って訪問したのである。
 
 ところが、ガーベラを持って玄関先に現れた私を見るや否や、彼は私を両手で押し返して玄関ドアを後ろ手に閉め、小声ではあるが強い口調で、
 
 「それはアカン・・・・!」
 
 と言ったのである。今思うと、離婚により精神的に参っている女性に対してかなりブラックなジョークだったなと思うが、その時はこんな冗談もわからないようになってしまったかと少々残念に思いながら、あえなく「とりあえず花束作戦」はお蔵入りとなったのである。
 
 荷物の運び出しも終わり、奥さんに「元気出してや」とだけ挨拶し、その家を後にしたのだが、困ったことにガーベラの花束だけが私の手元にある。どうしたものかと考えた挙句、捨ててしまうよりは誰かにあげたほうが良かろうと思い、「今から10人目にすれ違った人に突然プレゼントする」ルールを発動。それが男でも女でも、とりあえず10人目の人にあげてしまおうと決めたのだった。
 
 きっと不審がられることであろう。その時はなんとか理由を説明して、とにかく持って帰ってもらおうと心に決めた。ある意味ナンパよりも度胸のいるこのゲームを自分自身に課したのである。
 
 そして、10人目にすれ違った人が、今の私の奥さんである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (この物語は、途中からフィクションですw)

日曜休日

 先日休日出勤した分の代休を日曜日に取らせてもらったので、日曜休みにしかできないことをやり尽くした。
 
 まずは7時に集合して回転木馬朝練へ。この日はMTB練ということでダート工業方面へ。私はCX車で出動。本日ニューMTBのシェイクダウンという方もいらっしゃって、なかなかの盛況ぶり。
 
 しばらくMTBはノーマークだったので知らなかったが、29インチだけでなく27.5インチもあってバリエーション豊かになっている。私のMTBのブレーキディスクはCDぐらいの大きさだったが、今はほとんどの方が一回り大きなウェーブディスク。サスのロックアウト機構は当然のように装備され、サドルの高さを乗車したまま上げ下げできるリザーブタンク付きレバーまである。ロードバイクも進化しているが、MTBのそれと比べるとギミックが多い分、進化の度合いも速くて面白い。久しぶりにたくさんのMTBと一緒に走ったので物欲が湧いてしまったではないか。
 
 まずは清滝峠へ。交通量の多いR163を回避していろんな道をクネクネと走る一向に付いて行く。緑の文化園辺りからトレイルへ入る。
 
 元々ハイキングコースなので道幅は狭く乗車不可能な場所もちょくちょくある。それでも最新MTBの一向に付いて行くためにCXバイクを必死でコントロール。なかなかテクニカルではあるが改めてCX車の走破性が高いことに気付く。フロントサスなんか無くたって結構いける。カンチブレーキがもっと効いてくれれば楽だと思うけど、あんまり強いブレーキを付けても細いタイヤのグリップが破綻するだけのような気もする。まあこの辺りのバランスが取れているということなんだろう。
 
 田原台の住宅街へ出て、阪奈道路TOPへ登り返し。そこからはおなじみダート工業コースへ。道が随分整備されて走りやすくなっていると感じた。しかし倒木が多い。くぐり抜けるのがやっとという箇所が幾度とあり、降車を余儀なくされる。しかし私はブレーキを握りしめている握力が限界に来ていたので助かった(笑)。
 
 午後から少年野球のお手伝いがあるので、メンバーと別れて先に帰路へ向かわせてもらったが、ちょっと行ったところでエアを落としたリヤタイヤがリム打ちパンク。先に出発させてもらったのでここで見つかっては恥ずかしい。慌てて5分ほどでチューブ交換してリスタート。なんとかバレずに済んだ(笑)。
 
