スプラトゥーンに学ぶ

 「スプラトゥーン」というものをご存知だろうか。スプラトゥーンとは任天堂Wii-Uのゲームソフトで、武器を使ってインクを塗りたくり、自陣のエリアを多く塗ったほうの勝ちというシンプルなルールのアクションゲーム。インターネットで他のプレイヤーと対戦したり、武器や装備を色々と変更して性能の違いを楽しんだりすることができる。任天堂にとっては久しぶりのスマッシュヒット作である。
 
 実は私はこのゲームが大嫌いである。何故かと言うと、半年ほど前に息子がこのゲームを買ってもらってからというもの、週に2回それぞれ2時間までと決めていたゲーム時間のルールを破るようになったからである。ゲームをする時間を捻出するために、頭が痛いだのお腹が痛いだのと親に嘘をついてまで学校を休んだり、あれだけ尽力して応援していた少年野球を辞めてしまったりと、小5にして早くもグレ始めた要因となったゲームであり、このゲームさえなければ何事にも一生懸命で真面目な息子だったのである。
 
 そんな息子の行動に憤慨した私はきつく息子を叱りつけ、ゲーム本体を隠したり、それでも見つけ出してこそこそとやっていたのを発見したときはゲームの配線を鋏で切ってしまったこともある。
 
 しかし少し落ち着いて考えてみると、本当にグレる原因はゲームにあるのだろうか。同じようにゲームをやっている子どもはたくさんいる。不登校にもならず、少年野球も辞めず、それでもスプラトゥーンを楽しんでいる子どもたちはたくさんいるのである。果たして、親の感情の赴くままに「スプラトゥーンは悪」と決め付けて良いものだろうか。
 
 だから私は、その悪と思われるゲームが本当に悪なのか、難しい年頃の息子を育てる親として、その悪にしっかりと対峙するべきではないかと思い、水・木と平日に連休を取って、合計約12時間ほど必死でやってみたのである。
 
 最近のゲームは操作が鬼のように難しい。単純なボタンのみだったファミコン世代である私は、コントローラーのボタンがどれがどれなのかを覚えるだけでも大仕事である。今までは親指だけでよかったのに、今や人差し指や中指まで動員しなければいけない。ましてやそれを反射的に押してキャラクターを思いのままに操作し、ちょこまかと動き回る敵を撃つなど至難の業である。
 
 何度も諦めようと思った。
 
 しかししかし、これを乗り越えなければ、もう一度あの頃のようにキラキラした笑顔の息子と向き合える日々は来ないのではないかと思うと、攻略本を買いに本屋まで走ったり、youtubeで勉強したりするのである。なんとかかんとかランク15(最高は50)まで上げることができた。
 
 このゲームは面白い。私から息子を奪った憎きこのゲームは本当に面白い。10年かけて築いた親と息子の関係を、このゲームはいとも簡単に超えていったのもうなずける。何故にこのゲームは面白いのか。これを考えることが大事である。このままでは私もゲームおたくになって会社をズル休みするようになってしまう。
 
 とにかくこのゲームはスリリングでエキサイティングである。そして頑張った分だけそれに見合った見返り(アイテムやランクなど)が魅力的で、よしまた次も頑張ろうとなる。さらに大変褒め上手である。何度失敗しても何度でもやり直しさせてくれる。少しのペナルティは発生するがたいしたものではない。
 
 報酬とペナルティーのバランスが絶妙で、失敗しても怒られず、クリアすれば褒められて、他プレイヤーとの競争もあり、そりゃ子どもは親よりもこっちに心を奪われるだろうなと思った。理不尽な制約、強制的なしつけ、自分の時間を奪う数々の弊害。子どもを取り巻く環境は、親が思う以上に各方面からスプラッシュを受け、どのインクの色に染まろうかと悩み続けている。
 
 私がこのゲームを理解してからは息子との共通の会話も増えたし、心なしか笑顔も増えたように思う。ただただ頭ごなしで強制的に支配しようとしていた自分を猛省するとともに、子どもが置かれている環境と自我の目覚めをしっかりと見極めていかなければならないと、スプラトゥーンに教えてもらったような気がする。
 
 今夜もイカしたコーデとブキで塗りまくりたい。

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英会話

 珍しくずっと続いている英会話学習。とはいえスピードラーニングをただただ聞き流して、わからない単語や言い回しがあったら調べ、時間と心に余裕のあるときは万年筆で文章を書き写す、ぐらいのことしかやってしない。つまり「アウトプット」していないので、聞いたり読んだり書いたりすることはできても、英会話でもっとも肝心な「話す」ことがなかなかできないのである。英会話ではなく、ただの英語の勉強になってしまっている。
 
