本を読む人

 私はあたかも読書が趣味かのように振舞っているが実はそうでもない。確かに本は好きでよく読むのだけど、活字中毒というほどのものではない。

 多分私は本を読むのがヘタなんだと思う。

 昨日買った本もモスや散髪屋やいろんなところ、つまり家以外のところで読んだが、なかなか物語に引き込まれていかない。廻りの話し声や物音が気になって上手く集中できないのだ。

 いわゆる活字中毒と言われる人たちは、廻りがどんな状況であってもスラスラと読み進む。そして読むのがめちゃくちゃ速い。ものすごい集中力でブワーっと一気に読んでしまう。それが私にはできない。そういう人たちのマネをして速く読み進めるとかなり疲れるし、内容をあまり把握していないまま物語が進展していくので、たまに「誰やこの登場人物?」「この舞台はどこや?」「お前いつ死んだんや?」となってしまうこともある。また同じところを何度も読み返すことになる。

 目で文章を追っかけているのにアタマに全く入ってきていないという不思議な状況になると、せっかく買った本が全然おもしろくない。疲れるだけでもったいない。

 だから一時期、読書が嫌いになったことがあった。結婚して子供ができた頃だ。嫁のつまらないハナシや子供の泣き声で落ち着いて読めたもんじゃない。「静かにせー!」と言ってもどうしようもない。

 やはり読書なんて自分のペースでやるからいいんだろう。急いで読む必要もない。1日1ページでも良い。そう思うと読書が楽しくなってきた。ヨカッタヨカッタ。速く読めるようになったり、廻りが少々うるさくても読めるようになるのはきっと慣れだと思う。それまで焦らないことにする。そもそも読書なんてあまった時間でやるからいいのだ。読書の為に時間をムリヤリ作ろうとするとうまくいかない。

 「趣味は読書です」と言えるようになるにはもう少しかかりそうだ。

残念ながら

 体調が回復したということなので、嫁が帰って来ました。短い間でしたが特にうれしい出来事もなく独身生活は終わりました。したがいまして、合コン、飲み会などのお誘いの受付けは終了致します。

 ・・・・いや、やっぱり非公開で募集します。

『T.R.Y.』

 今日は休日。古本屋で本を買った。織田裕二が主演で映画化された『T.R.Y.』。まだ20ページ程しか読んでいないがなかなか好感触だ。

 独身生活をしているということもあって、ぶらぶらとモスバーガーで読んだり散髪屋で読んだりしていたのだが、古本屋で買ったので紙のブックカバーをつけてくれなかった。したがって表紙には織田裕二やら黒木瞳などという映画の登場人物がでかでかと写っており、「あの人、『T.R.Y.』読んでんで〜」がバレバレである。

 私は本屋でくれるあの紙のブックカバーが実は嫌いだ。なんか本がかさばる気がして読みにくい。しかし今日のように外で読むには(私のような人目を気にするタイプには)必需品である。しかもこの本にはしおりがついていない。しおりなんてひものやつでもなんでもいいのだけど、本の表紙のピラピラの部分をページとともに折り込むのは嫌だ。変な折り目がついてこれもまたかさばる。

 というわけで、長く使える飽きの来ないシンプルかつ機能的でハデさはなくかと言って無地ではなくそれをつけて本を読んでいると「あの人、何の本読んでるのかしら〜。いつもここで見かけるけど気になる人だわ〜。声をかけてみようかしら。ダメ、私にはそんな勇気無いわ・・・。」となるようなデザインのブックカバーが欲しくなった。

 近所の文具店を回るがいいのが無い。みんな本皮で分厚くてジジ臭くてそして高い。こんなダサいデザインばっかりだから若者が本を読まなくなるんだ。もっと洗練されたおしゃれなものはないのか。お気に入りの文庫本を入れて持ち歩くだけでも「アイツやるな」と思わせるような。「あの人、何の本読んでるのかしら〜。いつもここで見かけるけど気になる・・・」ひつこい。

 とりあえずブックカバーは保留にして嫁の実家に行った。友人に子供が産まれたのでお祝いを買いに行くことになっていたからだ。守口市駅のコムサへ。これまた上から下までコムサに身を包んだ子供を連れて。

 店内をうろうろしていると、いろんなものが売っているのがわかる。服だけではなくアクセサリーや時計や食器や文具まで・・・。文具!?もしや!

