リアル その2

 またリッツの夢を見た。

 私が先頭、すぐ後ろはn原君。

 2人は大きく先頭集団を引き離し、このままゴールするとこだった。

 しかしゴールラインの向こうにn原君の彼女の姿が。

 私はn原君に先頭を譲った。

 ゲルハルトベルガーに優勝を譲ったアイルトンセナの様に。

 ゴールラインを一番に通過した彼はそのまま彼女の元に。

 ついでに人生のゴールラインも通過した。

 それを満足気に木陰から見守る私。

 ・・・多分、昨日から起こっている「n原ムーブメント」に嫉妬しとるな。こりゃ。

こんな土日もアリかな

 昨日のみなぎり飲み会と今日のリッツをキャンセルしたおかげで、せっかく土日に連休を取っていたのにずっと家にいて子供の面倒を見ることになってしまった。

 土曜は雨だったのでどこにも行かなかったが、今日は天気が良かったので、熱も下がって調子も良くなってきた子供を近所の公園に遊びに連れて行った。

 玄関を出ると同じ棟に住む5歳の男の子と4歳の女の子の兄妹に出会ったので、一緒に公園に行くことにした。その2人は網と虫かごを持っていて、ひらひらと舞う蝶を追い掛け回していた。宗一郎も最近ずっと家に閉じ込められていたストレスが溜まっていたのか、おにいちゃんとおねえちゃんに付いて走り回っていた。いつの間にか走れるようになってたんやなあ。

 しかしその兄妹の網さばきはお世辞にも上手とは言い難く、蝶にもてあそばれているようである。見るに見兼ねて私が宗一郎を置いて蝶を追っかけ回し、素手で捕まえてやった。その時の兄妹の羨望の眼差しはすごかった。キラキラと光る目で私を見つめ、「うわぁ!宗一郎君のお父さんスゴイ!!」とハシャギまくるのだ。

 その声に反応した近所の子供達が、それぞれ網と虫かごを持参して集まって来て、虫取り大会みたいになってしまった。何だか私も楽しくなってしまって、宗一郎が砂場でひっくり返って泣いているのにも気付かず、ガキ大将みたいに蝶やトンボやバッタを追い掛け回していた。

 あまりに夢中になり過ぎて時間を忘れ、嫁が迎えに来た。泥まみれになっている息子を見て半分悲鳴みたいな声をあげていた。

 レースやツーリングも楽しいが、今日みたいな日もかなり楽しかった。

想定の範囲外

 息子が急に熱を出した。嫁のツワリも相変わらず治まらない。断腸の思いでリッツはキャンセルすることにした。しかしこんな形で私の「みなぎりの秋」が終わるとは思わなかった。

 今回のリッツに関しては、いろんな妄想をした。落車してケガをしてしまうばかりか自転車まで壊してしまい落ち込む・・・とか、スタートで焦ってビンディングペダルを踏み外してしまう・・・とか、行きのクルマで事故に遭う・・・とか、どれだけ頑張っても、もう心臓が口から飛び出してしまうぐらいに最大心拍を超えるぐらいに頑張っても追い付かなくて引き離されて行く・・・とか、とにかくいろんなパターンの最悪の状況を妄想しておけば、まさかその通りにはならないだろうという、超庶民的な考え方である。

 人生において、「まさかこんなことになるとは」ということはよくある。自分が想像もしなかった展開に、躊躇し、高揚し、落胆し、狂喜したりする。それがあるからこそ人生っておもしろいのだと思う。

 バレー部だった高校の引退試合の時、私は試合中に足首をねん挫してしまい、燃え尽きること無く負けてしまった。こんなこと試合前に誰が想像しただろうか。逆に言うと「想像しておけばこんなことにはならなかった」のである。

 ツールでステージ優勝した新人ライダーはインタビューによくこう答える。「こんなことになるなんて夢みたいだよ!信じられない!神様が思いもよらないプレゼントをしてくれたんだ!」

 だから私は「1位になる」なんて、全く、絶対、死んでも考えないようにしていた。表彰台の一番上で「夢みたいです!信じられない!」とインタビューに答えている自分の姿などを妄想してしまっては、それは「そうならない」ことを意味しているからだ。妄想癖のある私にとって至難のワザである。