 スピードラーニングを制作しているエスプリラインは会員向けにいろんなイベントをやってくれていて、その最たるものがイングリッシュパーティーだ。エスプリラインの外国人スタッフが各地方にやってきて、食事をしたりお酒を飲んだりしながら外国語交流をするというもので、私も大阪と京都で2回ほど参加したことがある。
 
 外国人スタッフが5~10人ぐらい。彼らがそれぞれ4~8人掛けぐらいのテーブルに1人づつ着き、英会話勉強中の日本人が取り囲んで食事などをしながら雑談するというスタイル。もちろん日本語は基本的に使わないですべて英語を使う。私を含めてほとんどの参加者が単語の羅列でしか会話できないレベルなので気負うこともなく、外国人と接する機会の少ない人にとってはなかなか楽しいイベントである。
 
 結構真面目に“聞き流して”いるし、時には辞書を開いたりするので変な自信を持っていたのだが、やはり会話のスピードについて行くことができず、頭の中で文章を組み立ててからでないと言葉が出てこない。習うより慣れろとはよく言ったもので、会話の勉強はCDや辞書ではできないものだなあと痛感することしきりである。
 
 少し話は変わるが、私は家庭内ではあまり妻と会話をしない。業務連絡的なことをする程度。その業務連絡でさえメールで事足りることばかりなので尚更である。普段仕事で接客をしているので、なにかしらの意見を妻に対して訴えたいときには、接客するように話したほうがこちらの思いが的確に伝わる気がする。夫婦生活がどうこうと言った方向に話題を進めるつもりはなく、ふだん使っている言語が自分のアウトプットのベースになるということを言いたいだけのことで他意はない。
 
 ということで、外国人の飲み友達などがいない私の英会話学習は、おそらくここらで“頭打ち”というところであろうか。いやいやまだまだ勉強できることはたくさんある。普段英語を使わない人間がどこまでできるか。これからもチャレンジしていきたいと思う。

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2016明けましておめでとうございます。

 お久しぶりです。M君です。
 
 鈴鹿の記事から約2ヵ月弱も更新を開けてしまった。やはりメインの趣味である自転車をテーマにしたブログだったので、その趣味が低迷してしまうとブログを更新する理由もなくなるのだなと改めて感じる。
 
 最近は本当に調子が悪い。今のところ体調は良好なのだが、仕事や家庭のことで大変調子が悪いのである。それがいずれ体調に支障をきたすようになるのは想像に難しくない。なにが原因なのかを書き出すとキリがないしただの愚痴になってしまうおそれがあるので控えるが、とにかく何もかもが面白くないのである。
 
 新年早々の記事がこんなネガティブな内容でいいのかと思ったが、事実そんな気分なんだからしょうがない。まあ“あとは上がるだけ”と、半分やせ我慢で前向きに考えておこう。
 
 
 今年の年末年始の休みは結構長かった。去年はハワイで過ごすという庶民にはありえないことをやってのけたが、今年はおとなしく近場で子供たちとゆっくりと過ごした。
 
 まず、淡路島へ魚釣りにでかけた。
 
 私は魚釣りには向いていない。だからやったことはあっても自分から進んでやるということはなかったのだが、今回は長男が珍しくやりたいと言い出したので行くことにしたのである。
 
 釣果は言わずもがな。釣り場に不慣れな初心者が子ども3人を連れてできることなんて大したことが無い。早朝から出かけてまさかのボウズかと思ったが、地元の人のアドバイスなどに助けられなんとか最悪の事態は免れた。10cmほどのイワシが数匹と、ちょっと大き目の金魚かというぐらいのサイズのガシラが釣れた。
 
 それでも子どもは単純である。竿に感じる魚の躍動が興奮を呼び、大変良い思い出となったようだ。うちの嫁は魚をさばくことができない(というよりも小さすぎてどう調理すればよいかわからない)ので、実家の母親に頼んでなんとか食べられる状態にしてもらった。普段は魚嫌いの子どもたちも自分が釣った魚だと思うと食べられる。不思議なものである。やはり子どもはインスピレーションのみで生きているのだなあと感じる。
 
