トリノ開幕

 いよいよトリノオリンピックが開幕した。国を代表するアスリート達が入場する様は「カッコエエ」の一言に尽きる。

 苦しい練習に耐え、厳しい競争に打ち勝ち、様々なしがらみやストレスをかいくぐって来た各国の選手達がカッコ悪いワケがない。嫁が髪を20センチ切ってもわからなかった私でさえ、今から努力してもあの舞台に立つことは不可能だということはハッキリとわかる。

 大体、今朝玄関の窓の外を見て、雪がパラついてるからといって早々に自転車通勤を諦め、クルマ通勤に切り替えた私がオリンピック出場などあり得ない。雪はすぐに止み、さんさんと輝き出した太陽は、いつまでも低級ホビーレーサーの域を脱することが出来ない私の未来を明るく照らしている。

 嫁と子供と3人で開幕式を見ていると嫁が言った。

 「そういえば昔、鳥野さんっていう友達おったな〜」

 ・・・・・。

 息子よ。キミがもし将来オリンピックに出場するようなことがあったとしたら、それは間違い無く遺伝子の突然変異である。

きみのために

 私は持ち前の「ワガママ」と「自己チュー」をフルに活用し、20歳から働き始めて現在に至るまで、数回の転職をしてきたが、どの会社を退職する時も「社長とウマが合わん」とか「オレはこの会社で終わる人材ではない」とか、散々悪態をついて辞めてきた。

 「会社のために」とか「自分のために」とか、そんなことを言いながら今まで働いてきた。そんな漠然とした良く分からないものの為に自分の労力を使うことが、納得のいかない時もある。

 だけど、イライラしながら帰宅して玄関のドアを開けたらそこにニコニコした息子が立っているのだ。私に向かって両手を精一杯伸ばしながら「ぱっぱ〜!」なんて言うその姿を見ると、凍り付いた心は一瞬にして溶け、沸騰した脳みそは一瞬にして冷め、緊張した表情は一瞬にして笑顔に変わるのだ。

 君のために一生働き続けることを約束するよ。

エコにチカラを

 「2月は逃げる」って言うぐらいだから、3月まであと少しである。3月からいよいよ各種自転車イベントが始まりシーズンインとなる。冬の間のトレーニングを真面目にやったかサボったか、3月の「淡路島一周」で全てが明らかになる。スネ毛を剃り上げた時、ショボイ足になっていないか非常に心配である。まるでギプスを外す時の気分。

 来週の14日(火)と15日(水)、仕事の関係で鈴鹿サーキットに行く。行きはみんなと一緒にクルマに乗って行くのだが、帰りは自転車で帰って来ようと考えている。冬のトレーニングの仕上げというわけではないけれど、R163をひたすら西へ走ってみたいと思う。以前の回転木馬イベントで「R163全走破ツーリング」ってのがあって私は行けなかったのだけど、大体120kmぐらいだそうなので、まあ鈴鹿サーキットからでも150kmぐらいだろう。

 鈴鹿で何をするかと言うと、奈良のホンダディーラーのサービスマン全員が集まって決起大会(いわばパーティーみたいなもん)をするのである。14日はどのホンダも仕事を早く切り上げ鈴鹿に集合し、鈴鹿サーキットホテルを貸し切り、飲めや歌えやの大騒ぎをするのだ。そのままホテルに宿泊し、次の朝鈴鹿を発つ。まあ300人程の奈良県内ホンダサービスマンの中で、鈴鹿を自転車で発つヤツは私ぐらいのもんであろう。

 他にもこういったホンダの社内イベントがいろいろあるが、全国の販売店の社員が一同に会した際、必ずいるのが「私のクルマ自慢」と勘違いしているヤツである。特にサービスマンに多い。改造車ご法度のディーラーで働く社員のクセに走り屋コテコテのグランドシビックに乗って来るヤツや、アホみたいにエアロをたくさんつけたオデッセイ、NSXやS2000の前で腕組みしてるヤツもいる。

 どれもこれも、社員販売制度で原価すれすれの値段で買ったクセにエラソーにニヤニヤしているのである。中古のステップワゴンにおっさん5人と、1泊分の荷物5人分と、さらに自転車をバラバラにして積んでる販売店はウチぐらいだと思われる。

 本田技研も「エコ」をウリにしてるんだったら、ハイブリッドカーとかスーパーカブとかでやって来た社員に対してなんか賞でもあげたらいいのに。もしそんな賞があるなら私はきっと最優秀賞である。

 鈴鹿サーキットホテルに自転車置き場が無かったらブチ切れるつもり。

アホになりたい

 ウチの営業マンが本田技研から送られてきたFAXを読んでいた。「へー、近畿全部で『新規客獲得キャンペーン』か〜」と。キャンペーンの内容をここで詳しく説明しようとしているのではない。そのキャンペーンを達成したご褒美にもらえるホンダグッズがショボイことを言いたいわけでもない。

