計器に踊らされてみる

100926_0825~01
 
 2008年乗鞍ヒルクライムで見事に騙されて以来、サイクルメーターというものを自転車につけなくなった。坂で一生懸命漕いでるのに「10km/h」としか表示しない冷酷なヤツを、なんでみんな大枚叩いて買うのだろうかと疑問に思った。
 
 そんなこんなでメーターの無い自転車生活を2年ほど続けてきたわけだが、少し思うところあって、以前に義理の弟からもらってタンスの肥やしとなっていたサイクルメーターを取り付けてみた。
 
 コルナゴに乗り換えたら、きっと平均速度が5km/hぐらいは上がって、清滝のタイムも2分ぐらい縮まるだろう。会社までの距離も10kmぐらい短くなるのではないだろうか。そういった数々の“コルナゴの恩恵”をこの目で確認したい!サイクルメーターという確実で冷静でプラシーボなんかに左右されないツールを用いて“夢のコルナゴ数値”を測定したい!
 
 そのためにはまずはケルビム号に取付けて、その遅さの数値を再確認することにより、上記のコルナゴ性能というものを余すことなくしゃぶりつくすことができるのではないかと考えたのだ。
 
 しかしだ。通勤片道を終えて思い直す。
 
 私は今までことごとくサイクルメーターというものに踊らされ続けてきた。それがイヤで外したのではないか。もしコルナゴに取付けて、「まさかのケルビム号より遅い!?」ということになれば、私の今までのコルナゴに対する憧れ・期待・妄想etc.はなんやったんやということになり、清水の舞台からゴムなしバンジー(←気に入っている)で買ったコルナゴを目の前にして呆然と立ち尽くしてしまうのではないだろうか。
 
 そうだ。きっとそうだ。サイクルメーターなんか冷酷なヤツなのだ。清水の舞台からゴムなしバンジーだろうがなんだろうが、「10km/h」は正直に「10km/h」と表示しやがり、「15分」は正直に「15分」と表示しやがるに違いない。
 
 あびないあびない。また同じ道をたどるところだった。今夜にでも外そう。もちろんコルナゴにも取付けないつもりだ。
 
 
 『ローディーに 必要なのは 妄想力』