 
 帰宅して着替えてすぐに少年野球へ。練習試合があるのでクルマを出す。
 
 久しぶりに見学したが、以前より上手になっている子とそうでもない子の差が大きくなってきたように思う。まあこの辺りは個人技なので差が出てきてもしょうがない。そのうち埋まってくるだろう。野球全体のレベルとしてはまだまだ小学生レベルの域を脱しない。ランナーが出た時の守備位置やゴロを取ったときの投げる場所、点をやってもいい状況なのかそうではないのか、バントするならどちらの方向へ転がすのかなどなど、アタマを使う場面ではまだまだである。そういう意味では指導者如何によってチームの強さがガラリと変わる。試合中に的確な指示を出す監督のチームは強い。
 
 子供たちは純粋に野球が大好きである。大好きな野球を、大好きな仲間と、最高に楽しくやっている姿を見ると感動的でさえある。その純粋さをいつまでも忘れずに、親をいつまでも楽しませていただきたいものである。

映画まとめ鑑賞

 行き帰りの飛行機の中で観た映画の感想などを。
 
 
 ★『ホットロード』 能年玲奈 登坂広臣
 
 言わずと知れた超有名アラフォー御用達少女漫画の映画化。その例に漏れず私もこの漫画を読んだことがある。とはいえ紡木たくの大ファンというわけでもなく、この漫画にその後の人生を左右されたというわけでもなく、まあ他人に聞かれたら、「ホットロード?ああ読んだことあるよ」程度の人間である。
 
 原作のファンの間では映画化にあたって賛否別れたようだが、私は原作の雰囲気が映像にも再現されていて良かったと思う。原作のキャラクターは、ペン先の細い絵面のせいなのか、少女漫画特有の空白の多いコマ割りによるせいなのか、とても繊細で儚い印象を受けたものだが、そういう部分が映像にもきちんと残されていて、映画化大反対だった原作ファンも、「まあまあやな・・・・」ぐらいには許せたのではないだろうか。
 
 我々の世代ならきっと、ラストシーンで尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」が流れた瞬間、それまでの物語がどうであれ無条件で目頭が熱くなるに違いない。ホットロードの世界にはこの曲しかない!というぐらいマッチしていたと思う。若者の無謀さ、純愛の切なさ、命の儚さなんかを頑張って映像で表現しようとしてるけれども、ファンの心の中にある世界観を全員分表現しようとするのは絶対に無理で、だけどもこの尾崎豊が流れることで、そういうちょっと足りない部分を随分と補填してくれたのではないかと思う。
 
 
 ★『ゴッドファーザー』 マーロン・ブランド アル・パチーノ
 
 雰囲気をガラリと変えて(笑)、海外版任侠映画。これだけ有名な映画なのに観たことがなかったのでちょうど良かった。この時代の洋画って好きだわー。ストーリーはご存じの方も多いと思うのでここでは書かないけれど、ただ暗くて退屈なだけのように見えるこの映画が名作と呼ばれるのはわかる気がした。
 
 馬の首が送られてきたり、マシンガンで蜂の巣にされたりとショッキングな映像が多い中、ドン・コルレオーネの家族を一番に考える側面なんかも見えて、男の生き方の全てを渋い俳優をふんだんに使って見せてくれたような感じである。アル・パチーノかっこええ。
 
 
 ★『まほろ駅前協奏曲』 瑛太 松田龍平 
 
 またまた雰囲気が変わる(笑)。これを書くまで知らなかったが小説版まほろ駅前シリーズ最新作の映画版だそうだ。訳あって同居している30代半ばの男2人が、便利屋として働く日々の中で巻き込まれていくややこしいエピソード集といった感じだろうか。
 
 登場人物それぞれの人柄などが、良くも悪くも前作から引き継がれているようで、前作からずっと観ている人にとってはキャラクターに思い入れもあるだろうから楽しめたと思う。でも私はそういう予備知識を全然知らなかったので、この物語の世界観が最後まで掴み切ることができず、なんだかずっと疎外感みたいなものを感じながら観ていたような気がする。まほろファン向けの映画だと思った。
 
