『鍵泥棒のメソッド』 主演:堺雅人 香川照之 広末涼子 監督:内村けんじ

 気になる映画をヨメがどんどんHDDに撮り溜めしていくので消化不良気味な毎日であるが、なんとかローラーをしながら観る機会が訪れた。
 
 銭湯で転倒し頭を打って気絶した殺し屋コンドウ(香川照之)。それをすぐそばで目撃していた売れない貧乏役者桜井(堺雅人)。ちょっとした出来心から桜井は気を失っているコンドウのロッカーの鍵を自分の鍵とすり替える。桜井の荷物と共に病院に運ばれるコンドウを尻目に恐る恐るロッカーを開けると、そこにはまとまった現金の入った財布と高級車のキーが・・・・。
 
 コンドウの高級マンションに勝手に上がり込み好き勝手やる桜井。反対に記憶喪失となりなんとか自分の人生を取り戻そうと必死に努力するコンドウ。そしてそんなコンドウの努力する姿に惚れてしまった雑誌編集長の婚活女性水嶋香苗(広末涼子)。この個性豊かな3人の演技が見事だった。さすが!という感じである。
  
 コンドウになりすました桜井は、新たな殺しの依頼を断れずに受けてしまう。なんとか逃げ出そうと計画するが、元々いい加減な性格もあって取り返しのつかない状態に。そこへ記憶の戻ったコンドウが現れ物語は急速に展開していく。コンドウの綿密な計画を実行する大事なタイミングで水嶋香苗登場。KYである。とにかくこの3人の演技が素晴らしい。特に香川照之の、殺し屋の表情と記憶喪失の表情の違いがすごい。物語の中では一応桜井が役者という設定なのだが、殺し屋コンドウが桜井に、腹を刺された時の演技指導を行うあたりなんかはとてもおもしろい。
 
 久しぶりに面白い映画を観た気がする。ヤクザ役の荒川良々の演技も良かった。あの不気味な雰囲気は、あまちゃんの時の駅長さんとは大違いである。とても面白かったです。HDDから消すのがもったいなくて本末転倒な今日このごろである。