骨髄移植その1

 2013年4月13日、嫁の39回目の誕生日の日に、骨髄バンクセンターからの封書が届いた。いつもの季刊誌とは明らかに封筒の分厚さが異なる。「大切なお知らせです。至急開封してください。」とある。
 
 いつか来るとは思っていたが、ついに来たかという第一印象。バンクに登録してから4年目にしての快挙(?)である。命に関わる病気をしておられる患者さんがいて、その方が私の骨髄を求めている・・・。頭ではわかっていても、実際にこの封筒を手に取ると、そんな実感が湧いてくる。
 
 開封すると、中には「骨髄提供についてのご案内です」と書かれたA4の紙が多数と、「骨髄または末梢血幹細胞提供者となられる方へのご説明書」という小冊子が入っている。
 
 骨髄提供の意思確認のアンケート数枚に記入し、翌日すぐさま返信。今回の患者さんは、この案内から80日前後の移植を希望される「迅速コース」というのを希望されてるとか。まるで洗濯機の「おいそぎコース」みたいな名称でちょっと気が抜けるが、もし私がこの封書をスルーした場合、もしくはいつものようにうだうだと何日もそのままにしていた場合、私のせいで「死ぬ」人が1人、確実にいるわけである。普段めんどくさがりな私でも、さすがにこの事実にはビビる。
 
 会社の健康診断に毛が生えた程度の健康アンケートに答えた。それでも「不特定多数の異性と性交渉をもったことがありますか」や、「以下に記す国への海外渡航の経験がありますか」的な問いに、物事の重大さが伝わる。
 
 封書を返信して約1週間足らずの4月17日、コーディネーターと呼ばれる女性から電話。早速第1回目の確認検査が段取りされる。自宅の近所である大阪市立総合医療センターを希望し、4月24日10時10分からということになった。
 
 つづく。