 しかしこれだけいろんなことを考えていても、息子が熱を出すということは妄想するのを忘れていた。私の妄想レベルもまだまだである。ていうか単純に父親失格である。

 私の代走はイノウエさんにお願いした。急なことで本当に申し訳無い。イノウエさんが落車してケガをしないように、落車してケガをしてしまうところを妄想しておきます。

リアル

 夢を見た。

 リッツで9位になる夢。

 どうせなら1位になれよ、と自分にツッコんでみる。

 ちなみにn原君は12位、まっさんはチェーンが外れて35位でした(笑)。

「勢い」って何?

 千葉ロッテマリーンズが日本一となった。

 シリーズ前から「ロッテの方が勢いがあるから有利」と言われていた。確かにリーグ優勝してからしばらく試合の無かった阪神と、ついこの間まで激しいプレーオフを戦ってきたロッテとでは、やはりみなぎり度が違うのであろう。

 「勢い」って大事なんだなあと、あらためて思った。

 プロでさえ「勢い」というものに押され、本来の実力を出せないまま負けてしまうのである。あれだけ練習して、それでお金を稼いでいるプロでさえ。

 これがわれわれのようなアマチュアレベルだったとしたら、プロなんかよりももっと「勢い」の効果は大きく表れ、それはもう練習の量とか機材の良し悪しとか関係無く(もちろん全く関係無いとは言わないが)、「勢い」さえあればホビーレースやタイムアタック等でいい記録を残すことなんて実は簡単なのではないだろうか。もっと言えば「勢い」のつけ方さえわかっていれば、勝負に勝つことができるんではないだろうか。

 よっしゃ決まった。

 明日金曜日。遠回り通勤でもがきまくる。
 リッツ前日土曜日。清滝アタックでベスト出す(シルベスト朝練は行けそうにない)。
 リッツ当日。会場までみなぎり自走。

 ここまでやって「勢い」がつかなかったら、私には慣性の法則は無いことにする。

意思の疎通

 息子の言葉や身振り手振りが豊富かつ複雑になってきた。

 今までなら、
 「あーー」(訳:「眠たいやんけ」)
 「うーー」(訳:「ハラ減ったやんけ」)
 「きーー」(訳:「おもろいやんけ」)
 だった。

 それが最近は、
 「あーーうーーい!」(訳:「眠たいねんけどもうちょっと遊ばせろや」)
 「やいやいやいやいー!」(訳:「ニンジンはいらんねん。今テーブルの向こうに隠したバナナ食わせろや!」)
 「うう〜〜ん!だっだっだっ!」(訳:「クルマ運転させろー!コラ、エンジン切るな。キーここに挿さんかい!そうそうそれでええねや」)
 となってきた。

 私も嫁に言ってみようか。
 「びぃ〜〜るるる〜」(訳:「もう1本飲ませんかい」)
 「でゅら〜〜え〜〜す〜」(訳:「アルテでは勝てないからデュラエース買うてくれや〜」)
 「いちま〜〜んえ〜ん」(訳:「小遣い1万円にせんかい。きょうび5000円なんか中学生でももらってんぞ〜。まさかオレをナメてんちゃうやろな〜」)

 アホらしいからやめる。

KANSHAして

 城東区の研修センターで昨日から2日間研修。

 18時に終わり、晩メシを食べて大阪城へ走りに行く。その前にみなぎり有志を募る為に木馬に寄る。しかし誰もみなぎっていない。挙げ句には私もウイスキーを飲まされてしまう。

 「もうこのまま飲んだろか」と思うが、自分だけレースジャージにレーパン姿というのもマヌケである。せっかくなので後ろ髪引かれながらも一人で大阪城へ向けて走り出す。

 時間も遅くなったし、お酒も入ってしまったので3周で帰る。それでも森ノ宮からのストレートでもがいてみる。

 大阪城の周りにはいろんな人がいる。ラッパの練習をする人や、ドラムの練習をする人。ダンスの練習をする人もいる。他にもオンナを口説いているオトコ、酔っぱらってフラフラになっているサラリーマン。客待ちのタクシーの運ちゃん。もちろんまだOBPのビルの中で残業をしている人たちもいる。みなさん家族や将来の為に頑張っておられる。