 
 ★『小野寺の弟・小野寺の姉』 向井理 片桐はいり
 
 早くに両親を亡くした仲の良い姉弟を描いた物語。『まほろ駅前~』となんだか似ている雰囲気がするけど、『ゴッドファーザー』に比べれば似ているというぐらいで、こちらはほのぼのとした感じ。私はこの映画は気に入った。もう何と言っても片桐はいり無しにはこの映画は語れないというぐらい片桐はいりが光っている。ちょっと片桐はいりファンになったぐらいである。
 
 姉弟はお互いが幸せになって欲しいと日頃から願っている。弟は姉が、姉は弟がどうやったら幸せになるのだろうかということを、自分なりのやり方でお互いにやってあげようと努力しているのだが、実はそれらは自己満足に過ぎず、自分が良かれと思ってやったことは相手にとって本当の優しさになるとは限らない。そんなメッセージがこの映画の根底にある。
 
 わかりやすくてほのぼのとしていて、飛行機の中でうつらうつらしながら観るにはいい映画だった(笑)。

6

ハワイ旅行記

 今年の年末年始はハワイで過ごすこととなった。私の叔母がワイキキに小さいながらもコンドミニアムを所有しており、そこを宿泊拠点としてお借りすることになったのである。嫁子供の滞在期間は約3週間。私は仕事の関係で年末年始それぞれ3日間、計6日間の滞在である。学校の休みの手続きであるとか嫁のパートの調整であるとかパスポートの手配であるとか、それはそれはもう、庶民が年末年始にハワイへ行くなどという暴挙のためにクリアしなければならない様々な高いハードルが幾つもあったが、それを書き出すとキリがない。私が滞在した12月28日から1月2日までに限定して時系列で書き留めていきたい。
 
 
 12月28日(日)・・・・・日本時間2200関空発。ホノルル空港へは現地時間で28日の0830ごろ到着。時差マイナス19時間。日本時間で朝4時ごろ到着ということになるので眠い。先着していた家族に出迎えられる。子供たちは私に会うのが久しぶりなので人目をはばからずに抱きついてくる。しかし宗一郎(小3)はそのへんが照れくさいのか、はしゃぐ妹達を遠巻きに眺めている。
 
 7人乗りタクシーに乗り込み、コンドミニアムがあるワイキキまで移動。イリカイホテルという名のホテルの一室が叔母の部屋。10階にありベランダからワイキキのビーチと青くて広い空が眺められる。真向かいにはヒルトン・ハワイアン・ビレッジが建っている。暑すぎるということもなく、カラッとしていて気持ちがよい。
 
 時差を埋めるために少し昼寝することを勧められたが、限られた時間なので勿体無く感じ、すぐにホテルのプールへ向かう。何日も前に先着している子供たちはホテル内を知り尽くしていて、プールの管理人の屈強なおじさんとも顔見知りになっていた。
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 写真中央がホテルのプール。何故か一番深いところで水深2.5mもある。その奥がヒルトン・ハワイアン・ビレッジのラグーン。そしてさらにその奥が美しいワイキキビーチ。
 
 プールから戻るとさすがにウトウトしてしまい夕方に。夕食はJALパックの無料トロリーバスに乗ってアストンワイキキビーチホテル1Fの和食店へ。美味しかった。店員のおばさんは100%日本人であったが、外人と接客する時はルー大柴程度の英語で通じ合っていた。やはり英会話はゴリ押しに限ると思った。
 
 
 12月29日(月)・・・・・タクシーに乗ってダイヤモンド・ヘッドへ。若いころ来たことがあったが駐車場までだったので、今回は登ってみようということでやってきた。登るとはいってもほとんどハイキングのような道で、最後の最後に急な階段があるがその他は小さな子供でも登ることができる。頂上からの景色は最高である。
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 ホノルル動物園からワイキキビーチを望む。
 
