清滝11分10秒!
いや〜どんどん記録が伸びておる今日この頃なんだけど、私は子供の頃から、自分が大切にしている道具に勝手に魂を込めてしまうクセがあって、現在はみなさん御存じの「赤いケルビム号」が私の「たからもの」的存在なわけで。
思い返せばこの自転車は、子供が産まれる数日前に納車され、それから子育てだの何だのを理由にどんどん遅くなっていく私を間近で見てきた。つまり周りの自転車仲間にすれば
「ケルビムに乗れば遅くなる」
という公式が出来上がっていたんではないだろうか。
私もまあ、「遅くなる」とは言わないまでも、「ケルビムは競う自転車ではないんだよ」なんて考えていた時期も正直あった。
だがしかし、それではあまりにも自転車がかわいそうだ。少なくとも一昔前は、メッセンジャーでブイブイ言わし、山の頂上ではみんなが到着するのを待ち、レースに出れば上位入賞していた私である。あの頃と同じ栄光を、このケルビム号にも味わっていただきたい。
体重70キロ、清滝14分の頃から約半年。全盛期の63キロに戻り、清滝タイムも関西最速とまではいかないにしろ、とりあえずは恥ずかしくないレベルには達したつもりである。部屋のバイクタワーに掛けられた私の相棒も、心なしか「最速マシン」の風格まで漂わせるようになってきた。
もしこれが違う自転車だったら、こんな気持ちになっていただろうか。私の為にハンドメイドされた自転車。私の為に作られた自転車。私の求めるがままに生まれて来た自転車・・・。
今度は私がこの自転車の為に何かしてあげてもバチは当たらないだろう。私がこいつの為に出来ること。それは、速い頃の私に戻ることである。
「ケルビムは人を育てる自転車」
誠に勝手ながら私がそう決めました。