いつの間にか年上

 阪神タイガースの桧山進次郎選手(44)が引退を発表した。また一人球界のベテランが去っていくのは寂しい気持ちもあるが、いつまでもというわけにもいかず、若手に引導を渡すために身を引いたとのことである。お疲れ様でした。
 
 私も今年の8月で40歳になり、もしもプロ野球選手だったら確実にベテランの域に達する年齢である。気が付けばプロ野球選手のみならず、サッカー選手、ラグビー選手、バレボール選手、オリンピック選手など、そのほとんどが私よりも年下となってしまった。そりゃあ年齢を重ねていけばそういうことになるのは当然のことなのだが、幼いころからスポーツ選手に憧れていた私としては、テレビで大活躍するスポーツ選手の皆さんは「年上のおにいさん・おねえさん」であることが当たり前だったので、やっぱり私にとっては違和感があるのだ。
 
 こういう違和感を初めて感じた時は高校時代だった。高校野球選手が年下になり始めた頃だ。炎天下の甲子園で白球を追いかけるヒーローたちが私の年下となったのである。あんな素晴らしいプレーは私より年上のおにいさんにしかできないものだと思っていたのに、いつの間にか私より年下の1年生がピッチャーで活躍していたりする。
 
 今でこそ高校野球を観ると、「若いのに大したもんだな~」という感想を持つことができるが、やはり二十歳そこそこの頃はまだまだ高校球児と自分の現実年齢のギャップに違和感があり、高校野球を観なくなった時期もあった。ようやく30過ぎぐらいになって、高校野球をひとつの夏の祭典として楽しむことができるようになったと思う。自分の年齢が上がっていくに連れて、スポーツの見方が変わっていくのもなのだろうか。
 
 最近は私より年下の作家がヒット作品を飛ばす時代になった。小説家なんて、私より語彙が豊富で、私より文章力が高くて、私よりボキャブラリーが広く、そして私より年上で、もっと言えば自分とおじいさんぐらいの年齢差があるものだと思っていたが、自分の年齢が上がることによって、そういう(自分の中だけでの)常識が覆されていく。そういう違和感を感じ始めた今、年下の小説家の本を読む気になれない。先日知らずに読み始めたことがあったが、作者が年下だとわかった途端に(ストーリーは面白かったにかかわらず)つまらなく感じてしまった。
 
 高校野球を観なくなってしまった時期があったように、小説家の年齢が年下になるに連れて読書を面白くないように感じてしまう時期が来るのだろうか。今のところ、私より年上の素晴らしい「おにいさん・おねえさん」の小説家がたくさんいらっしゃるのでまだまだ大丈夫かとは思うけど、これが50台60台になった頃、果たして自分より年下の書く小説を、面白く感じることができるだろうか。自分の精神年齢を棚に上げて、そんなことを心配したりしてみる・・・・。

4

『県庁おもてなし課』 有川浩 角川文庫

 『阪急電車』や『ストーリーセラー』などの作家なのだが、何故かその名前は自分の中に残らず、「あー、これって読んだことあるけど有川浩なんやー」ぐらいの感じであった。ちょっと興味を持って見てみると、有川浩は次々とヒット作を世に飛ばし、ついでに映像化されまくっている売れっ子さんであった。なんかそんな感じで手に取った『県庁おもてなし課』。そういえばこれも映画化かなんかされてたように思う。まあそれはいいとして。
 
 高知県庁に実在する、「高知の観光事業をどうにかしよう!」の趣旨で作られた「おもてなし課」がモデル。物語自体はフィクションであるとのことだが、高知県出身の作者は実際に高知県庁おもてなし課から高知県観光特使の依頼を受けており、しかもおもてなし課を題材に小説を書くというのも同じである。半分はノンフィクションみたいなもんか。
 
 とにかく、高知県の観光事業を立て直そうと集まった「おもてなし課」であるが、今まで温々とお役所仕事ばかりやって来た人間の集まりであるから、何をどうしていいのかわからない。とりあえずの策として、その町出身の有名人著名人に観光特使となってもらい、その旨が印刷された名刺を作って特使に配送するということに決まった。
 
