木馬忘年会に学ぶ商売の基本

 気づけば忘年会のシーズンである。自転車イベントには参加しないのに、酒飲みイベントだけは欠かさず参加しているような気がしないでもないが、今年も回転木馬大忘年会に参加させて頂いた。総勢40~50人ほどの人数で、毎年毎年ご存じない方が増えつつあって寂しさのようなものも感じるが、私のように忘年会だけしか参加できない面々とも久しぶりにお会いできて楽しい会であった。
 
 正直言って自転車競技に対する“熱さ”みたいなものは少なくなってしまった。それでも自転車はこれからも続けていくと思うし、回転木馬の仲間たちとも離れずにやって行きたいと思っている。嬉しいのは、こうやって自分の熱さがなくなってしまった人間でも受け止めてくれる器の大きさである。レースに興味がなくなったら居辛くなるような雰囲気でもなく、機材にお金をかけられなくなったら愛想を尽かさせるようなこともなく、合同練習に出なければ話題についていけないというわけでもない(実際忘年会の席で話した内容は、文房具と本とノロウイルスの話であった)。
 
 いつだったか、自転車屋さんでありながら、「自転車販売は、目的ではなく手段である」と言い切った店長の赤ら顔は印象的だった。年がら年中イベントプランナーみたいな仕事ばっかりで大変ですねえと言った私にそう応えてくれた。むしろイベントがメインであると。
 
 私もクルマ屋で働いていて、当然の事ながら自動車を販売・修理して利益を上げるわけだが、そこに「自分さえ良ければ…!」の考えが過るとどうしてもお客さんとトラブルになってしまう。クサイことを言うようだが、やはりお客さんにとって何が一番メリットがあるのかを考えてあげることが、結局最終的に利益に繋がっていく。そんなこと頭ではわかっているつもりであったが、自分自身が回転木馬のそういう商売理念に触れていたことに気付かなかった。
 
 自転車競技と自分自身を照らし合わせ、「適当な落とし所」を探して自分を納得させる作業にしんどくなっていた時期もあったが、もうこれからは自然に任せて回転木馬の商売理念に身を任せたいと思う。