いよいよである。中学の頃からマラソン嫌いだった私が、ウケ狙いとモテ期狙いだけでダラダラと練習し、酔った勢いで申し込んだフルマラソンの本番である。会場はものすごい人で、少々カオス状態だったが、運営がものすごく良くて何事もスムーズに行ってる印象がした。
雰囲気に飲まれつつ朝9時にスタート。
作戦は『前半温存、後半爆発』である。テンションが上がってビュンビュン飛ばしていく人を、「後でぶち抜いたるからな~」と思いながら見送るガマンの走り。30km地点でみんなヘロヘロになっているのを横目に快走してやることだけを妄想し、とにかく黙々と距離を稼ぎ、しっかりと補給しながら走る。
スタートしてすぐ、高橋尚子が「みんな頑張って!頑張って!」とハイタッチしながらバビュ~~ん!!と走っていった。何食べてるんやろ。そういや納豆とひじきとレバーは毎日食べてると言っていた。真似しよ。
4.8km時点の給水所はパス。6km地点でカリカリ梅1個補給。折り返して新大宮付近のGSがバナナを配っていたので一切れもらう。11km地点の給水所で水をもらい、梅丹のドロッとしたナニカを補給。・・・・ああ~、もう何をどの地点で補給したかなんて忘れかけてる。もうそんなんどうでもええわ~。
相変わらず抜かされていく人数の方が多い。「今に見とれよ」と淡々と自分のペースを守る。30km地点に来たらこっちのもんじゃい。見とれよ~見とれよ~。せいぜい今のうちに飛ばしとけよ~。
約16km地点、窪之庄南を左折して、いよいよ天理に向かう上り坂の始まり。「よっしゃココからが本番や」と言い聞かせる。ただひたすらマイペースで歩を進める。意外と調子が良い。スタート前に飲んだアミノバイタルプロが効いている。これまでも水分などは定期的に補給しているので体調的には全く問題なし。脚も痛いとことか全然なし。非常に調子が良い。
でもまだ早い。ここでランナーズハイになって飛ばしたらオワリである。言うてもまだ16km。半分以上ある。まだまだや、まだまだガマンや・・・・。
等間隔にセンターラインにならんだボランティアの高校生が大きな声で応援してくれる。ほんとに心強い。応援で元気100倍になったらそれはマンガだが、それでも10%ぐらいは回復するのは本当だ。清志郎のメイクをして踊っている地元のおじいちゃんがいて、それにも元気づけられた。たまらんなあ~。
あと太鼓の音な。不思議と太鼓の音ってのは元気がでる。吹奏楽も良かったなあ。『負けないで』の演奏のときは立ち止まって聞いたろかなと思うぐらい。
しっかしこの山道はどこまで続くんじゃいというぐらい長い。果てしなく長い。コースマップでは「ここだけが難所やなあ」というぐらいの印象だったが、走ってみて大間違い。ここだけでも十分レースできるやろというぐらいに長い。で、この山道の途中に、半分の21km地点と、今日のポイントである30km地点がある。マラソンで一番心が折れると思われる半分の地点と、「魔物が住んでいる」と誰もが言う30km地点がここにあるのだ。奈良マラソンのコースを考えたヤツは間違いなく“ドS”だ。
当初ペースアップの予定だった30km地点が坂道だったので、アタック開始はちょっと遅らせて平坦になったところにしようと予定変更。平坦に戻るのはだいたい32km地点ぐらいだから残り10kmもあったらええやろ。ウケケ。のこり10kmぐらい屁ェである。なんせいつも練習で走ってる距離が10kmだ。小1時間頑張ったらごぼう抜きでゴールだ。ウケケケケケ。
そんなことを妄想しながら歩を進める。妄想のし過ぎでペースが徐々に落ちていることに気付く余裕すらなく・・・・・。
★心の会話
「よし、32km地点。残り10kmやぞ!」
「そ、そうやね・・・・」
「どうした?ペースアップするんちゃうか?」
「ま、まあもうちょっとあとでもええんちゃうか・・・・」