 下山後はやはりタクシーに乗ってハナウマ湾へ移動。美しいサンゴ礁や魚たちが残る火山活動により生まれた美しい海岸である。ビーチに入るためには10分ほどのビデオを見なければならない。映画館ホールは当然人数制限があるのでかなりの行列である。到着してから実際に海に入るまでゆうに1時間以上かかっている。ハナウマ湾の歴史の説明があったり、この美しい自然を守るための注意事項など。そして入場料を払ってビーチへ。この環境を守ろうとする姿勢がビンビンに感じられる。
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 遠浅で子供でも足が着くので安心。シュノーケリングで泳いでいると美しい熱帯魚たちがウジャウジャいる。もちろんエサをやってはいけない。昔は良かったそうなのだが、魚が太り、生態系が変わってしまうとのことで禁止になったようだ。夕方までそこで泳ぎ帰宅。夕食はまたまた和食(笑)。
 
 
 12月30日(火)・・・・・朝からレンタカーを借りてオアフ島探索。とはいえハワイならではの有名スポットを巡るだけのこと。ワイキキから右回りで出発し、この木なんの木から真珠湾、カメハメハハイウェイでハレイワ。マツモト・シェイブアイスでかき氷ごときに30分も並び、美しいカネオヘ湾を左手に見ながらドライブ。H3フリーウェイに乗ってワイキキに帰ってきた。10922488_743940712355753_4616178896199638540_n
 定番・この木なんの木(モンキーポッド)。
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 借りたレンタカー。もちろん左ハンドル右側通行。海外でのクルマの運転は初めてだったのでかなり緊張した。常に右側通行を意識しないと、とっさの操作の際についつい左側通行しようとしてしまい、何度か迷惑な運転となってしまった。しかしハワイの人々は優しい。クラクションを鳴らされたり、煽られたり詰められたりすることは一度もなかった。
 
 
 12月31日(水)・・・・子供たちを叔母に預けてヨメと2人でスキューバダイビングツアーへ。嫁は初体験。私も20年ぐらい前に一度だけの経験なので全くの初心者コースへ。送迎バスに乗り込みカネオヘへ移動。50人乗りほどの船で沖へ出て、一通りの説明を受けてダイビング。水は冷たい。
 
 船で沖へ出たものの、砂地の底に足が着くぐらいに浅い。前日のスコールのせいか少し濁っていたが、ウミガメにも会えて大満足である。1本約30分を2本潜った。素敵な体験だったがかなり疲れる。器具なんかも多いし、これをプライベートな趣味で行うとなると大変だなと思った。
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 昼過ぎにホテルへ戻り、少し昼寝。夕食はアラモアナ・センターにあるタナカオブ東京でディナー。所謂鉄板焼きで、シェフが目の前でいろんなパフォーマンスをして楽しませてもらいながら食事をするやつである。パフォーマンスも料理も素晴らしい。ただ、どうしたわけか私のテンションがアメリカンジョークに着いて行けず、喜ぶヨメコドモを見ながらしっかりと料理を味わった印象である(笑)。
 
 少し夜更かしして、ホテル前のビーチでカウントダウン。とんねるずやら日本のタレントがなにやら生放送を撮っていたみたいだが、人混みであまり見れなかった。それよりも0時に沖から花火が上がって綺麗だった。
 
 
 1月1日(木)・・・・・嫁と娘2人はショッピング。私と宗一郎はレンタサイクルで町中を探索しようと男2人で家を出発。しかしどこのレンタルショップも自転車が売り切れで、途方に暮れてしまう。
 
 このままブラブラ時間を潰すのももったいないので、思い切ってレンタカーを借りることに。大きなクルマはしんどいので、二人乗りのスマートを借りた。
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 ショートホイールベースのため、笑かすぐらいに乗り心地が悪い(笑)。しかし取り回しはすこぶる良好なので慣れない右側通行では助かった。日本語ナビも付いていてこれも大いに助かった。
 