 おもてなし課で頑張る若者掛水くんと、特使を依頼された売れっ子小説家吉門さんの掛け合いが面白い。そして脇役として登場する多紀ちゃんや佐和さんのキャラクターも爽やかで読んでいてとても気持ちいいのである。
 
 基本的に物語は、迷走するおもてなし課がだんだんとしっかりしたものになっていく・・・という感じなのだが、その中には辛辣なお役所批判のような文章もあって、バリバリの民間で働く私としては気持ちよかったりもする。だけど頭ごなしに役所批判しているのではなく、この作者は本当に高知県が大好きで、本当になんとかしたいなという気持ちでこれを書いているのかなと感じた。
 
 この作品がヒットしたことによって、高知県は全国的にその名を広めることができただろうし、私でさえ高知県に遊びに行ってみたいなと思ったぐらいだから、結果的にはおもてなし課が大成功したのだろう。まあ実際に行くかどうかはビミョーではあるが。
 
 
 余談だが、私は恥ずかしながら有川浩が“女性”であることを巻末のあとがきを読むまで知らなかった。いや、そう言われてみれば、キャラクターのセリフや行動の描写がとても丁寧だし、特に女性キャラの行動や心境がわかりやすく書いてあるなと思っていたのである。そういえば『阪急電車』でも基本的にそれぞれの各パートで女性が大活躍している。だからと言ってこの作家の性別がどうのこうのと気になったわけではないのだが、「あー言われてみれば・・・・」と思う節は多々あるのである。
 
 別に物語を読みながらこの作者が男性か女性かを当てるなんてことは重箱の隅をつつくようなことかも知れないけど、有川浩が女性であることを以前から知っていたならば、もう少し感想が違っていたかもしれない。いや、変わらんか(笑)。
 

1

散歩

 昨日水曜日はレース後初の休日。随分涼しくなってライドもしやすくなったが遠出する気にはなれず、近所をウロウロしただけ。TTバイクで出発したけど、なんか自分の上がり切らないテンションとバイクの性能がアンマッチしている感じがした。こういうときはシクロクロスバイクなんかがちょうど良かったりするのだけど、もう家を出てしまったので乗り換える気にもなれず。
 
 TT練習でガンガンやってるときは気が付かなかったけど、こうやってゆっくり散歩程度に流しているとTTバイクってやたらと通行人の目を引いていることがわかる。その目の意味にはいろんなものが含まれているとは思うけど、ほとんどが「KY」的な失笑を買っているように感じるのは、やはり自分のTT熱が下がったからなのだろうか。
 
 今年もしっかりと夏を終えることができた。不完全燃焼な鈴ひろさんには申し訳ないけど、毎年毎年夏を楽しむことができているということはなんと幸せなことか。そして鈴鹿が終わった途端、待っていたかのようなこの涼しさ。おセンチにもなるわなっちゅうハナシである。
 
 自分たちのことで精一杯だったので全く忘れてしまってたのだけど、内灘でも戦ったライバル、コナさんチームも鈴鹿チームTTに出場していて、Facebookのほうでコメントを頂かなければ気が付かなったほど。やっぱり何年やっても鈴鹿には飲まれる(笑)。
 
 で、そのコナさんチームには、内灘では負けてしまったけど鈴鹿では僅差で勝った。今まで「表彰台目指すぞ!」なんてテンションで挑んでいたけれども、こうやって中位ぐらいでもライバルたちと楽しく争えるんだなと思った。何も表彰台だけがすべてではなくて、去年のタイムを目標にしてもいいし、ライバルチームと争ってもいいし、チームTTにもいろんな楽しみ方があったのだなあと、今更ながら気が付いた次第。コナさん、挨拶もせずに申し訳ありませんm(–)m
 
 できれば来年もチームTTにチャレンジしたい。ちょっとここのところメンバーの仕事や家庭に変化があったりして、現時点ではどうなるかまだわからないけど、これだけ楽しい夏をみすみす逃して、「あ~涼しくなったなあ」とは言えないような気がして。