 
 連休後半にはスキーに行くことも予定していたのだが、生憎の雪不足によりスキー場が開場していないようで中止に。それではと近所にあるスケートに行ってみることにした。スキーがダメになってスケートに変更するという家族は多いみたいで、普段は閑散としている公営のスケート場は家族連れで賑わっていた。
 
 私は実はスケートが生まれて初めてだった。インラインスケートはやったことがあるのでそれほど難しくはないのかなと高をくくっていたが、これが実際やってみるのとは大違いでなかなか安定することができなかった。とりあえず前に進むことができるぐらいで、片足はおろかバックで滑るなど、どうやったらそんなことができるのか全く想像がつかない。
 
 スケート場で目立つのはやはり上手な人である。
 
 特に小中学生の女の子がスケートをする姿はとても素敵である。我々のダサい貸し靴とは一線どころか二線も三線も画するスマートな自前のシューズを履き、ぴちっとしたタイツをかかとまで被せて、まるでフラミンゴのようにスラっと脚が長い印象を与えてくれる。そんな子がクルクルとスピンなどするものだから、末娘が頭を打って泣いていてもまったく気付かなかった。
 
 
 そういえばボウリングにもでかけた。
 
 私の連休最終日は世間はすでに仕事始めということもあって、開店早々のボウリング場はガラガラだった。ところがしばらくプレイしていると、近所の愛好家と思われる高齢者がわらわらとやってきて、あっという間にほとんどのレーンを埋めてしまった。
 
 私も含めて我が家はボウリングがヘタなので、60行くか行かないかのスコアで楽しんでいる子どもたちなどは、バカンバカンとストライクを連発する高齢者を眺めてポカーンとしていた。
 
 60~70台の高齢者は今年も大変元気である。
 
 先のスケート場でも女子小中学生の次に目立っていたのはスケートに一家言持っていると思われる高齢者である。このあたりの年代は第一次ベビーブームで大変人口が多い。そしてもっとも景気が良かった頃にブイブイ働いてブイブイ遊んでいた時期の年代である。60・70になってあらたに自由という楽器を得た今、まさに人生を謳歌している。羨ましい限りである。
 
 
 
 まあそんなこんなで2016年が始まった。文章を書くとストレス解消になる。これからは時間の許す限り、日々の徒然と心の揺れ動きを恥ずかしもなしに書きなぐっていこうと思う。

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2015秋の鈴鹿トロッフェバラッキ

 気付けば自転車を本気で漕ぐイベントも年に1回となってしまった。いろいろと参加してみては、楽しさやしんどさなどたくさんの要素を天秤にかけて厳選に厳選を重ねた結果、この秋鈴鹿トロバラが残った。それほどこのレースはお手軽で楽しい。
 
 今年は朝から雨だった。まあゴルフも山登りもみんなそうだけど、空を恨んでもどうしようもない。とにかく安全運転で完走目標で走り出す。
 
 今年のパートナーは去年と同じ木本さん。去年はラスト2周ぐらいで軽いハンガーノック状態になってしまい不完全燃焼になってしまったので、今年はジャージにゼリーを忍ばせるなどしっかり対策を行った。
 
 しかし、レース数日前の練習ライドをしていた際にリヤがパンク、そしてリヤディレイラーがフレームから外れてしまうというトラブルがあり、応急的な処置しかできずに本番を迎えてしまったのである。案の定リヤの変速の調子が悪く、1つ操作すると2つギヤが変わってしまったり、常にジャラジャラと精神衛生上良くない音が発生しているという、なんともトホホな状態のまま走り続けた。
 
 雨の路面状況に加えてメカの不調もあって序盤はかなりスローペース。最初の5周はすごく長く感じた。しかし半分を過ぎると速度にカラダが慣れてきて、今までのカーブ手前の減速は大げさだったことに気付いたり、抱えたままのメカトラもなんとかクセみたいなものを掴んできて、徐々にペースが上がる。
 
 木本さんの調子も悪くなさそう。というよりも木本さんが前にいる時、ちょくちょく後ろを振り返って私の存在を確認してくれていたので、もしかしたら私の調子が悪いものだと思われていたのかもしれない。そうであればお互い脚の引っ張り合いとなって、チーム競技としてはイケナイことになってしまうので、ちょっとずつペースを上げることにする。
 
 前にも書いたかもしれないが、鈴鹿サーキットは自分と相性が良い。ホームストレートの登りさえやっつけてしまえばあとは惰性でなんとかなる。TTバイク様様である。したがってホームストレートを頑張りさえすれば自然とラップタイムが上がるのである。というわけで、苦手なホームストレートを頑張ってみた。
 
