未来のメダリスト達へ

 私の自転車通勤ルートに高等学校がある。私の通勤時間と学生の通学時間がちょうど重なるので、たくさんの高校生とすれ違うこととなる。

 その中に、ロードやMTBに乗っている学生をチラホラ見かける。それもホームセンタースペックではなく、ちゃんとしたモノだ。お互い30km/h前後のスピードですれ違うだけなのでハッキリとはわからないが、向こうもコチラを見て少し意識しているようなので自転車に関してはある程度知識のある者なんだろうなと思う。もしかしたら自転車部なのかもしれない。

 で、その高校の校門をくぐる為には500m程の激坂を上っていかなければならない。激坂と言っても10%ぐらいだろうが、ほとんどの高校生は自転車を押して歩いている。

 「それぐらい上らんかい!」といつも思うのだが、普通の高校生は大抵ママチャリやシティサイクルなので仕方がないと言える。頑張れば上れないことはないだろうけど、それを求めるには少し酷というものだ。しかしなんと根性の無いことに、ロードやMTBに乗っている学生もその坂を歩いて押している。

 確かに大勢の学生が押して歩いている横をヒーヒー言いながら上るのは恥ずかしい。いい自転車に乗っているからってムリに坂を走ることは逆に恥ずかしいことなのかもしれない。私が高校生の頃、自転車など全く興味が無かったので、やはりピチピチのレーパンにヘルメットをかぶり車道を走っている姿を見ると、「なんじゃアイツ」と思ったものだ。その当時は必死に頑張ることが恥ずかしいという感覚が少なからずあった。

 その高校のHPを見てもクラブ活動のことについては何も触れられていないので、自転車部の存在はわからない。しかし自転車部でなければあんな自転車乗らないだろう(私の勝手な想像ではあるが)。自転車部なら恥ずかしいとか言わずにあれぐらいの坂は一気に上って欲しいものだ。じゃないと日本の自転車競技の未来は暗い。そんなことではマイナースポーツの域を脱しない。

 ガンバレ自転車部!ガンバレ高校生!