久しぶり!

 今朝、通勤途中で3人組のローディーにズバーっと抜かされた。先頭を引いていたローディーのヘルメットからは長い髪が風になびいていたので、「ああ女の人でも速い人は速いなあ」と思いながら見送った。

 信号待ちでその3人組に追い付いたら、その女性がコチラを向いて私に笑顔を送っている。私はその女性とは面識が無かったから、こりゃいよいよオレのモテ期も本格的やなと思って彼女の顔を良く見ると、なんとメッセンジャー時代の仲間のアシダくんだった!

 ロン毛になってるやん!男子ローディーはみんな坊主だと思っていたから気付くのに時間がかかった。しかもめっさ男前になってるし。しかもしかもめっさエエ自転車(イルカ色のフレームでハンドルの上の部分が手の指にフィットする形になっててスポークは平べったいやつ)に乗ってるし。

 十三峠の乱以来だからちょうど1年ぶり。「ブログ毎日読んでますよ」と爽やかに言う彼に少々照れながら、ハイペースで奈良方面を目指す彼らを見送った。

 またみんなで走りたいね。そんで呑みに行きたいね。信号待ちの間だったので1分ぐらいしか話さなかったけど、だから余計に退屈な通勤の時間が爽やかに感じた。

来シーズン予定

 別にたいそうな事はなんも考えてませんが・・・・。

 冬の間にしっかり自転車通勤して、今よりもうちょっと強くなって、もっと速い人がやってるいろんな練習会とかに出稽古させてもらいたいなと思っている。

 その為には未だに治りきらない風邪をしっかり治さないといけない。酒もちょっと控えよう。来週は木馬忘年会、その次も友人と忘年会、たくさん酒を呑むと風邪の治りが遅いのでそれまでには完治させないと。

 春にはまたビワイチやりたい。それからたくさんの諸アニキたちがチェックしておられる伊吹山ヒルクライムはエントリーしてみたい。やっぱりなんか目標がないと通勤にも力が入らないからね。

 来週12月5日(水)は休みなので勝尾寺へお礼参りに行こうかな。

けいさんしてみよう!

●タイヤ周長2086mmでギヤ比48×15だからペダル1回転で進む距離は6675.2mmつまり6.6752m進むワケで家から会社までの距離が26kmつまり26000mなので片道3895回ペダルを回してるっちゅう計算。


●自分が出せる瞬間最高ケイデンスは198RPMなので1分間に進む距離は1321.68mつまり79.3km/hだからR163の信号も全て無視して清滝の上りも下りも阪奈の上りも下りもフルモガキで通勤したら20分弱で会社に着く計算。


●ネズミーランドニューイヤーカウントダウンツアーが家族4人で40万するとして1回の自転車通勤で500円玉貯金していくと800回の自転車通勤が必要なワケで年間約100回自転車通勤するペースだから8年かかる計算。


●ヨメの生理が3ヶ月ほど遅れているつまりお盆の頃にニャンニャンがあったかと思い返してみるけどそんな心当たりは無いのでもしものことがあってもヨソの子だと言い張る計算・・・・。

スイッチ

 二重人格とまではいかないにしろ、誰でも“ONの自分”と“OFFの自分”ってのがあって、その両方のバランスをうまいこと取りながら生活していると思う。私だって「さあ今日も清滝アタックする是!」なんて言ってるONの自分もいれば、そういう自分をどこか冷めた目で眺めているOFFの自分がいる。

 オキナワ前はONの自分ばっかりが前へ出てきて全然OFFにならなかったから少々疲れた感があった。その分今はOFFの自分がその時のストレスを癒しているような状態。見知らぬローディーに少々乱暴に抜かれても何とも思わないし、ライバルが練習に励んでいても焦らない。

 オキナワのレース中に思ったけど、やっぱり腹筋背筋がとても重要で、例えば腰が痛くなってしまったら全然踏ん張れない。腕の力も坂を上るときには非常に重要だ。それらを克服しないことには順位も上がらないので、腹筋背筋腕立てでもやろうかなと思うのだけど、OFFの自分がそうはさせまいとONの自分を引きとめる。


 ON「寝る前に腕立て伏せでもやるか」
 OFF「やめとけやめとけ」
 ON「けどお前もオキナワで思い知ったやろ」
 OFF「自転車に必要な筋肉は自転車に乗ってるときに作られるんや。寝る前に余計なことすんな」
 ON「そんなん言うてるからいつまでたっても遅いんや」
 OFF「なんやと?お前はプロか!お前は何になりたいねん」
 ON「・・・・そやな。やめとくわ」
 OFF「な?わかったらビールもう1本イッとけ」