 これで木本さんにスイッチが入ってしまって逆に引っ張り倒されたらイヤだなとは思ったけど、7周目辺りでポケットに忍ばせたゼリーを補給する。10周程度のトロバラで途中補給する人なんて見かけなくて少々恥ずかしいが、これは私が自分自身のガソリンタンクと燃費をきちんと把握しているベテランゆえの作戦なんだと言い聞かせ、不安定なTTバイクのサドル上でゼリーを絞り飲む。
 
 10分もすればゼリーのパワーが染み渡り、ラスト1周は木本さんを引っ張り倒すという快挙。
 
 しかも最終コーナーを立ち上がってホームストレートで木本さんと並んだ時、
 
 「お前には絶対負けへんっ!!」
 
 と、年上に対して非常に失礼な暴言を吐き、あろうことかチーム同士で蹴散らし合いをするというエネルギーまでもが沸いてくるんだからゼリーの威力は恐ろしい。
 
 抜き抜かれつの攻防を繰り広げた末、なんとかホイール1つ分先行することができた。
 
 
 今回のレースは雨のせいであったり体調不良だったりとDNSの仲間が多かったにもかかわらず、何事もなく走り終えてなんとも幸せな気分だった。行くまでは何かとハードルがあってモチベーションが下がり気味になってしまうが、とりあえず走ってしまうとそれなりに楽しんでしまう自分の性格をラッキーだと思わずにはいられない。
 
 こんな気分屋な自分に付き合ってくれる木本さん始め、寒い中ずっとホームストレートで応援してくれたOさんNさん、運転してくれたヤング井上、その他たくさんの仲間たち、家族、運営の人々には感謝の言葉もありません。
 
 
 実は、このレースをもって自転車活動を縮小しようと思っている。TTバイク・シクロクロスバイク・ピストの3台は実家の倉庫にしまい、コルナゴ1台のみを自宅の手元に置くつもり。ローラー台や工具や部品など部屋を占領していた大量のものを整理整頓し、子供たちの勉強部屋として使わせようと思っている。
 
 まあ子供が3人もいるのでいずれはそれぞれに部屋をあてがわなければいけない時期が来るだろうなと思っていた。しかしこれは私の趣味を減らすということではないし、今までの友達との付き合いを絶つというわけでもない。家族の成長に合わせて自分のライフスタイルを変えていくという前向きな行為である。
 
 家族それぞれの予定や都合をイライラしながら擦り合わせてゴリ押しで続けていく趣味など最早趣味などではない。子供たちがさらに成長して、また気持ちよく趣味に打ち込める時期がきっと来る。だから今は家族のために少し休憩します。
 
 その最後のレースがとても良い形で終了できたことを、あらためて感謝したいと思う。どうもありがとうございました。

『陽気なギャングが地球を回す』 伊坂幸太郎 祥伝社文庫

 東京出張の際に暇つぶしの為本屋に駆け込んで平積みしていたものを反射的に手に取った。「陽気なギャングシリーズ」のの第1作目だそうだ。この第1作目は随分と昔に既出だったようで、最近3作目が発表されたので、それでは1作目から売ってやろうではないかという本屋の作戦にまんまと関西人が引っかかったカタチである。さすが東京。
 
 ストーリーを一言で言ってしまうと、それぞれ異なる個性をもった4人の銀行強盗のドタバタ劇ということになるのだが、この4人のキャラクターが素敵で、彼らの台詞を聞いているだけでも十分面白く、人生の糧にしたいと思えるものも多々あった。
 
 銀行強盗という大胆な犯罪を、とても用意周到にスマートに行う彼らの美学が単純にオモシロかっこいい。内容自体は難しいものではなく、気楽に読めるので大変オススメである。

北摂LOVE

 北摂方面はイイ。
 
 大阪市内で暮らし、奈良方面へ仕事に出かける私としては、やはりどう考えても生駒山系とは切っても切れない関係である。清滝峠や十三峠などは生駒山系をホームコースとするサイクリストにはメジャーな峠であり、さらには暗峠などというとんでもない斜度の坂道まであり、ハナシのネタには事欠かない山脈である。
 
 そんなネタ集めに翻弄する言わば“色モノ”好きローディーが集まる生駒山系とは一線を画し、比較的斜度が緩く距離を長く取ることのできる北摂方面は、本格派ローディーの集まる聖地であり、生駒山系で育った私としてはどうしてもアウェイ感があった。
 