 あった!ブックカバーが。シンプルで機能的でおしゃれでそして安い(600円)。即効で購入した。
 早速本を入れてみる。おお、なかなか収まりが良いではないか。『T.R.Y.』を読んでいることもバレない。しおりもあるしそんなにかさばらないし。

 こういうお気に入りアイテムを手に入れるとずっと手元に置いておきたくなる。しばらくはニヤニヤと本を眺めている日々が続くだろう。こうなってくると中身なんてどうでも良くなってきた。それはあかんやろ。

悲しいくちびる

 淡路島で長時間寒空の下走ったせいか、くちびるがカサカサのパキパキになってしまった。というわけでリップクリームを買った。

 私は別にくちびるが荒れやすい体質ではないので、それを1年中常備していることはない。しかし、今回のように特に寒い日はやはり荒れてくる。リップクリームを塗ると2日程で治る。しかも塗っているとき、なんか女性になった気分になり(女装願望があるわけではないが)ちょっとうれしい。塗った後にくちびるを「んん〜〜」ってやってクリームをなじませる仕草も「かわいいんちゃうん」と思ってしまう(女装願望があるわけではない)。

 しかし使い切ったことがない。だから私はほとんど毎年リップクリームを買っている。

 300円ぐらいのものなのでビビるほどのものではないが、なんかバカバカしい。去年のものがきっとどこかにあると思うがどこに行ったかわからない。ジャンパーのポケットか、カバンの隅か、小物入れの奥か、2〜3日しか使用されなかった80%近く残っている悲しいリップクリームが私とのキッスを心待ちにしているはずだ。毎年毎年新しいヤツとくちびるを合わせるとは、我ながらなんてハレンチな!

 今年買ったこのリップクリームは絶対来年も使うぞ。来年また会おう。それまでクルマのグローブボックスで待っててくれ。

 ・・・古いリップクリームが2本出てきました。

休暇

 アンケートや懸賞の応募などをするとき「職業欄」がある。私はそこに当然「会社員」と書くわけで、嫁は当然「主婦」と書く。

 以前から気にはなっていたのだが、「主婦」ってのは職業なのだろうか。

 確かに主婦の仕事は多い。ウチのように離乳食を食べ始めた乳飲み子がいる場合は激務と言える。掃除、洗濯、育児、整理整頓、やることはたくさんある。主婦の仕事は好景気不景気関係なくコンスタントにある。

 普通、仕事をすればそれに見合った報酬が支払われるわけで、主婦においてそれは旦那が持って帰って来る給料がそれにあたるのではないだろうか。すべて主婦の小遣いとして使用できるわけではないが、それは私も同じである。

 ところが休暇に関しては主婦は無いに等しい。労働基準法が適用されるならば、きっと雇い主(私)は罰せられるに違いない。会社員なら休みの前日は夜更かしして、次の日は昼まで寝て、テレビ見ながらゴロゴロして、晩になったらまた明日から始まる現実に鬱になったりする。

 主婦は旦那が休みだろうと少々熱が出ようと、休むわけにはいかない。休めば子供や私にもダメージが及ぶ。だから主婦は毎日毎日頑張っている。主婦はれっきとした職業であり、主婦業が疲労や体調不良によりおろそかになるならば、きちんとした仕事をするために休暇を取り、充電することは必要なことである。

 で、ウチの嫁は「そうちゃんが夜泣きするから寝不足で弁当作られへん」「そうちゃんが泣くから掃除できへんかった」「そうちゃんがグズるから片付けできへんかったわ」と言う。それはいけない。主婦ならば主婦業をおろそかにしてはいけない。

 しばらく実家に帰って充電してこい。親に甘えてこい。ゆっくり休んでこい。十分に休んでからまたきっちり主婦業を頑張ってくれ。(オレってやさしー)