 早速先日行けなかったヌアヌ・パリへ。ワイキキからクルマで20分程度。ここも昔訪れたことがあって、断崖絶壁から吹き上げるものすごい風が印象に残っていたが、この日は何故か無風。そして何故かニワトリがたくさんいる。日本でいう公園の鳩レベルである。
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 ヌアヌ・パリを出発し、とりあえずカイルア方面へ。少し小腹が空いたので早めのランチにする。ショッピングモールみたいなところにマクドナルドを発見したが、ここまで来てマクドもアレかなあと思い、サブウェイへ(笑)。ピザを注文し、オープンデッキで食す。私はハワイでいろんなレストランに行きいろんな物を食べたが、宗一郎と2人で食べたこのピザが一番美味しかった。
 
 カイルアを出て海沿いを走る。途中でサーファーが集まるスポットがあったので立ち寄ってみる。多くのサーファーが波を楽しんでおり、しばらくボーっと眺めてしまう。やろうとは思わないが、サーフィンしている様子を眺めるのは好きだ。
 
 そこから少し走り、マカプウ岬へ。ここに限らないがとにかく景色が素晴らしい。見たこともないような景色に宗一郎も子供心に感動するのか自分のカメラで撮りまくっていた。
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 マカプウ岬を出た後は、登ってみたかったココ・ヘッドへ。先日ハナウマ湾へ行くタクシーの中で見て、そのインパクトにやられたのである。
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 とんがり帽子のような形をしていて、麓から頂上まで直登する階段が1本あるだけのビジュアルに、元クライマーの私の血が騒いだのである(笑)。渋る宗一郎をむりやり連れて行き、約40分かけて登頂。
 
 昔、頂上には通信施設があったらしく、階段と思っていたのはトロッコか何かの線路である。つまり人間の歩幅に合わせた軟弱なものではなく、ただの枕木であり、子供にとっては一段分が腰ぐらいの高さの段々が永遠続くのである。
 
 途中には橋のようなところがあり、枕木を踏み外すと谷底へ真っ逆さまというポイントもある。とにかく一瞬足りとも気を緩めることができず、最大斜度45度はあろうかという階段をひたすら登る。私でもかなりしんどかったのに、子供にはさぞかし辛かっただろうと思う。水を持っていて良かった。
 
 しかし頂上に着いた時の満足感は半端ではない。ハナウマ湾からダイヤモンド・ヘッド、ワイキキ市街地まで見渡せ、山の反対側の切り立った絶壁の向こうは太平洋の水平線がどこまでも続く。今回のハワイ旅行で一番印象に残った場所である。その苛酷さからメジャーな観光スポットとは言えないが、足腰に自信のある人にとっては穴場的スポットではないだろうか。個人的にはオススメしたい。
 
 ワイキキへ戻ってレンタカーを返却後、部屋へ戻って一服。慣れない右側通行は普段の運転の10倍疲れる。でも、日本で左ハンドルを運転すると違和感しか感じないが、右側通行の国で左ハンドルはしっくり来るもんである。そして信号が赤でも安全さえ確認できれば右折できることも初めて知った。みんな信号無視するなーと思っていたけど、それは普通だったとは。
 
 ハワイ最後のディナーはロイヤルハワイアンセンターで開催されるレジェンド・イン・コンサートを観ながら。エルビス・プレスリーやマイケル・ジャクソン、レディー・ガガのそっくりさんによるコンサート。
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 一応正装ということなので(結果的にどうでも良かったのだが)、娘2人はバーゲンで25ドルぐらいになってたラプンツェルとシンデレラの衣装で(笑)。周囲の外人さんにえらく可愛がられていたが、“平たい顔族”が洋風のドレスを着ても滑稽なだけであった。
 
 ショーのほうは、ハワイの伝統的なフラダンスやファイヤーダンスとコラボした楽しいショーであった。正直エルビスの動きにキレはなくなっていたが、声は素晴らしい。レディー・ガガの実際のライブ映像とシンクロするように演出されたピアノ弾き語りも素晴らしい。そして何よりマイケル・ジャクソンのダンスは圧巻であった。ビリー・ジーンに合わせてロボットのように踊る動きには息を呑んだ。ダンスだけであれだけ観衆を感動させることができるとは、スゴイの一言に尽きる。
 