 しかし休みの日にゆっくりライドでもしようかとサドルに跨る際、いつも通勤している生駒山系ではつまらないので、ちょっと趣向を変えて久しぶりに北摂方面にでも行ってみるかとなる。
 
 そういう気分のときは、上下揃いの柔軟剤の香るキレイなジャージに身を包み、北摂方面の本格派ローディーに出会っても恥ずかしくないないような、つまり「あ、こいつは生駒山系やな」というのがバレないような格好をするのである。
 
 自宅からせっせと北上し、勝尾寺を登って高山公民館前。さらに北上して豊能町役場を右に曲がって茨木市まで一気に下るという40マイルちょっとのコースは、まるで上質なワインを楽しむように、強すぎず、物足らなさすぎず、芳醇な柔軟剤の香りとともに、ローディーとしてのレベルが一つも二つも上がったような感覚であった。
 
 これからは、北摂もホームコースとして、勝手に愛していきたいと思う。

墓マイル

 お彼岸に墓参りできなかったぐらいでなんだか落ち着かない年頃になってしまった。最近周りで発生するイレギュラーは全てそのせいではないかと要らぬ妄想まで始めてしまっては忙しいなど理由にもならない。早速最近復活させたピストで参ってきた。
 
 我が家から霊園までほぼ平坦とはいえ重たい固定ギヤを踏み続ける作業はなかなかしんど楽しい。河川敷にはコスモスがちらほらと咲き始め、確実に季節は進んでいるんだなと感じる。
 
 ところで、ガーミン先生をマイル表示に設定して久しい。
 
 正直40年以上メトリックで生きてきた身としてはまだまだ馴染めないでいる。ていうか自転車程度の速度と距離ならば、素直にメトリックのほうが使いやすい。マイルはメトリックの1.6倍だから大雑把なのである。1km/h単位で速度を調整しながら進むチームTTなどでは、1人だけマイル表示では足並みを乱すことになりかねない。
 
 ただ、表示される数字を暗算で1.6倍する作業は退屈しのぎにはもってこいである。
 
 15mphで約24km/h。のんびり巡航するのにちょうど良い速度。
 20mphで約32km/h。快適な速度。これぐらい出ているとロードバイクは気持ちいい。
 25mphで約40km/h。平坦路でのTTバイクの一つの壁。
 30mphで約48km/h。単独でこれだけ出せたら相当速い。
 
 で、この日の走行距離は50mileで80kmでした。

低糖質を選ぶという行為

 突然だが、最近「ライザップ」に大変興味が沸いている今日この頃。皆さんテレビCMなどでよくご存知の、結果にコミットするアレだ。ここで細マッチョの画像やリンクを貼らないところがこの日記の良いところ(?)である。
 
 別に筋肉モリモリに憧れているわけではないのだが、最近の体たらくにより少々お腹に浮き輪が付き始めた姿を風呂上りの鏡などで確認してしまうと、なんだかこのまま何もせずに堕落の一途を辿って行くことは、もともと細身でクライマー体型だと自負していた私の存在意義にまで目を背けることになるのではないかという、言わば一種の焦りのようなものが、あのインパクトのある広告に興味を向けさせているのであろう。
 
 しかし入会金や必要経費など含めて約50万円ほどかかるらしい。それだけのお金を出せば細マッチョになれないわけがないとは思うが、小遣い制のサラリーマンにとって、細マッチョに賭ける覚悟を買うにはソーエクスベンシブである。
 
 ライザップのボディメイキングを色々と調べていると、「糖質を控え、脂肪燃焼率の高い筋肉を鍛える」ということが屋台骨となっているようだ。つまり、糖質からエネルギーを得るのではなく、脂肪からエネルギーを取り込むカラダに改造するということらしい(シロートなので間違っていたらすいません)。
 
 「・・・・なんだか自分でもできそうである」
 
 おそらく同じコトを考えている40台男子はソーメニーのはずだ。
 
 そこでワタクシ、先日から低糖質食材しか口にしていない!
 
 米、麺類、芋、などもってのほか!
 
 コーラ?自殺行為!
 
 肉、魚、豆腐、カモン!
 
 ゆで卵、チーズも大歓迎だ!
 
 ビールはいかん。最近はもっぱらハイボールだ!
 
 そして筋トレも忘れちゃいかん。今朝は城北公園に行ってお年寄り用に設置された筋トレ遊具を片っ端から占領したぜ!
 