6

SHIMANO SUZUKA 2013 TTT

 300起床330出発。今年は西やんとNAMくんをピックアップしないかわりにヨメコドモが付いてくることになったので荷物が倍増(汗)。ノンストップで540に鈴鹿到着。駐車場から荷物を運び込み、チームオフィスの鍵を借りて615の試走時間のなんとか間に合う。
 
 天候は曇り。名阪国道を走っている時にザーっと降ったけど、運良く鈴鹿入りしてからはまとまった雨は降らず大変助かった。試走は他のライダーが多くて思うように速度が出せなかったがそれでもサーキット感覚を思い出すには十分。2周目で遅れてきたNAMくんと西やんとコース上で合流し、合計3周で試走終了。相変わらず鈴鹿はしんどい印象。
 
 スタート収集時間まで5時間以上ある。クルマにローラー台を取りに行ったり仮眠したりブースを物色したりして過ごす。1130ごろからローラーでアップ開始。チームオフィス内で子供が走り回る中、黙々とローラーを回す。なかなかシュールであった。40分ほど上げたり下げたりしながら回して終了。いよいよスタート地点へ。
 
 スタッフが収集に手間取っていたようで少し予定より遅れたけど、なんとか無事にスタート。
 
 NAMくん→私→西やんの順。3人のエアロヘルメットのバイザー上部には、先日から紹介している「遅れたら押すスイッチLED」があらかじめ取り付けられており、NAMくんが押すと。私が押すと、西やんが押すとのLEDが光るようになっている。
 
 スタートしてすぐのホームストレートはNAMくんがペースを作ってくれた。ヘアピンを抜けて130R~バックストレート途中まで私。バックストレートからスプーンカーブまでは西やんという感じで回した。バックストレートでいきなり落車して倒れている人がいてビビった。仰向けになったまま動かなかったが大丈夫だったのだろうか。あの姿を見て無駄に安全スイッチが入ってしまった(笑)。
 
 ヘアピン手前で西やんが後ろに下がり、ヘアピンを曲がって一番速度に乗る立体交差の下をくぐる。いつもここで体重の軽い西やんが遅れ気味になるのだが・・・・。
 
 「ピカー」!が光った(笑)。
 
 脚を止めて西やんのドッキングを待つ。緑が消えたのでドッキング完了と判断して加速。念のため後ろを見るとちゃんと西やんがいる。うん、この装置は素晴らしい。
 
 S字カーブで速度に乗りすぎてブレーキをかける。勿体無い。メンバーの後ろに付けているとオカマを掘りそうになるぐらいに速度が出るので縦一列にはならずに横に並んだりラインを大きく外したりしてワザと風の抵抗を受けて速度を調整する。最終コーナーをクリアしてホームストレートで私が先頭に立った。
 
 私の心配しているセクションはこのホームストレートだけである。ここさえメンバーに付いて行くことができれば後はほぼ平坦と下りだけ。だからここは死んでも付いて行く!と誓って鈴鹿に挑んだのだが、タイミング的に私が先頭に立ってしまい、良くも悪くも私のペースとなってしまう。つまり遅い。。。メーターは30を割り、29とか28ぐらいになる。あーこれはすぐに先頭交代して登りの速い西やんにパスするべきだろうなーと思っていたらヘアピンがやって来て、パスするタイミングを失い結局バックストレート手前ぐらいまで私が引いてしまうこととなった。
 
 下り基調のバックストレートで西やんが前に出る。軽い西やん+向い風ということもあって速度が乗らない。お陰で後ろで脚を止めることができて随分回復したのだが、レース展開としてはあまり良いとは言えない。それぞれが不得意としているステージを先頭で引くことになってしまっている。
 
 バックストレートが終わってスプーンカーブ。思いっきり風を浴びながら下りで漕ぎ続けた西やんは消耗気味。先頭交代してくれても良かったのだが、他のチームがダンゴになっていてうまく交代できず、ここでも西やんが大きく消耗してしまった。スプーンをクリアしてNAMくんが先頭に出て加速しようと踏んだ時・・・・!
 
