『Mr.インクレディブル』

 嫁が『Mr.インクレディブル』のDVDを買ってきた。この間も『ファインディングニモ』を買ってきたので、最近この手のCGアニメにハマっているようである。まあ「ウチの嫁レベル」でもわかりすい内容なので、ハマるのもわかる気がする。そういう私もこの手の映画は難しく考えないで良い分、ボーっと観てられるので嫌いではない。

 したがってその「嫁レベル」に合わせる為、そして私の「物語内容解釈装置」のスイッチをオフする為、字幕ではなく日本語吹き替え版で観ることにした。

 CGアニメの登場人物の日本語吹き替えは、有名芸能人がやることが多い。例えばダウンタウンの浜ちゃんだったり、所ジョージだったり、爆笑問題の田中だったり(誰がどのキャラクターだったかは忘れた)。今回の『Mr.インクレディブル』でも三浦友和や黒木瞳が担当している。大抵、「アニメ声優初挑戦!」みたいなことをウリにして話題性を高めている。

 しかし、本職の声優さんは結構悔しい思いをしているのではないだろうか。

 私は声優のことには全くと言っていい程無知であるので、これから以降は私の勝手な想像だけども、おそらく日本にはピンからキリまでとてもたくさんの声優さんがいて、(特にキリの方の声優さん達は)新作アニメや映画の日本語吹き替え、テレビのナレーションなんかの仕事を心待ちにしているハズだと思う。

 それを顔が売れているからという理由だけで(あくまで私の勝手な想像です)、「声優初挑戦」のタレントが話題の映画の吹き替えに大抜擢されることは、今まで声のみの演技力や表現力で勝負してきた本職の声優さんにすれば、
 「今までやってきたことは何やったんや・・・」
 「何じゃい!結局は顔かい!」
 というような気持ちになってもおかしくはないだろう。少なくとも私ならそうなる。

 本編を観ていても、聞き覚えのある声だったりするので、どうもそのキャラクターと声優をしているタレントをダブらせてしまう傾向にある。まあ、制作側はそれも見越して配役しているのだとは思う(現にインクレディブル夫人の黒木瞳の声はバッチリハマっていた)。

 しかし何故私はこのようにヒネクレて見てしまうのだろう。素直に映画を楽しめばいいのに、どうも「裏側」を見ようとしてしまうのだ。

 これからは、「重箱のすみっこ突っつき装置」のスイッチもオフにして楽しみたいと思う。