 というわけで、私は今日から独身である。合コン、飲み会、お泊りオッケー、女性大歓迎、お誘い連絡お待ちしております。

階下の住人

 昨日、階下の若夫婦がやって来て、足音だの扉を閉める音などがうるさいとクレームがあったそうだ。旦那さんはおだやかそうなのだが奥さんの方が少々キレ気味だったそうで、「生活の全ての音が気になって仕方がない」らしい。

 そんなもんどないせえっちゅうねん!!床にはカーペットを敷き、スリッパは必ず履くようにし、ドアもそ〜っと閉めている。これ以上の音が気になるようだったら出て行けっちゅうねん!テメーらは共同住宅に住む資格は無いっ!よっしゃ!オレが帰ってから文句言いに行ってやる!!

 と、嫁からのメールを受けてからプリプリしながら仕事を続けた。

 仕事を終え、家に着いて自転車を置き、着替えもしないまま、下の若夫婦のインタホンを押した。3回も押してやった。

 出てきた奥さんは・・・・。め、め、めっちゃ美人やんけ〜!!

 私の怒りは完全に空振りした。キレ気味という情報を得ていたので覚悟して行ったのだが、全くそんなことはなく、とてもにこやかで愛想が良い。「いつも迷惑かけてるみたいで・・・。すんません、気を付けます・・・」「いえいえ、わざわざ来て下さってありがとうございます」   ・・・・ホレた。

 やはり平和的解決が一番である。ていうか、あれのどこがキレてるねん。嫁情報は信憑性が無い。その後の私がつま先歩きになったのは言うまでもない。

車酔い

 幼い頃からクルマ、電車、バス、船などに乗せられていたので、現在でも車酔いすることはほとんどない。まあ仕事柄、車酔いしていては商売上がったりなので、こんな体質にしてくれた親には感謝しないといけないところか。

 それでも、荒っぽい運転やジェットコースターに乗ると酔うことがある。自分の運転では少々アグレッシブに操作しても酔うことはないが、自分の想像の範囲を外れる挙動を受けた場合にはすぐに気分が悪くなる。

 仕事ではこんなパターンがある。

 「走行中に後ろの方から異音がする」という修理をするとき、事象の確認の為、他の人に運転してもらって自分は後席の足元に寝転んだり、場合によってはトランクの中に入ってクルマを動かしてもらうことがある。

 このとき私は1分で酔う。ましてや異音を発生させる為にわざと荒っぽい運転をするもんだから、トランクの中でもんどりうって異音の確認どころの騒ぎではない。だから始めの1分が勝負。それで診断できない場合は運転する方にまわる。

 「運転が上手な人のトナリは酔わない」と聞く。昔それを意識しすぎてトナリの彼女を酔わせないようにそ〜っと運転し、逆に自分の気分が悪くなってしまったことがある。まあどんな運転をしても酔う奴は酔うし、酔わない奴は酔わない。もちろん運転の上手さもあるだろうがほとんどは体質のせいじゃないかと思う。

 私の運転で同乗者が酔うことはないと自負しているが、運転中の私の姿を見て酔った女性はたくさんいる。

『オペラ座の怪人』

 最近映画を観ていない。全然観ていない。テレビで放映されているやつを嫁と子供に邪魔されながら観るぐらいで、映画館に行くことなんて全くなくなった。だがしかし、『オペラ座の怪人』は観たい。誰にも邪魔されずにオペラ座の世界に引き込まれたい。

 タカラヅカ宙組公演の『ファントム』を観てから『オペラ座の怪人』が好きになった。原作本も読んだ。

 映画版も是非観たい。あの世界がスクリーンではどのように表現されているのだろうか。あ〜観たい。

 常盤孝子が「オペラ座貸し切ってカラオケ歌っちゃいました〜」なんて言ってるが、そんな歌声ではオペラ座の怪人に殺されるぞ。

 今度の休みに嫁と子供をほっといて一人で観に行こうか。あ〜観たい。(よ)さん、オススメですよ〜。

未来のメダリスト達へ

 私の自転車通勤ルートに高等学校がある。私の通勤時間と学生の通学時間がちょうど重なるので、たくさんの高校生とすれ違うこととなる。

 その中に、ロードやMTBに乗っている学生をチラホラ見かける。それもホームセンタースペックではなく、ちゃんとしたモノだ。お互い30km/h前後のスピードですれ違うだけなのでハッキリとはわからないが、向こうもコチラを見て少し意識しているようなので自転車に関してはある程度知識のある者なんだろうなと思う。もしかしたら自転車部なのかもしれない。

