今から数年前、カシオのGショックが流行った時期があった。恥ずかしながら私もそのブームにどっぷりと浸かり、数十万円という今から考えればバカみたいなプレミアが付いていた「ラバコレ」とか「イルカクジラ」とかを本気で購入しようと思っていた(買わなかった、いや、買えなかったけど)。イルカやクジラなんかに全く興味などないのに。
当時自分がハマってしまった数々のブームの遍歴は、実家の引き出しを開けると明らかになる。今では日の目を見ることのなくなったオタクコレクションの中に、約10本程の悲しいGショック達が静かに眠っている。
現在愛用している腕時計はそんなGショックブームが下火になった頃に手に入れた物で、当時は結構レアな物だった。私は手首が細い方なので、あまりゴツイ物はどうも似合わない。しかしこのGショックはとてもシンプルで使いやすく、どんな服にも合わせやすい(ファッションに気を遣う方ではないけど)。最近はこれ以外の腕時計をつけることがない。
今でもついつい人がしている時計に目が行ってしまうクセがある。
左手にする人、右手にする人、手首の内側にする人、会う度に時計が変わっている人、ボロボロの時計を大切に使い続けている人・・・。
人によって腕時計に対しての想いはいろいろあるだろうが、心理学的に見ると「異性の象徴」だと聞いたことがある。私は腕時計が無いとなんだか落ち着かないタイプである。常に一緒にいたい。口では悪男ぶってはいるが、実はこんなところに嫁への愛情を垣間見ることができるのだ。就寝中、仕事中、入浴中は絶対しないので、あながちこの心理テストも外れてはいない。
ロレックスやオメガなどの高級腕時計も欲しいことは欲しい。しかしそれらは私にとって、シャラポアであったり山田優であったり黒木瞳なのだ。持ってるだけで緊張してしまうはずである。Gショックぐらいが分相応だと思われる。
頑丈で使いやすくて安い。つまり、健康で素直で金がかからない。これがイチバンだ。