浴衣萌え

 ファッションのことについては全くダメなので、他人の服装や髪型をどうこう言える立場でもなのだが、「なんちゃってエビちゃん」なんかを街で見かけると、「お前はアカンやろ〜」ぐらいのことは思う。ファッションなんてある意味自己満足だから、どんな格好をしようと個人の自由なのだけど、それが似合うか似合わないかぐらいは客観的に自分の姿を見て良く考えて頂きたい。ファッションのことに関して無知の私がそう言うのだから、ちょっと詳しい人から言わせれば「目ェも当てられへん」ぐらいに思われている人もたくさんいるだろう。


 さて、先日市内某所で行われた「浴衣パーティー」は大成功に終わった。

 浴衣見たさのスケベゴコロ満載のおっさんが主催した飲み会であるにも関わらず、集まってくれた女性のほとんどがマジメに浴衣を着て来てくれて、さらには「久しぶりに浴衣が着たかった」「こんなことが無い限り着る機会が無い」「とっても楽しかった」などという、主催者側としてはこれ以上無い嬉しい感想を多数頂いた。

 普段自転車メインで会う仲間だから、浴衣で一同に会することがとても新鮮で斬新であった。

 私は思う。

日本人は浴衣や!

 日本人は洋服なんぞ似合わないのである。それはもうずっと昔から決まっていて、浴衣や着物などの和服は日本人が似合うように作られているのである。ていうか日本人は和服が似合うように遺伝子レベルで設定されているのである。

 「ついつい誰にでも『かわいいやん!』とか『似合ってるやん!』って言うてしまう。普段はこんなこと言えへんのに」これはまっさん談。まさにその通りである。私も何度か「コンパ」と呼ばれる場にお邪魔したことがあるが、「お持ち帰り」してやろうとロックオンしてる女の子以外に「かわいいね」なんて言ったことが無い。しかしあの場は違った。気が付けばサエキまでにも言葉のラブシャワーを浴びせかけていた。

 それは男性でももちろん同じことが言える。

 今回は男性の浴衣率が非常に少なかったのが残念だが、私は家から浴衣で電車に乗って行った。電車に乗ることすら久しぶりなのに、ましてや浴衣を着て下駄をカランコロン言わせながら一人で電車に乗ることにどれだけ抵抗があったか!ところがしばらくすると、周りの注目が心地良くなってきて、背筋なんかもピーンと伸びるし、表情も心なしかキリっとするし、男気がアップした気分だった。

 似合わない洋服を流行ってるからという理由だけでムリに着ることなんてしなくていいと思う。エビちゃんファッションはエビちゃんだけにさせておけばいいのだ。チョイ悪オヤジなんてイタリア人かぶれのことを日本のおっさんがしてもダメなのである。

 今日のデートは何を着て行こうと悩んだ時は、その選択肢の中に和服を入れることを心よりオススメする。