飽きるスピード

 息子宗一郎がまた新しいゲームを買ってもらった。ゲームウォッチ~ファミコン世代の我々にとっては、最近のゲームの作り込みのすごさにただただ感心するばかりである。面白い設定、美しいグラフィック、楽しいストーリー、キャラクターのモチーフなどなど、開発者の脳みそを捻りまくって生み出されたゲームなんだなと、他人事ではあるが本当にお疲れ様~である。
 
 ところが、そんなに拘りまくって開発したであろうゲームでありながら、「子供たちに飽きられる速度」がとても速いように感じる。ただ単純にブロックを崩したり、ぴょんぴょんと樽を飛び越えたりするゲームのほうがはるかに楽しむ時間は長かった。私が小4のクリスマスに買ってもらった『オクトパス』とかいうゲームウォッチは、小学校を卒業するまでやり込んだ覚えがある。
 
 まあそれだけ子供たちの興味をそそる楽しみが増えたということはいいことなのだろうが、大量生産大量消費のこの世の中、せっかく手間ヒマかけて作り上げたモノがあっという間に世間に飽きられるということは、開発者や生産者にとってやるせないことなのではないだろうか。
 
 反対に、我々消費者側も、新しい“モノ”や“コト”を与えられたときに、上手に自分の飽きる速度をコントロールしないと、あっという間にその事柄について調べがついてしまい、あっという間に収集が終わってしまい、あっという間にゴミの山となり、あっという間に飽きてしまう恐れがある。
 
 だから、もっとじっくり長く楽しむために、あんまり頑張らないということが大切なのだと思う。