「そ、そうか・・・・」
「うん、のこり5kmからでも十分ごぼう抜きできると思うわ・・・・」
というわけで、さらに予定変更。残り5kmからのアタックとなった。そうと決まれば最後の5kmでしっかり走れるように、残った補給食を全部食べ、時々歩いたり、立ち止まってストレッチしたりして備える。うん、この歩行は残り5kmのためだ、と自分に言い聞かせて歩きまくる。歩いて歩いて歩きまくる。
沿道の人々に「がんばれー!のこりもうちょっとー!」と言われまくるが、ええねんええねん、オレは体力を温存させてんのや。速いオレを見たかったらゴール付近まで移動することやな、と余裕をカマして歩きまくる。
足さえ止めなければ、イヤでもゴールは近付いてくるもんである。そして残り5km地点。
「おい、のこり5kmやぞ。そろそろ行こか」
「ちょ、ちょっと待って、足冷えた」
「冷えたてお前、そら歩きまくってたから冷えたんや」
「ま、まあちょっと待てや。今からちょっと上げるから」
「おい、ひこにゃんにもアヒルにもクレオパトラにも抜かれたやんけ」
「あんなイチビリほっとけ。のこり3kmでなんとかしたる」
さらに予定変更。のこり3kmでのアタック開始となった。そしてのこり3km地点。
「よっしゃ!行くぞ!」
「おいちょっと待てや、最後の最後で上りやんけ」
「それはみんな一緒や。よし行くぞ!」
「むりむりむりむり。上りで飛ばしたらフクラハギ痙るから」
「じゃあどこでアタックすんねん!」
「ゴール手前でええやろ」
というわけで、ゴール手前50mをダッシュし、前方の75歳ランナーひとりをごぼう抜きしてゴールしました。5時間22分もかかりましたとさ。
“奈良マラソン2010” への6件のフィードバック
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完走おめでとうございます。
どこも傷んでないようで、安心しました。
Mアニキ、次のフルはどこで?!
アニキ、完走おめでとうございます。
お疲れ様でした。
存分に楽しまれたようですね。
Qちゃんの後ろで匂いを嗅げなかったのだけは残念ですね。
で、次はやっぱり3種目でしょ?
お疲れ様でした。
奈良は独特の雰囲気ありますね。
他ではない印象に残ることが多かった気がします。
清志郎のおじいちゃん(おじちゃん?)は写真をブログに載せている人多いみたいですね。
田圃の中に突然清志郎が見えたときは怪しいと思いましたが、「アリだ!」と思い直しました。
天理に入ってからの応援も他では味わえませんね。
やっぱり奈良は独特でした。
●bfzあにき
思ったよりカラダのダメージは少ないです。車椅子いるかなと思ってたぐらいですから(笑)。
次のフルですか!?
う~ん、次は来年の大阪マラソンかな~?
●なかじんあにき
Qちゃんの匂いは嗅げなかったけど、2回もハイタッチしました。
手がとても柔らかかったです(笑)。
スイム、バイクときてフルマラソン・・・・。ますます自分には遠い世界だと痛感しました(笑)。
●カッキーさん
清志郎さんは感動しました。折り返して帰るときに、ちょうど「雨上がりの夜空に」を流して踊っておられたので余計に感動しました。
天理の太鼓とか竹を叩くのとか吹奏楽とか、音楽は本当に感動しますねえ。
おしるこを食べれなかった(並んでた)のが残念です。
完走おめっとさん!素直にすごいと思う!
このブログでは、面白おかしくかいてるけど、んなもんじゃなかったでしょうね。
しかし、ドSの作ったコースに出るあなたは、やはり『ドM』だったのね・・・。
●racdaさん
ドM・・・・。そうだったのか。
上り坂でヒイヒイ言いながらちょっと薄笑いやったかも(笑)。
アニキもフル走りましょう。
しんどすぎてわらけてきますよ。