私はあたかも読書が趣味かのように振舞っているが実はそうでもない。確かに本は好きでよく読むのだけど、活字中毒というほどのものではない。
多分私は本を読むのがヘタなんだと思う。
昨日買った本もモスや散髪屋やいろんなところ、つまり家以外のところで読んだが、なかなか物語に引き込まれていかない。廻りの話し声や物音が気になって上手く集中できないのだ。
いわゆる活字中毒と言われる人たちは、廻りがどんな状況であってもスラスラと読み進む。そして読むのがめちゃくちゃ速い。ものすごい集中力でブワーっと一気に読んでしまう。それが私にはできない。そういう人たちのマネをして速く読み進めるとかなり疲れるし、内容をあまり把握していないまま物語が進展していくので、たまに「誰やこの登場人物?」「この舞台はどこや?」「お前いつ死んだんや?」となってしまうこともある。また同じところを何度も読み返すことになる。
目で文章を追っかけているのにアタマに全く入ってきていないという不思議な状況になると、せっかく買った本が全然おもしろくない。疲れるだけでもったいない。
だから一時期、読書が嫌いになったことがあった。結婚して子供ができた頃だ。嫁のつまらないハナシや子供の泣き声で落ち着いて読めたもんじゃない。「静かにせー!」と言ってもどうしようもない。
やはり読書なんて自分のペースでやるからいいんだろう。急いで読む必要もない。1日1ページでも良い。そう思うと読書が楽しくなってきた。ヨカッタヨカッタ。速く読めるようになったり、廻りが少々うるさくても読めるようになるのはきっと慣れだと思う。それまで焦らないことにする。そもそも読書なんてあまった時間でやるからいいのだ。読書の為に時間をムリヤリ作ろうとするとうまくいかない。
「趣味は読書です」と言えるようになるにはもう少しかかりそうだ。