仕事のことなんかも

 ここでは自転車とかマラソンのこととかを書こうと思ってるけど、未だにFacebookもようわからんし、mixiはどんどん使いにくくなってくるし、いっちょ原点回帰ということでここ1本に絞ったろかなと思ってる今日この頃。まあ肩肘張らずに書きたいことを書きたい時に書きたい場所に書かせて頂きます。
 
 
 先日初めて来店される女性の方がやってきた。エアクリーンフィルター(エアコンのホコリ取りのフィルターのことです)を交換して欲しいとのこと。かなり低姿勢。お客さんやねんからもっと上から目線でもええよというぐらい低姿勢。
 
 よくよく話を聞いてみると、なんと福島から避難してこちらに引っ越してきたそうだ。小さなお子様も助手席のチャイルドシートに乗っている。近所のガソリンスタンドで同じ作業を依頼したら、福島ナンバーを見て断られたらしい。そんなことってほんまにあるんやね。風評被害ってものを目の当たりにした瞬間。それでわざわざ車庫証明を取って、車検証の住所変更をし、奈良ナンバーに変えてやってきたとのこと。
 
 「そんなクルマなんですけど診てもらえますか?」
 
 東北訛りでそう言われたら、なんか急に胸が熱くなってきて、もちろん引き受けた。別に黙ってたらわからんのにねえ。原発事故なんて貴方のせいではないのにねえ。なんでこのお母さんが我々に気を遣ってしゃべらなあかんのやろねえ。エアコンのフィルターには放射性物質が溜まりやすいということを以前から聞いていた。小さな子を持つ親としてはなるべくそんなフィルターは交換してしまいたかったのにねえ。
 
 放射性物質が付着したエアコンのまましばらく乗っていたわけだ。車庫証明が下りるのに1週間ほどかかるし、陸運局に出向くのも一般の方にとっては一日仕事である。その間じゅうずっと、この小さな子供は放射性物質の風を浴び続けていたのか…。そう思うと、なんか他人事だった原発事故が、急に目の前に立ちはだかったような気がしてやるせない。まだまだたくさんの子供たちが福島に住んでいて、避難のしようがない人だっている。
 
 そんな大きな問題を自分の力だけではどうしようもないけど、奈良に来たこの一組の親子に安心を与えられることが出来た。原発事故は起きてしまったのだからしょうがない。原発に依存してた我々にも責任があると言えばある。その責任を、ほんの少しだけれども分かち合えたような気がする。