 ショーが終わるとバックステージで出演者と記念撮影ができる。近くで見るマイケル・ジャクソンは、顔のどこを見てもマイケル本人にしか見えない。整形したのかメイクだけでそうなるのかわからないが、そのことに嫁はえらく感激したらしく、何枚もツーショットを撮っていた。平たい顔族とマイケルが並んだ写真は今年上半期のおもしろ写真ナンバー1であろう。
 
 1月2日(金)・・・・・嫁と子供をハワイに残し、私だけ帰国。空港では案の定さくらが自分も帰りたいと号泣し、こころも目に涙を浮かべている。宗一郎は相変わらず遠巻きにその様子を眺めている。1230ホノルル発、日本時間1810関空着。約10時間のフライトで、本1冊と映画3本を観た。感想文はまた後日書こうと思う。
 
 関空へは日本時間1820に到着。なんだか慌ただしいハワイ旅行であったが、それでも十分に楽しめた。ハワイという場所は素晴らしく、土地も人も自然も、そこに流れる時間も、全てが筆舌に尽くしがたいほどだった。子供たちにも幼心にそういった異国の空気というか、雰囲気というか、日本にはない何かを感じ取ってもらえたら、親としてこれ以上嬉しい事はない。
 
 

回転木馬忘年会2014

 今年も木馬忘年会に参加させて頂いた。去年までは知らない人が増えたなあという印象であったが、今年はTTのほうにも木馬メンバーが進出してきたこともあってか、去年の“借りてきた猫状態”ではなかったのが幸いだった。とても楽しい会を皆さんとご一緒させてもらいました。
 
 2次会は、結局アニソンまみれになるカラオケには行かず(笑)、数人と連れ立って近所のバーへ。なかなか突っ込んだ話をたくさんして、こちらも大変楽しかった。
 
 酒を十分に注入した既婚のおっさんの目の前に、うら若き未婚の男女が座れば、それは格好の獲物である。
 
 将来のことから下ネタまで、ゲスな質問を次々に投げかけられ、さぞかしうんざりされたことであろうと思う。挙句の果てには「駅まで送ってこい」と指示され、思いの外早く戻ってきたら「もっと話をしてこんかい」と説教される。それでも人生の先輩の話をしっかり聞こうという態度を崩さないところを見ると、よっぽど良い育てられ方をしたのか、それとも本当に人生に迷いがあるのかのどちらかではないだろうか。まあとにかく、その説は失礼しました(笑)。
 
 皆さんには今年一年の感謝の意を表明するとともに、また来年も健康で楽しい一年を共に過ごして頂きますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます~。

2

休日の過ごし方

 毎週水曜日はお休みである。昨日なんかはスカッと晴れ渡っていて、冬の身支度さえしてしまえば絶好のライド日和であった。
 
 ヨメコドモがそれぞれの持ち場へ出て行って、掃除をして洗濯物を干して、さあそろそろ出かけよかとなるも、まあちょっとコーヒーでも飲んでゆっくりしようじゃないかと腰を下ろしたのが運の尽き。
 
 サッシから降り注ぐクリアな日差しがなんだかとても気持ちよく感じてしまい、結局家でダラダラと過ごしてしまった。
 
 しかしまあこんな休日も良い。久しぶりに弦の錆びたギターなんぞを持ち出して爪弾いてみたり、休息に乾いていく洗濯物を眺めたり、こんな生活を1週間も送っていれば確実に廃人になるだろうなという贅沢な時間を過ごさせて頂いた。
 
 15時過ぎに帰ってくる子供たちをスイミングに連れて行き、可愛い受付のお姉さんと一言二言会話をし、帰宅してから予め準備してあったタコ焼きの材料をテーブルに並べて、録画してあった吉本新喜劇を見ながら食べる。これが幸せと言わずして何が幸せなのか。
 
