寝相

 腰を痛めた。

 どの家でもそうだと思うが、コドモの寝相はとても悪い。ウチの子なんかは、暑くて寝苦しいのか、何か夢を見ているのか、眠りながらごろんごろんと転がって、5cmぐらいの段差や散らかりっぱなしのオモチャの障害物などもろともせず、隣の部屋に移動するのだ。夜中にコドモの様子を見ようとして一瞬びっくりすることがある。そこには布団しかないのだから。

 最近ではまるで夢遊病者のように眠ったままふらふらと立ち上がり、イスやテーブルの角でアタマをぶつけたりすることがあるので結構危険である。

 昨日の夜中、「ガタン!」という大きな音がしたので、「どっかでアタマぶつけたか!?かなり強く当たったんちゃうか!?」と飛び起きた。その際に腰を痛めた。寝起きにイキナリ激しい運動を強いられた私の腰は、いとも簡単にブレイクした。

 それでもコドモの安否を確認しなければいけない。泣き声すらしないところをみるともしかしたら気絶しているのかもしれない。ようやくコドモを見つけ出したが特に異常はなさそうだ。あの音は何だったんだろう。夢ってことはないだろう。ハッキリ聞こえたんだから。腰を押さえながら寝ぼけ眼で考えていると、また「ガタン!」と音がした。音の方を見た。

 嫁が押入れの戸を蹴っていた。ウチは嫁も寝相が悪い。