 「ピカー」!が光った。
 
 ヘアピンまでの平坦路から、ヘアピンをクリアするまでの下りは西やんの回復待ち。S字では私が先頭。しかしほとんど踏まず。なんでこんなに楽なのか。これはTTバイクのお陰に他ならない。
 
 今年は明らかに練習不足であった。脚の仕上がりとしては去年のほうが手応えがあり、今年は正直言ってヤバイかなと思ってた。さらに鈴ひろさんが不出場となった今、3人でゴールすることが最低限のノルマとなった。何が何でも列車から切れることは許されないという緊張が、スタート前の私を襲った。どうりでいつものスタート直前とは違う緊張感を感じたのだ。いや、不安感といっても過言ではない。
 
 それがどうだ。下りでは(あくまで下りのみw)NAMくんさえも置いて行きそうになるぐらいに走るではないか。このエアロボディ、このジオメトリ、このプラシーボ(笑)。全てが絡み合ってこのバイクは私を異次元の速度で移動させている!
 
 (下りのみw)!!
 
 お陰でS字のあとにNAMくんに先頭を譲っても、先程は30出せなかったホームストレートが35ぐらいで付いて行けるぐらいに回復している。もうこのバイクさえあれば鈴鹿など怖くない。ホームストレートさえやっつければ後は惰性でなんとかなる。このことを2周目終了時点で悟ると、今まで私を包んでいた緊張と不安はどこかに去って行き、代わりにこのメンバーをなんとかゴールまで連れて行ってやろうではないか!という意気が湧いてきたのである。
 
 NAMくんはヘアピンまで引いてくれた。後ろから見ているとさすがのNAMくんも立ち漕ぎして苦しそう(に見えた)。ヘアピンをクリアして私が先頭に。よっしゃここはイッパツ長めに引いてやろうではないかと、130R~バックストレート~スプーンカーブまで引いた。ヘアピン手前で下るので西やんに楽してもらおうと先頭に出てもらう。デグナーをクリアしてNAMくん先頭。後はS字と最終コーナー。
 
 よし!ラストや!これで俺達の夏は終わりだ!行くぞ!!
 
 「ピカー」。、光った。
 
 とは言え下り基調なのですぐに西やんドッキング。S字で速度に乗ってきたので前を走るチームを抜きたかったが上手く抜けず。ブレーキングしながらのS字となった。最終コーナーを抜けてゴールスプリントで抜いてやろうと加速!横にいた西やんに「アレを抜くぞ!」と声をかけてギヤをかける!
 
 あれ?西やんが横にいるのにが光る?
 
 んん?も光った?
 
 あれ?オレってそんなに速い?どんだけ今日のオレ調子ええの?
 
 後ろを振り返ると少し離れてNAMくんが見えた。スプリントは控えて少し待つ。あれ?西やんのが消えない。どこや!西やんドコやーーー!
 
 右横におった。
 
 ちょっとしたLEDトラブルだったようだ。危うく接触しそうになったけど、なんとかゴール。最後は機械に振り回された感も否めないが(笑)、まあそれも含めてとても楽しかった。ゴールしてすぐに雨がサーっと降ってきて、レース中でなくて良かったなあと思った。そういえばずっと曇りだったお陰で気温が随分低く、私の調子が良かったのもそのお陰だったのかもしれない。
 
 レース中は4回ほどボトルの水を飲んだ。ボトルとゼッケンプレートが干渉しており少々邪魔だったがなんとかなった。次回はその辺を考慮した位置にゼッケンを取り付けようと思う。
 
 応援してくれた皆さんありがとうございました。遠方からも友人が来てくれてたようでしたが挨拶できずに申し訳なかったです。順位は全然ダメでしたが、ここ数年の走りの中では最も充実していたのではないかなと思います。メンバーのみんなもお疲れ様。出走しないのに手伝いで来てくれた鈴ひろさんありがとう。また一緒に走ろう。
 
 
 
 

明日は鈴鹿

 いよいよ明日は鈴鹿でのチームTTである。結局チームTT練習は20回。そのうち4回ほどは欠席しているので16回ほどしかやっていない。さらにそのうち4人で揃えたのは10回程度かもしれない。近年稀に見る練習量の少なさである。
 
