隠れファン

 タカラヅカに行って来た。

 タカラヅカの男性ファンってのはとても少なく、劇場に行ってもいるのはほとんど女性。タマに老人会の寄り合いで来ました〜みたいな観劇中眠っているようなおじいちゃんと、彼女にムリヤリ連れて来られました〜みたいな若い彼氏がいるぐらいで、あとは20代から60代のセレブ感漂わせ気味の女性が占める。

 今回私はここでも紹介したことのある嫁の友達と行った(もちろん嫁公認です)。彼女は幼稚園の頃に一度観に行ったことがあるだけというヅカ初心者。したがって当然「ヅカレベル」は私の方が上で、見所であるとか、誰がトップスターだとか、注目のタカラジェンヌだとかを、あの非日常的な空間にいるというテンションの高まりも手伝ってペチャクチャと彼女に説明していた。

 彼女はそれを嫌な顔一つ見せず聞いてくれていた。本当にイイヤツである(彼氏募集中)。

 しかしフトした瞬間に我に返ると、私たちの周囲にいるヅカファン達がこっちを見ているのに気が付いた。どうやら男性が女性にタカラヅカのことを説明しているという画が珍しかったのだろう。そりゃそうだ。普通は少し興奮気味の彼女が、興味の無い彼氏にあれやこれやといらん説明をするもんだ。ところが私たちはそれが全くの逆で、私だけがベラベラしゃべり、一つしかないオペラグラスを私だけが占有し、ヒイキのトップスターが登場する場面で拍手している男性は私だけである。

 なんとかして「彼女にムリヤリ連れて来られました〜」的雰囲気を出そうと努力してみるのだがなかなかうまくいかず、トップスターの衣装早変わりのシーンなんかでは「あれさっきの靴磨きの役やってた人やで」などと、思わずコソコソとささやいてしまう始末。

 そんな自分に嫌気が差し、劇場に来なくなった隠れ男性ファンって結構いるのではないだろうか。私もその仲間に入りそうである。「男性限定日」なんてものを作ってくれないかなあ、と思う今日この頃でした。