幸せである

 なかなか寝付かない時はダッコして近所を散歩するんだ。ジャンパーにくるんで鼻歌を歌いながらゆっくりと歩いていたら、いつの間にかぐっすり眠っているんだ。

 ジャンパーの中で、小さな手が私の両脇をしっかりと掴んでいる。私がいなければ死んでしまう。ここに置き去りにしたら死んでしまう。私を頼り切っているんだ。そんな小さくて儚い命が私の腕の中にあるんだ。

 こんな幸せが他にあるだろうか。

 こんな時間がいつまでも続くことを祈るったら祈る。