脚力を要求する自転車

 私と嫁と息子の3人で回転木馬に遊びに行った。3人でおじゃまするのは久しぶりである。ところがまもなく息子がぐずりだしたので、私は木馬に残り、嫁と2人で実家の方へ帰らせた。

 実家に着いた嫁からすぐに電話があり、どうも息子が熱っぽいとのこと。木馬で黄色いママチャリを借りて急いで実家に戻った。

 実家に帰ってみると、さっきまで元気だった息子が39度以上の高熱により、ぐったりしている。あわてて病院を探し、連れていくことに。クルマには私の母も同乗したので、私は木馬で借りたママチャリで病院まで走ることになった。

 まあ結果から言って、ただのカゼということなので、とりあえずは安心した。病院から帰って来たら熱はおおかた下がっており、機嫌も良くなっていた。

 いやあ、しかし疲れた。土曜日の夕方というややこしい時に急に熱を出し、あわてて救急の病院を探し連れて行き、受付では病気の為にえんえん泣いている子供ばかり。体力的にも精神的にも、子供が病気すると親は非常に疲れる。これから子供が産まれる予定の方はカクゴしといて下さい。

 それ以上にもっと疲れた。それは、木馬で借りた黄色いママチャリのせいだ。

 奴にはママチャリのくせに4速オートマチックミッションが搭載されている。急いで実家や病院へ加速しようとすると、どんどん勝手にギヤを重くしていくのである。しかもほとんど無音。私はココロの準備が出来ないままに、その与えられた重たいギヤを余儀無く踏み続けなければいけないのである。

 おかげさまでクルマよりも速く病院に到着し、スピーディーな受付と、スムーズにクルマを駐車場へ移動させるという、めんどくさいことがテンポ良く片付き、これすべて「木馬スペシャルママチャリ」のチカラであること言うまでも無い。

 しかしあれほど脚力を要求して来るママチャリは初めてだ。多分オートマにはオートマなりの上手な走らせ方があって、慣れれば普通のママチャリよりもラクに走行できるのだとは思うが、なんせ「清滝最速」に返り咲いたばかり。向かい風やキツイ坂など、あらがう対象があればある程燃えて来る。

 そんなオレがママチャリ如きのギヤが踏めなくてどーすんだ!?

 結局、ママチャリに遊ばれているような気がしました・・・。