井の中の蛙

 昨日の晩、まっさんの奥様、さっちゃんからメールがあった。人妻からメールが来るなんてオレもまだまだ捨てたもんじゃないな、とアホなことを思いながらメールを読んでみる。

 『さっちゃんでぇ〜す』と、さっちゃんらしい題名から始まるそのメールの内容は、『今度のリッツクリテに出ませんか?まっさんもn原くんもヤル気満々やで』とのこと。

 「リッツクリテ?」

 私は恥ずかしながら、回転木馬で企画運営される、もしくは回転木馬に誘われるイベントにしか参加したことがない。それ以外の各地でたくさん行われているレースやツーリングなどのイベントに、個人あるいは数名のメンバーで申し込んで参加するということがなかったのである(この辺りで私の「他力本願さ」がうかがい知れる)。

 『いいねいいね〜。出るからには頑張るで〜』と勢いで返信したものの、今まで初心者メインのホビーレースにしか参加したことのない私は何だか急に不安になった。調べてみると、結構ハイレベルなレースのようである。今まで初心者の中で「ヌクヌクと」走っていたヘタレな私が太刀打ちできるようなレースではないんじゃないだろうか。

 やっぱりヤメとこかな・・・。鈴鹿8耐の次の日やしな・・・。少ない小遣いではエントリーフィーが払えないとか理由をつけて断ろうかな・・・。知らん人と走るの恐いし・・・。本当に何度もさっちゃんに「ゴメン、やっぱりヤメとくわ」と断りのメールを送ろうとケータイを手に取った。

 しかしこうも思った。

 私はこのブログで、「清滝11分切った!」とか「バトル上等!」とか「早起きしてどこどこ走って来た!」などと、散々エラソーに周りのみんなをアオっておいたくせに(しかもそれぞれが非常に低レベルだというのが恥ずかしい)、いざ木馬イベント以外のレースに誘われたからって逃げ出すなんて、それはとってもカッコ悪いことなんではないか。

 このブログも最近は1日に100件以上のヒットがあり、昨日の夕方の時点で1万アクセスを突破した(みなさんどうもありがとう。これからもよろしく)。私もちょっとした有名人(?)である。つまり私が「お山の大将」で威張っていることも有名なわけである。うん、それはとってもカッコ悪い。

 昔、行きつけのおでん屋のトイレに張ってあった言葉を思い出した。

 「勇気を出して一歩前へ!」

 それは「小便をこぼすなよ」という意味を含めた店側のシャレだったようだが、その当時いろんな諸事情でヘコんでいた私の心はその言葉に純粋に勇気付けられた。それ以来「勇気を出して一歩前へ!」が私の座右の銘だったじゃないか。

 「やるか」

 静かにそう決心したら、何だか興奮して眠れなかった。