 その先輩は「獲得」を「えとく」と読んでいるのである。「えとく!?」と聞き直してその間違いを訂正しようかと思ったが、めんどくさいからやめた。こんな間違いはウチの会社では後を絶たないのである。ある人は「web」のことを「ウェッド」と読むし、一昔前にホンダのイメージキャラクターだった「BoA」を「ボエーって誰や」と言っていた。

 仕事だけではなく日常生活の中には結構そんなことが多くて、もちろん私も知らず知らずのうちに逆の立場になってしまっている可能性だってある。

 そやけどなんぼなんでも「えとく」はないやろ「ウェッド」はないやろ(「ボエー」はおもろいから許す)。もっと勉強せなアカンで。そんなことでよー客商売してるな。逆にエライわ。

 私がもっとアホならこんなにイライラしなくて済むのに。

欲しい!!



 マイティフロッグ。

 これは私が小6の時に買ってもらった思い出のラジコンである。それが復刻版で発売されているらしい。マジで欲しい。絶対買う。近所の子供達の視線を集めながら公園で走らせたい。

 そういや公園でラジコンやってる小学生って全然見かけなくなったなあ。

モテる男

 専門学校時代の親友で、とてもモテるヤツがいる。彼は私より2つ年上で、背は高くて男前、オシャレだし、言葉や行動の一つ一つが洗練されてるっていうか、男の私からみても「かっこええ」と思わせる何かを持っている。

 昔、そんな彼と一緒にクルマに乗っていたことがある。彼が運転、私が助手席。走行中に何かが飛び出したかなんかでやむを得ず急ブレーキを踏んだ。その時運転席から私の胸の前へ彼の腕が伸びてきて、前につんのめっている私の体を支えてくれたのである。

 一緒に食事をする時でも、入り口に誰よりも先に立ってドアを開けてくれる。メールを送ってもすぐに返信されてくるし、人のお祝い事や記念日なんて完璧に覚えているし、私が持っていないものを全て持たれているようでなんだか嫉妬心みたいなものがあった。

 最近は「便座のフタを下ろしておいてくれる男性」がモテるらしい。「細かな心遣いが出来る」ということなんだと思うが、和式便所で育った私にとって容易なことではない。彼はきっと今頃、くしゃみをしながら便座のフタを下ろしているところだと思う。

 そうして3番目の奥さんのハートをがっちり捕まえたのだろう。

 ・・・モテ過ぎ。

何故かアタマに流れてくる曲リスト

 ・ドリカム『未来予想図2』
 ・プリプリ『M』
 ・赤い鳥『翼をください』
 ・ZIGGY『グロリア』
 ・美空ひばり『川の流れのように』
 ・尾崎豊『I Love You』
 ・郷ひろみ『言えないよ』
 ・都はるみ『北の宿から』

 などなどたくさんありますが、今日は何故か『大宮小学校校歌』が流れております。

速くなりたい

 この土日は気温は低いとはいえ非常に良い天気なので、みなさん真面目に練習されているようである。私はこの土日は共に仕事なので通勤ぐらいしか走ることができないのだが、まあ一人で走っていても「練習」なんて言える代物になっているかどうかは微妙。やはり複数で競い合ってこそ「練習」と言えるのだと思う。

 会社の目の前にある阪奈道路では、先程から何人ものローディー達が編隊を組んで走っておられ、私は仕事をしながらその光景を羨ましく眺めている。この時期は結構ヒマなので仕事を抜け出して一緒に走りたい気分である。

 毎週土日が休みだったり独身だったりすれば、各地、各ショップ、各チームなどで行われる合同練習に参加もできるのだろうけど、なかなかそうはいかないのが現実である。まあ自分が速くなれないことを仕事や家庭のせいにするつもりは毛頭無いが。

 それでも、天気の良い土日に仕事をしている自分と、ローテーションを組みながら阪奈道路を走って行く方々と、どちらが速くなるのだろうかと思うと、少々ストレスを感じることはある。そんな方々と同じカテゴリーで走らされる自分は圧倒的に不利だ。

 例えばリッツクリテリウムでは「C1、C2、C3、C4」などとカテゴリー分けされているが、もっと細分化して「毎週月曜日しか休みが無い美容師クラス」とか「出張が多くて自転車に乗る機会の少ないビジネスマンクラス」とか「いつ呼び出しがかかるかわからないから遠くまで走りに行けない消防団クラス」とかがあれば面白いんじゃないかと思う。

 「仕事が不定休だからなかなか安定して練習することができず嫁のご機嫌取りと子供の相手をしながら30年ローンをかかえ少ない小遣いの中からエントリーフィーを捻出し妄想ではいつも優勝している30代前半の気持ちだけは20代前半の身の程知らずのパパクラス」なんてのがあれば、私は間違いなくそれにエントリーである。そのクラスに何人集まるかは不明だが、もし集まるとすればかなりアツいレースになること間違い無しである。