 今のところOFFの方が強いみたい。

自転車はミッションか

 沖縄市民200kmで優勝した方のフロントチェーンリングは48×34だったらしい。コンパクトドライブっちゅうやつである。私は52×39。これだけを見ると優勝者は軽いギヤを使ってるみたいに思えるけど、リヤは11-21の10速をお使いになられてたそうなので、12-25(9速)を使っている私とは、アウタートップのギヤ比の差はさほど大きくない。つまり高速ローテや下り坂で脚が回りきってしまうということは滅多にない。

 ただ、優勝者自ら作成してくれたグラフを見るに、インナーで坂を上ってるときには有利なギヤ比になっていて、インナーロー(一番軽いギヤ)のギヤ比は私とほとんど変わらないのに、良く使うギヤのほとんどが私のよりも軽い。

 現在のロードバイクのギヤは合計20段変速がメインだけど、走っているときにその全てを使っているかというとそうでもない。アウターローってのはチェーンラインが斜めになりすぎるのであんまり使わないし、インナートップでもそう。沖縄でのレースを思い起こしても、実際に使ったギヤって10速もないんじゃないかな。7速ぐらいかな。

 そう考えたら優勝者のギヤの選択は、限られたエンジンパワーを有効に使えるギヤだということだし、自分のエンジンを良く研究した結果なのかなと思う。

 こんなことを考え出すだすとコンパクトドライブが欲しくなったりするのだけど、それを生かしきれるエンジンがあってのことだと思うので、自転車はやっぱりエンジンなのである。エンジン強化はタダである。少額な小遣い制のサラリーマンにはサイコーのチューンナップなのだ。

そろそろ再始動・・・・したい。

 オキナワが終わってからまだ一度も自転車通勤していない。せっかく天気は良いのだからもったいないとは思うのだけど、そろそろ再始動しないとこのままバッテリー上がりってことになるかも。

 自転車通勤がオキナワに有効だと証明できたことだし、これからは自信をもって通勤したい。日曜日に休みが取れなくって、みんなが楽しくロングに行ってても、以前みたいに焦ったりイライラしたりしなくなるだろう。

 しっかしあの3日間は本当に夢のようだった。ビーサンと短パンTシャツでぶらぶら歩いてたのに、今朝の大阪の寒さはナンダ。通勤もついついクルマに乗り込んでしまう。ベタな表現だが同じ日本とは思えない。

 諸アニキの中にはオキナワの次の日から走り始めている人も多いけど、もうちょっと、もうちょっとだけね、ゆっくりさせて(笑)。

オキナワレポート 総括

 まだ書くんかい!とか言わないで。そんだけ楽しかったってこと。走ってるときや呑んで騒いでるとき、海を見ながらボケーっとしてるときに思いついたことを、思い出した順にただダラダラと書き連ねます。そんな防備録の場所。


●とりあえず始めに書かないといけないのは、“キングオブ幹事”との異名と持つパチョアニキの素晴らしさ。飛行機、宿、レンタカー、居酒屋、タイムスケジュール、お金の割り算、上半身ハダカになってわめき散らすアニキのシツケ、その他全てのメンドクサイことを一手に引き受けてくれた。サンクス!


●ジブンが見た中ではケルビムはウチら2人だけだった。ケルビムのジャージを着ているポッチャリ型の女性がいたけど乗っていた自転車は未確認。恐らくツーリング部門だろう。鉄フレームでもレースは十分可能です。自転車はエンジンです(ひつこい)。高価なフルカーボンがキライってわけではないけど(ていうか欲しい)、カーボンを抜いたときのアノ快感は鉄に乗ってる者にしかわからないかも。鉄でイケるとこまでイッてみたい。


●とはいっても各部にカーボンパーツをふんだんにつかっているわけですが(笑)、uenoアニキにお借りしたバランス台でカーボンディープリムホイールのアンバランスを1g以下で調整できたのはホントに効果があったと思う。下りのときはほとんどの他の自転車よりも速かった。50km/h以上出る下りでは絶対に速い。テクとか根性が無いせいで折角のスピードにもブレーキを当てないといけないのが情けない(苦笑)。アニキサンクス!