 自分は幸せ過ぎるのではないかと感じることがある。だって、もしこの日にライドに出かけ、そこそこの距離を走って戻ってきたとしても、「ああ幸せな休日だった」とブログなんぞをアップするのだろうと思う。結局何をやっても幸せと感じる日々なのである。
 
 ちょっと話は飛ぶけど、自転車友達のかなもっちゃんは、大好きだった女性に何度もアタックをし、めでたく結婚し、すぐに子供を授かり、そして一軒家購入である。それがたった2年ほどの間に目白押しだったわけである。世間一般に言う「幸せ」が一気に押し寄せて来て、さぞやかなもっちゃんもビビっていることであろうと笑っていたのだが、よく考えればこのテの出来事一式は大抵数年のうちに押し寄せてくるものであり、それはかなもっちゃんに限らず私もそうだったし、不遇の20代30代を過ごした人にとっては「急ぎ過ぎ」と感じることもあるかもしれない。
 
 しかしその幸せを、しっかりと「幸せである」と認識できることは重要である。10代20代で結婚したことがないのでわからんが、仕事や恋愛や人間関係に苦労しまくってから、40代ぐらいで結婚するほうが、私は幸せの大きさが違うんじゃないかと思う。

『紙の月』 角田光代 ハルキ文庫

 突然だが、私は宮沢りえが好きである。この作品は最近宮沢りえ主演で映画化されたので、普段映像化反対派のくせにこれだけは宮沢りえ目当てで観に行こうと思っていたぐらいである。しかしゆっくり映画を観に行くような時間を捻出しようとすると色々と弊害が出るもので、そんなときに本屋をぶらついたらこの原作本が平積みされていたので手に取った次第である。
 
 大まかなストーリーとしては、銀行勤めのアラフォー女性が客の金を着服し、若い大学生の男に貢ぐという話である。ほんとに大まかすぎてこの作品のファンの方々には申し訳ないぐらい大まかなんだけど、そんなとこである。
 
 主人公の梅澤梨花の表情や態度や声の想像が宮沢りえにすっと合わせることができ、大変読みやすく感じた。ところが内容的にはとてもリアルで心理描写がしつこいほど詳細。時には深く共感、時には逆に不快に感じることがあるほどであった。
 
 基本的には真面目で平凡な暮らしをしている梅澤梨花が、だんだんと男と金に振り回されるようになっていく過程を描いているのだが、段落段落での梅澤梨花のかつての親友や元カレなどの現在のエピソード、そして指名手配された梅澤梨花を思う心理などもこれまた詳細で、さすがの筆力という感じである。
 
 私は梅澤梨花と同年齢ではあるが男性なので、女性はまた違う感じ方をするかもしれない。梅澤梨花に共感できる部分は客の金に手を付け始めた序盤から中盤辺りのみであるが、女性は最初から最後まで共感し続ける人がいるだろう。梅澤梨花と似た境遇にある人はたくさんいるだろうし、もしかしたらそう遠くないところに同じような人がいるかもしれない。
 
 これを読んだ同年代の女性と語り合ってみたいものである。

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秋スズカ2014 トロッフェバラッキ

 夏のチームTTが中断DNSとなった腹いせ(?)に勢いで申し込んだ秋スズカのトロバラ。結果的には大変楽しむことができた。天気も良く、少し肌寒いぐらいの気温は走りだすとちょうど良くなり、10周という距離も1年分しっかりとスズカを走り込んだような感じがして満足であった。
 
 我が木馬チームからは4組出場。私は木本さんとコンビを組み、密かに4チーム中1位を狙っていた。ライバルは大澤さん永富さん組と、鈴ひろさん西やん組。スタート順も大変近く、脚の揃ったメンバーなので接戦になるだろうと予測していた。
 
 ところがスタート直前になって永富さんのエア漏れが発覚。急遽メカニックサービスへ走っていったがスタートになっても戻ってこず。これは早々にDNSか。まあ我々にとってはライバルがひとつ減ったのでシメシメと思いながら、普段の威勢の良さを影に潜め、ショボーンとスタートラインで独り佇む大澤親分を置いてスタート。
 
