『陽気なギャングが地球を回す』 伊坂幸太郎 祥伝社文庫

 東京出張の際に暇つぶしの為本屋に駆け込んで平積みしていたものを反射的に手に取った。「陽気なギャングシリーズ」のの第1作目だそうだ。この第1作目は随分と昔に既出だったようで、最近3作目が発表されたので、それでは1作目から売ってやろうではないかという本屋の作戦にまんまと関西人が引っかかったカタチである。さすが東京。
 
 ストーリーを一言で言ってしまうと、それぞれ異なる個性をもった4人の銀行強盗のドタバタ劇ということになるのだが、この4人のキャラクターが素敵で、彼らの台詞を聞いているだけでも十分面白く、人生の糧にしたいと思えるものも多々あった。
 
 銀行強盗という大胆な犯罪を、とても用意周到にスマートに行う彼らの美学が単純にオモシロかっこいい。内容自体は難しいものではなく、気楽に読めるので大変オススメである。