●毎朝早めに起きて朝練とか、家族が寝静まってから夜練とか、そんなことが出来るタイプの人間ではないので、自転車通勤という形で練習していたのだけど、これが功を奏したのは嬉しい。特に最後の1ヶ月は風邪をひいたり肋骨が痛くなったりして調子を落としていたのだけど、なんとか本番には上げることができたのも、焦らず黙々と通勤したお陰かなと思っている。500円玉貯金も再開したい。


●往復飛行機・宿(2泊分)・・・・53700円
 自転車送付(大阪→奥間)・・・・5845円
 自転車送付(名護→大阪)・・・・4300円
 レンタカー・タクシー(7人で割り算)・・・・3000円
 打ち上げ居酒屋(多分)・・・・3000円ぐらい
 お土産・・・・10000円ぐらい
 その他(缶ビールとかゆいレールとか昼ごはんとか)・・・・5000円ぐらい
 合計・・・・84845円
 だいたい10万円あったらええんかな。来年までに貯まるかな・・・・?

オキナワレポート その4

 必死のパッチで源河を上り切り、一気に下ったらさっきまでいた周りの人たちがいなくなっていた。後ろに下がったのか前へ行かれたのか、全く気づかなかった。つまり自分の脚はここで終わった。

 ここからの残り10kmは今まで走った10kmの中で一番長くて苦しかった。脚どころか腕も腰も全てに力が入らない。補給ミスではない。アンパンも少しづつ食べていたし、ゼリーも2本飲んだし。とにかく全身が疲れきって首を上げるのさえ辛い。

 だからメーターばかりを見ていた。100m進むごとにため息が出る。残り5kmの看板が見えても嬉しくも何ともない。だってその5kmが異常に長い。かろうじて追い風だったので35km/hほど出ていたが、爽快でもなんでもない。

 誰かに「一緒に回して行きましょう!」と声をかけられた気がする。20人ぐらいの集団に抜かれた気がする。自分が交差点を通過するたびに、警察がわざわざ交通の流れを止めてくれる。沿道の人たちが応援してくれる。「ガンバレーー!!チバリヨーーー!」って。

 「回さんでええよ。勝手に行けよ・・・・」
 「・・・・別に止めんでもええよ。信号待ちするよ・・・・」
 「もうええって・・・・。『おつかれさまー!』とかにしてくれよ・・・・」

 フラフラになってゴールした。とは言ってもゴールラインがどこなのかさえわからなかった。パワータグの「ピッ」って音が聞こえた気がするから多分あの辺りだったのだろう。

 名護市民会館の広場をフラフラと歩いていたら先にゴールしてたナカハラくんに声をかけられた。迷子になって不安なときに親の顔を見つけて安堵するような気分。2時間ちょっとしか離れてなかったのに、ものすごく久しぶりに会った気がした。

 それからしばらく経ってイノウエさんがゴールした。そこからはもう3人で笑い通しだった。落車やケガ、DNFにならずにすんで本当に良かった。さっきまでの苦しさが、思い返すたびに楽しさに変わっていくあの感じは言葉では表しようがない。

 自転車の楽しみ方はいろいろある。ツーリングが楽しい人もいれば機材に凝る人もいる。レースだってヒルクライムからクリテリウムまでいろんな種類がある。そんなたくさんの自転車の楽しみ方の一つに、「オキナワ」を追加したいと思う。それぐらいに中身の濃いイベントだった。これだけの為に1年を費やしてもいいと思った。

 いろんな犠牲を伴うけれど、「オキナワ」はそれだけの価値があります。「オキナワ」に行ったら“格”が上がった気がします。「オキナワ」はエエとこです。なかなか難しいことかもしれないけれど、自転車仲間みんなで「オキナワ」を走りたい。

 『来年も 行ったってもエエよ オキナワへ』

 みんなありがとう!



 ↑ 苦楽を共にしたケルビム号。最新カーボンバイクをたくさん抜いたけど、ダブルレバーの旧型自転車にも抜かれた。自転車はエンジンです。



 ↑ 打ち上げ会場へ。たくさん写真を撮ったけど、何故かこのピンボケ写真がお気に入り。



 ↑ サンセット。我々を焼いた太陽は、今日も何事もなかったように沈んで行く。

オキナワレポート その3

 イノウエさんがいなくなってから約30kmの間、足の揃った10人パックで走行していた。高低図で見ると基本的に下りだが、細かく上ったり下ったりしているのでここはとにかくこの集団で距離を稼ごうと思った。どうやら他の人とも利害は一致するようで、上りの得意な人、下りの得意な人、それぞれの得意なステージで小さな逃げがあったりするが、結局また集団で走行する。

 この辺りからメーターの距離計が気になってきた。まだ全工程の半分ぐらいである。残りの距離に思いを馳せてガックリした。とにかく距離計を積算させることだけがこの区間の生きがいだった。

 海岸線まで下って少し上りになったときに、ついに集団がバラけて3人になった。他の2人は同じチーム。違うのは自分だけ。3人でローテしていても明らかに自分が引く時間が長い。まんまと作戦にハメられている。腹が立ったぜ。でもこんな2人、オレ独りでなんとかしてやる!そんな気持ちで漕いでいた。