 これでライバルは鈴ひろさん西やん組だけである。彼らは我々よりも15秒早くスタートしたので、抜きさえすれば我々の勝利は確実である。コース内は8時間耐久の人たちもいるので大変混雑していた。登り坂では慢性的な渋滞が発生し、下りでも思ったようにスピードが出せない。なんとかかんとかやり過ごしながらの1周目であった。
 
 2周目に入り早くも鈴西コンビが視界に入る。意外にも西やんがずっと前を引いている。しばらく後ろで様子を見ていたが、まったく先頭交代をしていない。いつもなら下りで千切れて行く西やんなのに、なんと鈴ひろさんを引き離してぐんぐんスピードに乗って行くではないか。ゴール後に聞いたが体重が4kgほど増えたそうだ。そりゃ速いわ。
 
 少しの間抜きつ抜かれつを繰り返し、5周目辺りで鈴ひろさんが離れてしまった。後ろを振り返っても見えない。気付かずに調子よく漕いでいる西やんはオートバイの審判員に後ろが切れていることを指摘され、我に返ったように速度を落とし後退。おそらくこれで鈴西コンビも失格であろう。これで我々の勝利は確実である。西やんをニヤリと横目で見ながらパスし、残りの5周はウイニングランみたいなものである。
 
 
 ライバルはいなくなった・・・・。
 
 なんだかんだ行ってやはり私は木馬最速なのだ。
 
 勝利は確実なのだから頑張って漕ぐ必要もないのだが、そこはやはり最速の名を冠する者である。最後までギンギンに走ることが後進の育成にも繋がるわけである。気を取り直してペダルを踏む。
 
 
 相方である木本さんは仕事や他の用事で大変忙しく、今回もアバラの傷が癒えたばかりで万全の状態とは言えないにも関わらず、私によく付いてきてくれている。TTバイクの準備も十分に出来なかったみたいで、普段の短距離レースでは使用しないボトルを急遽取り付けしたりでバタバタだったようだ。しかもそのボトルがフレームの構造上、手が届かないところにしか取り付けできず、なんと走行中に水が飲めないというアホなアクシデントを抱えていたのである。
 
 さすがに10周の長丁場で水が飲めないのは可哀想だと思い、私のボトルを差し出す。彼は私をまるで神様を見るような目つきで嬉しそうにボトルを受け取り、ゴクリと飲んで私に返した。
 
 
 そのボトルを受け取った瞬間、私は目を疑った。
 
 「水・・・・あらへん・・・・!!」 
 
 なんと本当のライバルは相方だったのである!!!
 
 
 私は何を隠そう“水飲み”である。水がないと走れない。そのことを知ってか知らずかまさに命の水であるボトルの水を半分以上飲み干し、しかも数周後にはあつかましくも、
 
 「水、ください・・・・」
 
 とぬかしやがる。
 
 そして自分だけ元気になり、9周目ごろにハンガーノック気味で脚に力の入らなくなった私の前にようやく出て、ホームストレートの登り坂を引きずり倒すのである。
 
 そうこうしている間に失格だったはずの鈴西コンビに追い抜かれ、さらに運営の恩恵を受けて最後尾からスタートさせてもらった大澤永富チームにも30秒差にまで詰め寄られるという後半のヘタリようであった。
 
 結局木馬4チーム中2位、鈴西コンビには1分以上離される結果になった。
 
 まさかの展開でゴール後も呆然となり、誰が敵で誰が見方なのかわからなくなっていると、強烈な空腹に襲われ、大して美味くもないたこ焼きに600万円も支払い、むさぼるように食べているとようやく落ち着き、周囲を見渡せるようになってきた。
 
 「鈴鹿で『待って!』って言われたの初めてですよ!ワハハハ!」
 
 と吹聴している木本さんの肋骨をもう一回折ってやろうと思った。