 で、その高校の校門をくぐる為には500m程の激坂を上っていかなければならない。激坂と言っても10%ぐらいだろうが、ほとんどの高校生は自転車を押して歩いている。

 「それぐらい上らんかい!」といつも思うのだが、普通の高校生は大抵ママチャリやシティサイクルなので仕方がないと言える。頑張れば上れないことはないだろうけど、それを求めるには少し酷というものだ。しかしなんと根性の無いことに、ロードやMTBに乗っている学生もその坂を歩いて押している。

 確かに大勢の学生が押して歩いている横をヒーヒー言いながら上るのは恥ずかしい。いい自転車に乗っているからってムリに坂を走ることは逆に恥ずかしいことなのかもしれない。私が高校生の頃、自転車など全く興味が無かったので、やはりピチピチのレーパンにヘルメットをかぶり車道を走っている姿を見ると、「なんじゃアイツ」と思ったものだ。その当時は必死に頑張ることが恥ずかしいという感覚が少なからずあった。

 その高校のHPを見てもクラブ活動のことについては何も触れられていないので、自転車部の存在はわからない。しかし自転車部でなければあんな自転車乗らないだろう(私の勝手な想像ではあるが)。自転車部なら恥ずかしいとか言わずにあれぐらいの坂は一気に上って欲しいものだ。じゃないと日本の自転車競技の未来は暗い。そんなことではマイナースポーツの域を脱しない。

 ガンバレ自転車部!ガンバレ高校生!

エンジンとミッションの関係

 最近、27Tのカセットスプロケを手に入れた。今までは23Tを使っていたのだが、沖縄の延々と続く上り坂で前を走るn原君のスプロケを見ていると、あと2速も残っているのがとてもうらやましかった。私のギヤはもう品切れなのに・・・。

 そのころから「27T欲しいな〜」と思っていたが、「ちょっと待て ギヤを軽くしたって 速くはならない」と、まるで標語のような理由をつけて購入するのをためらっていた。

 そう、自転車を速く走らせようと思ったら、エンジンパワーを上げるのが一番簡単で、手っ取り早く、安上がりで嫁も怒らず家庭円満なのだ。そういう速さの方が「本当に速い」と言える自転車乗りであると考えていた私の嫌いな言葉は当然「速さはカネで買える」だった。

 しかし、正直に言う。私のエンジンパワーは落ちてきた。坂道を転がり落ちるように、いや、ビルから飛び降りたぐらいの加速度運動(このとき空気抵抗は考えないことにする)だ。私だけではない。これを読んでいる自転車乗りのみなさんも自分のことのように読むが良い(フフフ・・・)。

 660ccの軽自動車のエンジンにF1のミッションを組んでも速くはない。F1のエンジンに軽自動車のミッションを組んでもやはり速くない。エンジンパワーに見合ったミッションがベストカップルだということはご承知のことと思う。

 しかし、「オレF1のミッション積んでんね〜ん」と自慢しているヤツがいる。・・・他ならぬ私(そしてアナタ)だ。早く気付け気付け!エンジンパワーは昔ほど無いということを!

 昨日の淡路島1周で私のスプロケが27Tになっているのを見て、「フッ・・・」と鼻で笑った人がいる。「え〜!?27T!?」と言った人もいる。笑うが良い。バカにするが良い。エンジンとミッションのビミョーな関係を知り尽くしている者が「最速」なのだ!現に昨日はもう1周できるんじゃないかと思うほど余裕があった(せえへんけど)。

 ミッションだけじゃない。クランク長さとかタイヤ幅とか・・・。エンジンパワーはいつまでもあるものではない。それを痛感した。今回のパーツ交換は久しぶりのヒットだった。