 今年はNAMくんに譲ってもらったTTバイクを導入し、日々の練習や通勤、6月の内灘などでは良いライドができてるように思う。やはりいくらロードバイクにTTハンドルを付けようとディスクホイールを履かそうと、そのために生まれてきたTTバイクには敵わない。明らかに平坦と下りが速い。ただでさえ鈴鹿の下りで体重の軽い西やんを置いていってしまうほどなのに、今年はぶっ千切ってしまう恐れもある(笑)。
 
 始めてのTTバイクでの挑戦となるのでベストの走りをしたいと思う。鈴ひろさんがいないのは残念だけども、3人なら3人でしかできない走りもあるし、それを理由に流して走ることなんかあり得ない。
 
 日米通算4000本安打を記録したイチローは、毎日毎日試合のある日は朝ごはんに同じものを食べ、同じ時間に球場入りし、同じストレッチを同じ順番でやり、バッターボックスに入る前には同じアクションをやる。結果はコントロールできないものだが、準備はコントロールすることができる。それらの行動は、常に同じ状態、ベストの状態を保ち続けるためテクニックなのだそうだ。
 
 たしかにレースが始まったら何が起こるかわからない。だけどスタートするまでにできることはたくさんあるし、それをやらずして結果を求めることは、宝くじに当たれーと言っているようなものだと思う。
 
 ということで早めに出勤して工場でTTバイクのメンテナンス。ここまで大きなトラブル無しで走ってくれた。明日は雨の可能性が高いけど、頑張って走って欲しいものである。

第20回チームTT練習

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 今回で20回目の練習。去年より10回ぐらい少ない(汗)。まあ去年はちょっとやりすぎた感もあって、常に疲れと共に過ごしてきたように思うのでこれぐらいがちょうどいいのかも。現に今年は寝坊でDNSというメンバーが今のところいない(笑)。
 
 鈴ひろさんはお休みなので3人で。当たり前だが3人はしんどい。しかしペースはなかなかいいペース。45ぐらいで巡航する。自分の中で「40の壁」というものがひとつの調子の目安みたいになっていたけど、これからは「45の壁」としてもいいかもしれない。40ぐらいの巡航でチマチマやっていても上位には入れないことはわかった。練習コースで常に45巡航を目指せば、そこそこのところまではいけるのではないかと思う。理想は「50」だけども、あの練習コースで50巡航は危険が危ない(笑)。
 
 第1区間を終え、西やん先頭、その次NAMくん。最後尾私。西やんが先頭をパスするときに苦しそうに首をかしげるのが見えた。調子悪いのかなと思ったけど、次のNAMくんが45を維持するので付いて行くのに集中。しばらく引いてもらって私が先頭に出た頃に後ろに下がったNAMくんから声が。
 
 「西やんいない・・・!」
 
 付き切れしていたようだ。今日はNAMくんの「切れそうになったら押すスイッチ」システムを装備していなかったので全く気が付かなかった。これがレースなら一発アウトである。ペースを落としても復帰する様子がないので仕方なく2人で回す。3人でしんどいのに2人がどれほどかは書くまでもない。8割がたNAMくんに引いてもらって練習終了。西やんはスタート地点で座り込んでおった(笑)。
 
 何やら「クレアチンローディング」なるものが流行っているようで、クレアチンの入ったクスリを飲み続けると爆発できるらしい。しかし飲んだ直後は少し吐き気みたいなのがあるらしく、練習直前に摂取してきた西やんのドーピングミスということだろう(笑)。私はあまりサプリやプロテインを好まないので飲まない。もともとマメではないのですぐに飲むのを忘れてしまうのだ。飲んだら速くなった気はするけどおそらくプラシーボ。サプリの本来の性能を実感したことがないからだと思う。
 
 ともあれ一応過ぎの水曜日の練習でチームTT朝練は終了。気が付けば本番が1週間先に迫っていた。今年は苦戦が予想されるが、今回もここまでやれたことに感謝しながら楽しんで走りたい。
 
 

盆休み2013

8月12日・・・特に家庭の行事はないので朝からライド。ついでに墓参り往復82kmほど。TTバイクで。1週間ほど乗っていなかったからかポジションがきつく感じる。

少ししたら慣れるかなと思ったけど、あまりにも窮屈で、局部の痛みもマックスに。途中たまらずストップしてステムをひっくり返しハンドル位置を上げる。これがハマって快適ポジションとなる。