 先頭に出て海からの強風にあおられながら走っていると、沿道の家からたくさんの人々が出てきてくれていて声をかけてくれる。その中に、自分の息子と同じぐらいの子が悲鳴に近いような大きな声で、私に向かって「ガンバレーーー!!!」って叫んでいた。

 その瞬間、熱いものが込み上げてきて涙が出そうになった。応援してくれて嬉しいってのもあるし、こんなとこまできて自転車で遊んでるっていう罪悪感もあるし、チームメイトがいないっていう寂しさもあるし、なんだかいろんな感情が一気に押し寄せてきた。ここから先は自分の喜怒哀楽のスイッチがおかしくなる。

 で、いよいよ源河の上り。距離は大したことは無いけど斜度が清滝並み。こう書くとこれまた大したことの無いように聞こえるが、ここまで必死に漕いできた者にとっては激坂以外の何者でもない。2回目の補給ポイントで水をもらった。

 長年使ってきたポラールのボトルを投げ捨てようと右手で掴んだその時、走馬灯のようにそのボトルとの思い出が蘇ってきて(ボトルとの思い出って言ってもなんてことはないが)急に寂しくなった。しかし水がないと走れない。愛用のボトルを断腸の思いで投げ捨てた。また泣きそうになった。感情の起伏が激しい。

 まだまだつづくぜゴメン。



 ↑ スタート前。ホテルの体育館で準備中。緊張のせいか全く会話がなかった(笑)。

オキナワレポート その2

 上り坂に入って一気に周りの人数が減った。さっきまでの集団はドコへ行ったのだろうか。追い風と集団によって“他力で”高速走行していた人間はあっという間に後ろに下がってしまう。ここからは本当の力が試されるのだ。

 軽めのギヤをぐんぐん回しながら必死で前を追った。イノウエさんもナカハラくんも調子が良いみたいだった。ナカハラくんはともかくイノウエさんには追い付きたい。正直そんな気持ちだった。はやる気持ちにブレーキをかけつつ、かと言ってのんびりも走ってられない、そんな気持ちの葛藤の中で必死に走った。

 いくつものカーブを曲がっては探し、探してはカーブを曲がる・・・。何度も何度も繰り返してようやくのイノウエさん発見。ひとつ目のピークまでには並走することが出来た。ここからフンガー湖にかかる橋まで高度差約155mを一気に下る。まるでジェットコースターのようだった。「下りが爽快だ」なんてツーリングの時だけである。70km/hを超える速度で下っているのに、それでも抜きにかかってくる自転車がいるのだ。どこでそんな練習をしているのか知らないが、落車するなら是非単独でお願いしたい。

 下ったのも束の間、また上らされる。下りの時のドキドキが、上りに入ってからも続いていた。ペダリングに合わせて早く呼吸してしまっていたので浅い。大きく吸って、大きく吐くことを心がけて呼吸を整えた。すると調子が良くなった。1回目の補給ポイントで水とスポーツドリンクを配っていたがパス。そんなことよりこのペースを乱さないで欲しいと思った。

 ペースが安定してくると周りを見る余裕が出てきた。少し斜め後ろにイノウエさん。そして振り向くと20人ぐらいの集団が私の後ろについていた。我々は知らない間にペースメーカーにされていたようだ。

 「うわ、後ろスゲー」と、集団を引っ張っている錯覚に陥って少し気分が良くなった。このことを教えてやろうと改めてイノウエさんの方を見やると・・・・。


 し・・・・白目むいてる!?


 「だ、大丈夫!?」
 「うん・・・・ナントカ・・・・」

 ペースを落としてあげればよかった。結局自分のことしか考えてなかった。実力差はほとんど無いはずだったのに、やっぱりその時の微妙な体調の違いとか、ペース配分とかを考えていなかった。一緒に練習したつもりでいても、信号で止まることも無い、自販機でジュースを買うことも無い、本格的なロードレースではまだまだ初心者だった。

 「ゴメン!足攣った!先行って!!」

 その声を聞いた途端、何かに弾かれたように集団から逃げた。イノウエさんから早く逃げたかったのかもしれない。ここから先、ゴールまでイノウエさんと会うことはなかった。ゴールに着いたときのイノウエさんの右のフトモモには安全ピンが刺さったままだった。

 つづく。



 ↑ 前日の試走の際に撮った下り坂。レース本番では反対車線も使えるのだけど、ついつい左車線だけで走ってしまう。



 ↑ “安全ピン”を“危険ピン”にした男。レースから一夜明けた朝。ホテルのプライベートビーチにて。