 さて、つまらん言い訳してないで、今日も真面目に帰宅トレーニングするか。

土曜日の夜は

 今から頂き物のこの麦焼酎を開けてみたいと思います。『紅乙女』と書いてあります。果たしてそれが高いのか安いのか、うまいのかまずいのか知りませんが、「まあ酔えたら何でもええ」の精神でいってみたいと思います。

 さてハナシは変わりますが、ピスト通勤3日目です。疲れが溜まってきたのか、どうもスピードのノリが良くありません。いくら頑張ってペダルを踏んでも、固いフレームと重いギヤに跳ね返される感じです。昔はもっとスイスイ漕げて、「うわっ、ピストってめちゃめちゃ速いやん!」っていう感動があったのですが。

 タイヤの空気減ってるとか、ブレーキ引きずってるとか、ハブベアリング固着してるとか、いろんなこと考えましたが、最終結論は「自分が遅くなってる」ということにまとまりつつあります。

 「ピスト通勤トレーニング」が私にとって効果的なのかそうでないのか、ハッキリしたことはわかりませんが、「リッツ上位」を信じて頑張るつもりです。

 今度の春リッツで実現できるとは思ってませんが、一度は息子が見てるその目の前で、一番にゴールするパパを見せてあげたいです。その時の映像を妄想するとなんか感動して涙が出てきます。


 『紅乙女』は塩味です・・・。

語りおろし「私がピストを好きなワケ」

 初めてピストっていう自転車の存在を知ったのはメッセンジャーの頃なんですよ。そうですよ。そんなもんです。めっちゃミーハーな入り方なんですよ(笑)。競輪のこととかトラック競技のことなんて全く知りませんでしたからね。「なんか固定ギヤのシンプルな自転車があるらしいで」ぐらいのもんですよ。「ピスト」っていう単語さえ知りませんでしたから。でもそれがメッセンジャーの間では流行ってる。それはメッセンジャーの端くれとして手に入れなアカンやろ、ということですわ。

 たしかヤフオクやったと思います。5万ぐらいで出品されてたパナソニックのピストに一目惚れして、入札したらそのまま落札っていうことになって。届いた箱を開けた時の感動は今も忘れませんよ。意外とキレイに梱包されてて、中から前も後ろもブレーキが無い自転車が出てきた時はちょっと緊張しましたね。なんかレーシングカーを間近で見た時のカンジに似てましたね。

 それからボクとピストの付き合いが始まるわけなんですけど、実は今乗ってるピストは二代目なんですよね。一代目はクルマにはねられてイッてしもたんですわ。良心的な相手さんと回転木馬さんのおかげでなんとか復活しましたけど、あの時は悲しかったですね。まあ道交法上では相手のクルマが100%悪いってことになりましたけど、「どんな形態であれ事故が起きた時は少なからず自分にも必ず責任がある」っていう自論を持ってるボクにとって、自転車を壊した責任はボクにもあるわけで。

 ピストを「ファッションアイテム」として捉えてた自分が恥ずかしかったですね。純粋なレーシングカーを公道でヘタに走らせて事故るバカな若者みたいで。

 それからはなんとかピストを乗りこなそうと必死でしたよ。今の仕事に変わってからも片道25kmの道のりをピストで通勤したし、清滝峠も数え切れんぐらい上ったし、琵琶湖も回ったし淡路島も回ったし。まあそれがホントに「ピストを乗りこなしてる」ってことにつながるかどうかはわかりませんよ。多分ピストは「まだまだやで」って言うてると思いますけど(笑)。

 ホントは公道じゃなくてトラックを走ることが本来の使い方やっていうことはよーわかってるんですけどね。なんか一般の人でも安くで走らしてくれるそうなんで一度は走ってみたいんですけどね。もともと小心者やから自分が知らない場所に出かけることが億劫なんですわ(笑)。誰かにムリヤリ連れていかれるとか、めっちゃ仲のイイ友達に誘われるとかしたら行くんですけどね。なんか風俗に似てますわ(爆笑)。酒飲んでたら喜んで行ったりして(大爆笑)。

 ボクはシンプルなもんが好きなんですよ。単一の機能しか持ってへんのにそれが逆にカッコエエもんってありますよね。他のことは何もでけへんけど、それだけやらしたら天下一品や!みたいな。「不器用ですから」って言う高倉健がカッコエエみたいなもんですよ。歌でもダンスでも楽器でもサーフィンでも何でも出来るキムタクはボクはあんまりカッコエエとは思いませんね。イヤ別に嫁がキムタクのファンやからってヤキモチ焼いてるわけちゃいますよ。

 ハナシがそれましたけど、とにかくボクはピストの持つ「シンプルさ」が好きなんですよ。今はなんでも飾り立てる時代でしょ?ライブドアの粉飾決済でもそうですやん。世間の目をまんまとダマした。世間はまんまとダマされた。物事の本質を見極める「眼力」を実に付けなイカンっちゅうハナシですよ。ゴタゴタせんでええんですよ。シンプルで。

 ピストに乗ってたらわかりますよ。「世の中のムダ」も「自分の実力の無さ」も(涙)。