朝6時頃出発したけどやはり8時を過ぎると炎天下。気温35度にも達し、淀川SRでは水をかぶりながら帰宅。あーしんど。

晩御飯は、私の誕生日ということもあって吉野家の牛丼。なんでやねん。

8月13日・・・ヨメ田舎の龍神村へ出発。去年と同じく自転車で自走しようと思ったけど諸事情が重なりクルマで。

川で泳いだりBBQしたり花火したり、まあベタな夏休みを満喫する。こういう夏休みを子どもたちに経験させることができるということは幸せなことだと思うが、当の子どもたちはそんなことを感じているのかどうなのかわからん。まあ別にええけど。

8月14日・・・龍神村でお目覚め。この日も川で泳いだり近所のプールで泳いだりして遊びまくる。夕方子どもたちが力尽きてからクルマに乗せ帰路へ。案の定秒殺で眠ってしまったので静かで平和なドライブであった。

8月15日・・・盆休最後。特に家庭行事はないので朝から久しぶりのコルナゴで清滝~磐船~淀川SR。50km足らずだったがこの暑さでは調度良い。昼から家族でたこ焼きパーティーをして昼寝。夜からは高校時代の友人と飲み会。

まあいつものことながら平和な連休である。私も8月12日で40歳。これからもこんな日々が続けばいいと思う。

チームTTの行方

 先日の一件で鈴ひろさんの腰の具合が悪くなり、鈴鹿までの完治は難しく、非常に残念ではあるがチームから離脱ということになった。4人で走るところを3人でとなると苦しさも倍増するのでなんとか鈴鹿までに少しでも腰の具合が良くなれば・・・・と期待するが、まあ言うても我々の苦しさはたったの鈴鹿3周分であるが、鈴ひろさんの苦しさは日常生活から何から何までなので、あんまり無理強いしてストレスをかけるのも良くない。ゆっくり治して頂いて、また来年も4人で走りたいもんである。 

 鈴ひろさん離脱を受けて、代わりのメンバーを迎え入れるという案も出たが、やはり今までずっと4人でやって来た仲間を今更外すのは・・・・という心情的な理由と、ここで新たに新メンバーを入れたとしても練習回数に限りがあるし、ただでさえテクニカルな鈴鹿をぶっつけ本番に近い状態で走るのは困難であろうという物理的な理由とで、今回は誰も迎え入れることはせず3人で走ろうということになった。各方面にお声がけさせて頂き、戸惑わせてしまった方々には申し訳ないですけど、そういうことですのでご了承下さい。これがシーズン始めごろなら考えも変わったかもしれないけれど、ちょっと時期が時期なだけにすいません。また機会があれば一緒にやりましょう。 

 ということでいつまでも停滞しているわけにはいかない。明らかに今年は去年より練習不足であり、実力的にも確実に去年より劣っているであろう。去年は力が付いてきているという手ごたえみたいなものがあったが、今年は皆無である(笑)。ましてや3人であの暑い鈴鹿を走るとなると、去年のタイムを上回ることは難しいだろう。しかしだからと言ってもう今年は何もしないということはない。なんだかもうすでにカラダがそれを求めているというか、「去年より速くはならんからやんぴ」とならないのが自分でも不思議である。 

 3年目の鈴鹿チームTT。 

 チーム結成当初は「表彰台3年計画」などと謳い、焦らずじっくりと上位を狙えるチームにしていこうと誓ったものであるが、1年目はDNF、2年目はなんとか完走。そして仕上げの3年目となる今年は6月辺りから少しずつ歯車が狂い始めた。鈴鹿直前にして表彰台はおろか完走さえ危ぶまれる状況になった今、「3年計画」など水に流して4年目頑張ろうや!・・・・とも言えない自分がいる。 

 たぶんこれからもチームTTは続けていくだろう。おそらくメンバーの入替えなどもなく、見た目には4年目も5年目も変わらずにやっていくだろうし、やっていきたいと思う。しかし一応この「3年計画」には終止符を打ち、4年目からは少し違ったアプローチの仕方で上位を目指したいと、漠然とではあるがそう考えている。 