 自転車に一生懸命に乗っていた頃、レースの前に「カーボローディング」と称して炭水化物ばかり摂取していたことがあったが、あの頃の自分を殴ってやりたい。すぐに集団から千切れるレースのためにカーボを溜め込んでどうするのだ!そのしわ寄せが現在の自分を苦しめているぞ!
 
 
 ・・・・・。
 
 熱くなってしまった。
 
 前述したが、この「セルフライザップ」に挑戦するビンボー男子は大変多いだろう。そしてその成功例をあまり見かけないことが、本家ライザップを繁盛させている証明であることは重々承知しているし、本家ライザップで見事ボディメイクに成功した人が聞いたら、まさに失笑モンであろう。
 
 そして「何か新しいことをおっ始めたM君の日記は筆が進む」ということも、このブログを長く楽しんで下さっている方々はご承知のことかと思う。
 
 しかしこの「セルフライザップ」。なんだか手ごたえを感じている。先ほどからワクワクと疼く腹筋をかるくさすりながら、脂肪を燃焼させている肝臓の働きを。
 
 もしかしたらハイボールの分解かもしれないが。
 

人馬一体

 何年か前、MTBに一生懸命乗っていた頃、常に「人馬一体とはなんぞや」と考えていた。SDA王滝での好記録を目指していたので、登りだけでなく下りの速さも色々と考えながら、足しげくダート工業だの山城だのに通ったものである。
 
 私が乗っていたMTBはアルミハードテールで26インチ、フロントサスもロックアウト機構なんて付いていなかったから、ちょっと大きな石ころやちょっと深い轍などがあると、バイクの走行の補佐をするために、ブレーキやハンドルの操作をあれやこれやと忙しく動かしまくっていた。
 
 しかし練習も後半、ブレーキを握る握力もハンドルを操作する腕力も衰えてきて、それでも容赦なく現れる障害物に辟易しながら、「ええ~い!いってしまえ!」と半ば落車覚悟で突っ込んでいくと、意外とすんなりクリアできるときがあった。
 
 その瞬間に、人馬一体とはこのことかな?と気が付いた次第である。
 
 バイクは元々、人間がいらんことをしなくてもそこそこの走破性を持っているもので、コースを難しくしているのは意外と人間のせいだったりするのである。少々の石ころや轍なんか、結構バイクの性能に任せておけば軽くクリアできるものが多かったりして、それでもクリアできないところはようやく人間の出番、ぐらいに思っていたほうが良い。その「人間の出番」のポイントを上手に見極められると速く走らせることができると思う。
 
 「バイク任せ」と「人間の出番」のポイントを行ったり来たりしているときこそが、「人馬一体」ではないだろうか。もちろんロードバイクにも人馬一体ポイントがあるけれど、自分の場合は結構速度の高い域だったり下りのワインディングであったりするので、ヒルクライム中でもそれを感じることができるように、もうすこしカラダを絞っていきたい。

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ループ

 この世に生を受けて42年目に突入している。まだまだたくさんの諸先輩方が活躍されている中でこんなことを言うのもおこがましいけれど、だいたいの「人生の落としどころ」みたいなものが見えてきたように思う。
 
 今一度、自分の人生の目標を考えてみる。どうなれば満足なのか。どこに行けばゴールなのか。
 
 「人生」と言ってしまうと範囲が広すぎるので細分化してみたい。
 
 「仕事」・・・ある一定の年収を超えること。自動車整備士という職業の社会的地位向上。
 「家庭」・・・まずはローンの完済。そして子供3人の独立(自力で給料を稼ぐ時点)。
 「健康」・・・早死にの家系なので期待はしていないがせめて定年までは無病息災で。
 「生活」・・・クルマはクラウンに乗りたい。バイクはアフリカツインに乗りたい。
 「身なり」・・・ジョージクルーニー。
 「英会話」・・・外国人のお客さんが定着するぐらいのレベルにはなりたい。
 「定年後」・・・自宅に書斎を作る。
 
 書いてみるとそれほど難しいことではないように思えてきた。一番の難関はジョージクルーニーであろう(笑)。ビジュアルもさることながら、あの嫌味のないセレブ感を出すにはそれまでの良い人生の積み重ねに寄るところが大きいだろうと思う。
ダウンロード
 
 ともかく、こんな感じで今度の人生を進めていきたい。
 
 
 
 ところで先日、木馬仲間と自衛隊ループを走ってきた。気持ちよかった。
 こういう仲間の存在が、私をジョージクルーニーに近付けさせるのである。
 これからも宜しくです。