 私もその中に混じって頑張ってペダルを漕いでいるわけだけれども、「何のために?」って聞かれると自分でもよくわからない。プロを目指しているわけでもないし、レースに勝つため、というのも何だか大袈裟である。

 もがき過ぎて歩道橋の下で少しリバースしてしまった。涙と鼻水を垂らしながら「何やってんやろ」と思うと笑けてきた。

 夜中に家を出てきてこんなコト出来るのも理解のある嫁のおかげである。決して安くはない自転車パーツやイベントにお金を使うことが出来るのも仕事があるおかげである。自転車に乗り続けられるのもみんなのおかげ。自分が健康であるおかげ。そうだ。これからは「感謝のため」に自転車に乗ることにする。

 まずは、豊臣秀吉に感謝。

ダラダラ

 Hさんがシルベストの朝練に参加するということだったので、私も参加しようと日本海が終わってからも密かにみなぎり続けていた。

 前日のツーリングで悪天候の中を走ったので、自転車はドロドロ。こんなバイクで参加してはシルベストの皆さんに失礼である。フレーム、ホイールを磨き、チェーンの汚れを落しオイルをスプレーし、タイヤのエアを補充。日本海よりも入念に準備している自分に気付く。

 ところが朝5時半の時点で雨。Hさんとメール相談の結果、今日はキャンセルすることに。2日連続で雨に濡れるのはツライ。

 来週土曜日、リッツ前日の仕上げ練習として参加するかもしれない。嫁の機嫌次第である。

 そんなワケで1日中ダラダラして過ごす。晩メシはイトコの家でよばれる。食事中に(よ)さんからみなぎり打ち上げのお誘い。嫁コドモをはじめ、母、叔母、イトコ、来年結婚するイトコの彼女を置いてみなぎり参加。

 嫁の機嫌は順調に悪くなっている。

みなぎりツーリングレポート

 みなさんお待たせ致しました。「目指せ日本海チカラこぶしみなぎりツーリング」のレポートをしたいと思います。

1st 回転木馬〜箕面市役所

 5時半木馬集合。メンバーは店長、n原くん、まっさん、私。豊里大橋を渡り、上新庄、吹田を抜け新御堂筋を北上。中途半端なアップダウンが多く、早くもみなぎり度を消費。1時間半の予定が約50分で箕面市役所に到着。近くのコンビニで朝食と補給食の買い出し。6時45分頃イノウエさん合流。予定通り7時出発。

2nd 箕面市役所〜妙見口

 出発して約20分でイノウエさんパンク。チューブラーのスペアを1本しか持って来ていないのに早くも使ってしまう。「次パンクしたらJAF呼ぼか」と冗談も出るがイノウエさんだけ笑っていない。そこから少し行った所のコンビニでトイレ休憩。そこにいた親子ローディーに「パンクは続くよ」と言われ、イノウエさんのみなぎり度さらに下がる。妙見口には8時着。まっさんがさっちゃんにモーニングコール。私がまっさんのフリをして会話する。人妻の寝起きの声でみなぎり度アップするかと思ったがそうでもなかった。

3rd 妙見口〜日吉

 いよいよ登坂が本格的になるかと思い、みなぎりスイッチオンするがそれほどでもないので拍子抜け。長くて緩い坂が続くので、長時間のみなぎり度持続がカギ。みなぎり組4人は快調に走るが、店長が遅れ始める。「日本海まで輪行しよう」とダダをこねだす。園部の線路沿いの道の駅で小休止。ここで食べた押し寿司が旨かった。雨がパラつき始める。そこから少し走って日吉駅。来週はここで輪行組と合流予定。休憩所でコーヒーを飲みゆっくりする。雨が止み少し晴れ間が見えた。