 そう、「上位を目指す」ことには変わりない。「仲間が楽しい」とか「自転車が好き」とか「ビールが美味い」とか、まあいろんな理由はあるんだが、やっぱり男の子として生まれたからには他人より速く走りたいのである。 

 そこに拘らんことにはなんにも始まらんのである。 

 そしてこの「3年計画」をきっちり終わらせて次へ繋げるためにも、3人だからと言って手を抜いて走るわけにはいけない。

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サマーキャンプ2013 in淡路島

 鈴ひろさんのお誘いで二家族合同でキャンプに行ってきた。私とヨメは元来アウトドアはあまり好きではなかったし、用品揃え・準備・片付け・子供3人etc…などとネガティブな要素を挙げては敬遠していたのだが、せっかく毎年お誘いしてくれるし、いっちょうやってみるか!と思い立った次第。
 
 場所は淡路島。新都志海水浴場で早朝に現地集合し、昼過ぎまで泳ぎまくり、そこからクルマで10分ほどのオートキャンプ場へ移動。幸か不幸か天気は暑すぎるぐらいサイコーの天気で、何を準備するにも汗だくである。ただでさえ慣れないテント設営やテーブル準備などと、午前中の海水浴の疲れも相まってヘロヘロである。たまらず準備中に缶ビールを飲んでみたが、余計に汗が吹き出す始末。まあなんとかかんとか準備が終了。
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 手前がうちのテント。6~9人用とのことでカナリ大きいと思っていたが、周りと比べるとそうでもなく感じる。ちなみに奥のテントは鈴ひろさん家族のもの。全室が広いタイプでうちの1.5倍ぐらいはあったかな?設営が大変そうだった。で、宗一郎が座っているとこに張ったタープはうちの。こんな大掛かりなやついらんかなーと思ったけど、簡単に広げられるし片付けるのも早いし結構重宝した。
 
 今回はオートキャンプ場ということで、写真のような整備されたテントサイトにクルマとテントを置いておける場所だったけど、もっとヘンピなところでやることを想定すると、まだまだキャンプ初心者やなあと思う。テントを設営場所まで運ぶ手段や、準備片付け等の手際の良さなどもっと場慣れしないといけないなと思った。さあキャンプ苦手の我が家、あと何度行くことになるやら・・・・(笑)。
 
 気を取り直して、このキャンプでひそかに楽しみにしていた燻製をはじめる。ホームセンターで売っていた簡易燻製キットを組立てて、6Pチーズと焼豚と竹輪を乗せてみる。桜チップのブロックになってるやつを半分に割り(1個3時間用)、火をつけて放置。箱の隙間からモクモクと煙が上がる。約1時間半ぐらいして煙が出なくなったら完成~。
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 竹輪はモヒトツだったが(笑)、焼豚が美味い。そしてやはり燻製の定番チーズはサイコーに美味い。何の変哲もない6Pチーズが大変身である。ワインを持ってくるのを忘れたのが悔やまれる。BBQのほうはほとんど鈴ひろさん家族が準備してくれて、うちは食べるだけ飲むだけであった。ありがたい話である。これが全て我が家で準備するキャンプであったなら、途中でリタイヤしてホテルかどっかに転がり込んでいたところである。
 
 近くにある施設でお風呂に入り、そろそろ就寝。ところが暑すぎて眠れない。風は吹かんわ地べたは熱いわで大変である。寝転んでいても汗がダラダラと出てくる。今回のキャンプのほとんど全ては楽しかったが、この夜の寝苦しさだけはタマランかった。コンセントがあることを知らなかったので扇風機を持ってきていなかったが、来年もし同じところでキャンプするなら扇風機は必須である。

 寝たか寝てないかわからん状態で起床。朝ごはんもこれまた鈴ひろさん家族が食パンと果物を用意してくれて、うちは何もせず(笑)。いたれりつくせりであった。これなら西やん家族も大丈夫である。来年は一緒にイカガ?撤収作業も汗だくになりながらなんとか終了し9時前には撤収、その後はたこせんべいの里とか淡路ハイウェイオアシスとかに寄り道しながら現地解散。お疲れ様でした。
 
 帰宅してからは片付けと洗濯地獄。キャンプで一番ナニが嫌かと言えばこの片付けである。洗濯はヨメの仕事なのでともかくとしても、片付けとなると重いものなどが多いのでどうしても男手が必要である。宗一郎(小3)がもうちょっと働けるといいのだが、まだまだテントやタープなどの設営・撤収には背の高さと力の強さが足りない。もう数年の辛抱か。頑張れ宗一郎。
 
 今回初めてファミリーキャンプなるものをやってみて感じたことは、「家族それぞれの自主性が大切」ということである。うちみたいに「こら!テントの端っこ持てや!」とか「こら!火遊びするな!」とか「こら!何ボサっとしとんねん!」では何も進まないし、何より楽しくない。やはり家族のそれぞれがきちんとした役割分担の下、てきぱきと仕事をしないことには誰か1人に負担が大きくかかりすぎである。
 
 はっきり言ってうちのヨメはキャンプにはお荷物なだけである。鈴ひろさんちの奥さんや娘さん2人はテキパキとテント設営からBBQ準備まできちんと働いているのに、「貴重品が入ってるから」と片がけのポーチを肌身離さず持ち、ヒラヒラのワンピースなどを着てウロウロしているだけだ。ペグぐらいなら打てるかと思ってやらせてみたら、力は無いわ、コツは掴まんわで貴重なペグがぐにゃぐにゃである。この辺の教育もファミリーキャンプには大切なのだろう。まあ数をこなしていくことによってもう少しマシになると思うが、前述のとおり、あと何回やるのかは不明である(笑)。
 
 ともあれ鈴ひろさん家族、どうもありがとう。子供たちはとても楽しんでいました。
 
 「また行きたい?」
 「・・・・もう、ええかな」
 
 なんじゃそら!

『「黄金のバンタム」を破った男』 百田尚樹 文芸文庫

 私は小説・漫画・映画問わず、ボクシングものには弱い。特にボクシング経験があるわけでもないのだが、熱い男と男の闘いに触れているとついつい目頭が熱くなってしまうのだ。百田尚樹の作品にはボクシングものが2作品あり、高校ボクシング部のお話の『ボックス!』と、この『「黄金のバンタム」を破った男』である。両作品とも、百田尚樹自身が学生時代にボクシングをやっていたということなので、経験者目線からと、ノンフィクション作家目線からの二方向から物語が描かれていくのは容易に想像がつく。つまり、百田尚樹のボクシングものを読めば間違いなく目頭が熱くなり、電車内や子供のスイミング見学時など、ところかまわず涙を流せない状況でしか読書時間を作れない私としては敬遠せざるを得なかったのである。
 
 しかし今回、しばらく目頭が熱くなるような感動モノを読んでいなかったので、これは独りきりのときに読もうと思って買っていた本なのだ。したがって読了するまでに時間がかかってしまったが、それは決してこの本が面白くないということではない。
 
 「黄金のバンタムを破った男」とは、「ファイティング原田」のことである。ファイティング原田は昭和40年代前半に大活躍したボクサーで、私はまだ生まれていない。おそらく私のオトンぐらいの年代はファイティング原田の名前を知らない者はいないだろうとのことである。私も名前ぐらいは知っていた程度で、どんな活躍をしたのかは知らなかった。
 
 この本はファイティング原田の活躍を描いたノンフィクションとなっているが、ただ単にその戦歴を並べているだけのものではなくて、ライバルとのアレコレとか、その時の時代背景とか、日本が勇気付けられたとか、きちんと物語として成立していて、そこが百田尚樹のすごいところだと思う。さすが元「探偵ナイトスクープ」の脚本家である。一見何気なく見える日常の出来事を面白いものに作り変える天才だと思う。
 
 感心なのは、ファイティング原田だけにスポットライトを当てて褒めちぎっているのではなくて、その時代に原田と共に活躍した名ボクサーを細かく紹介してくれて、この時代のボクシングに詳しくなかった私もちょっとしたボクシングオタクになった気分である。ボクシングファン、特に日本を立て直してくれた元気な50台60台の男性にはとても面白いのではないかと思う。