4th 日吉〜道の駅名田庄

 日吉からのルートは噂通り快適なコースだった。天気が良くて気温がもう少し高ければ最高だったに違いない。19号園部平屋線も緩やかな上りで結構いいペースで上ることができる。神楽坂トンネルがピーク。そこから下り、368号。美山町役場近くの小学校でトイレを借りる。コーヒーを飲んだ上に寒いのでトイレが近い。ソフトボール大会をしていた。日本シリーズよりおもしろい。ここから周山街道。イノウエさんが親子ローディーの予告通り2度目のパンク。店長が持ってたスペアタイヤに交換。3度目はホントにJAFを呼ぶつもり。掘越峠を越えトンネルをくぐってずーっと下れば道の駅名田庄。

5th 道の駅名田庄〜若狭高浜

 道の駅名田庄でおろしそばセットを食べる。星5つ満点で星4つ。大根おろし少し辛い。イノウエさんがつまようじの入れものを倒す。今日はとことんツイていない。本格的に雨が降りだす。震えながら走る。石山坂峠はカラダを暖めるために結構トバした。みなぎり度全開。ピークのトンネルを抜けたところで絶景を見ることができる。カメラを忘れたのが悔やまれる。ここから急な下りなので注意が必要。下り切ったところが日本海!ブワっと視界が開けて目の前は荒波の日本海!と思いきや海が見えたのはチラっとだけ。あまり感動を期待しない方がよい。丹後街道を少し西に走り、若狭高浜駅。来週はここから輪行の予定。しかし今回は早く着き過ぎた。現在14時30分。時間に余裕があるので東舞鶴まで走ることに。

6th 若狭高浜〜東舞鶴

 丹後街道を西に走ってすぐ、海岸線に出た。テトラポットに打ち寄せる波が「ザッパ〜ン!」という感じ。曇り空で風も強い。いかにも日本海!というシチュエーションにようやく満足する。サーフィンをしている人がいた。「この寒い中アホちゃうか」と発言してしまうが、向こうも我々を見て同じことを思っているだろう。目の前に若狭富士と呼ばれる青葉山を見ながら走る。確かに形が富士山に似ていてきれいな三角形。若狭富士の南を通過すると予定外の峠が出現。最後のみなぎりパワーを振り絞って何とかクリア。しかし振り返ってもすでに姿の見えない店長がすこし心配。もし行方不明になっても「(みなぎり組に付いて来るなんて)勇気のある人だった」と後世に伝えて行こうと心に誓う。15時半東舞鶴駅到着。先に切符を買って町中をブラブラ。

7th ワインで乾杯

 このツーリングの当初の計画は「旨い魚とビール」だった。しかし早く着き過ぎた為に適当な店が開店していない。仕方なく近くのワイン屋で赤ワイン2本とクラッカーとチーズと生ハムを購入。紙コップで海を見ながら、寒さに震えながら乾杯した。n原君がクラッカーの上にチーズと生ハムを乗せて食べるというオシャレなことを提案した。彼女が出来るとやっぱ違う。

8th 輪行

 17時06分の特急京都行きなので16時半頃駅に戻り輪行準備。キオスクで適当にみやげを買う。もちろんビールとつまみも。電車が走り出して2度目の乾杯。電車のあまりの速さに今まで走って来たのは何やったんや、と少し虚しさを感じる。だってあとたった2時間弱で新大阪なのだ。いつの間にか眠っていて、起きたら京都駅。新快速に乗り換え新大阪。そこから自走で20時半には自宅着。総走行距離160kmでした。

9th まとめ

 日本海は意外と近くに感じた。激坂が続くわけでもなかったし、みなぎり組のメンバーのペースが私にぴったりだった(約1名除く)のが要因だと思われる。「行きは自力で帰りは他力(電車)」というのが、自分の中で日本海を制したようには思えない。やはり自力で往復してこそ本当の制覇である。k本っちゃんに新たな課題を与えたところでツーリングレポートを終わります。

 プランニングして下さったイノウエさん、ありがとうございました。来週も頑張って下さい。

 

予定表

 22日(土)・・・日本海みなぎりツーリング。

 23日(日)・・・特に今のところ予定無し。シルベスト朝練初参加かも。

 24日(月)・・・研修のため実家から通勤。夜は大阪城に行くかも。

 25日(火)・・・この日も研修。終わったら清滝アタックして自宅に帰る。

 26日(水)・・・通常に戻る。