昨日(11日)は国家試験の口述試験でした。学科試験は去年の11月に終わり、昨日は口述試験、これに受かれば後は実技試験を残すのみです。3つの試験を通らないといけないのですから狭き門です。まだまだ油断できません。
口述試験とは実際にお客様との会話の中で、相手の訴えていることを上手に聞き出したり、行なった整備を丁寧にわかりやすく説明できるかどうかという試験です。
お客様役の試験員と向かい合わせで座り、少し離れたところで採点員が2名ほどいます。試験員も採点員も入室から退室までの私の一挙手一投足をじっくり見ているわけですから緊張しないわけがありません。実際の仕事で行なっていることの延長線みたいなことですから、落ち着いてやれば簡単なはずなのに、緊張すればするほど自分で墓穴を掘ってしまいます。
全部で2問あって、1問目は「問診」です。例えば「エンジンの調子がおかしい」と訴えるお客様から、「どのようにおかしいのか」「いつからおかしいのか」「時間帯は?」「天候は?」「道路状況は?」などを聞き出し、ある程度の故障箇所の目安をつけてどういう整備をするのかを説明するというものです。昨日行なった試験の内容をここで書くと、試験問題流出等ややこしいことになる恐れがありますので書きませんが、そんなに難しくはなかったと思います。
2問目は「整備説明」。実際に行なった点検整備と交換した部品の説明をし、お客様からの質問を受けてそれに答える、というものです。「交換した理由と交換後のメリットの説明をしてプロとしてのアドバイスができるかどうか」です。これも落ち着いてやれば簡単です。お客様役もそんなにイジワルな質問をしてきませんでしたので、概ね答えられたかと思います。
しかしこの口述試験の一番のポイントは「時間」です。試験である以上時間がきっちり決まっていて、1問たったの5分です。だらだら問診したり説明していては時間がすぐになくなって、1問目が終わっていないのに強制的に2問目に入らされたりすることもあって、それが一番難しいのです。
「いらっしゃいませ○○様。本日はご来店どうもありがとうございます~。」
実際の接客ではこういうことも言いいますが、試験ではこんな悠長なことを言っていては時間がもったいないのです。試験は問診や整備説明のポイントをどれだけ押さえているかで採点されますから、お客様を“ヨイショ”するような言葉は採点の対象にはなりません。ですから実際の試験をハタから見れば、なんだかロボットとロボットが会話しているような光景なんじゃないかと思います。
「いつからですか?」
「昨日からです」
「時間帯は?」
「朝です」
「異音は?」
「ありません」
「警告灯は?」
「その質問は問題に関係ありません」
などなど、それはもうつっけんどんな会話です。実際の会話がこんな状態ならお互いに気を悪くするだけなので、あんまり実務の参考にはなりませんが、それは試験だから仕方ありません。私も試験仲間と一緒に口述試験のロープレを繰り返して練習していましたので、実際のお客様との会話でついついそんな“試験用トーク”で話してしまいヒヤリとすることがあったのですが、良くも悪くも練習の成果が出ているのでしょうね。
世の中いろんな資格がありますが、資格そのものが実際の業務の役に立つかどうかはわかりません。例えば今回の口述試験がたとえ100点満点であっても、実際の接客が悪ければ(例えば身だしなみが悪かったり表情が固かったり)、それは企業として必要のない人材だと言えます。昨今は「検定ブーム」というものあって、日常では特に必要のない、役に立たない資格や検定がたくさんあります。
でも、「資格を取ろう!」という向上心というものは、実務にはとても役に立ちます。資格そのものが役に立つのではなくて、資格を取るまでのプロセスが役に立つのです。私もここ数ヶ月間ずっと勉強していますが、正直言って私の現在の業務には役には立たないものが多いです。だけど「勉強している」という部分から生まれる心の余裕みたいなものが、やはりお客様にも感じて頂けているようで、接客していても最近はとてもスムーズに会話や事が進むようになってきたように思います。
これをお読みの皆様の中にも、資格を取るためや試験に合格するために一生懸命勉強した時期がきっとあったと思います。当時は苦しかったかもしれませんが、今思い返してみると結構充実した期間だったと思いませんか?例えば原付の免許を取るために虎の巻で勉強したあの頃って、一生懸命になれていましたよね?
若い頃は勉強の必要性に文句ばっかり言ってましたが、歳を取るにつれて勉強に対する考え方も随分変わってきました。こういう気持ちを若い頃に持っていたならば・・・・・なんてことも妄想しますが、そんなことを言っても仕方がないですからね。せめて自分の子供たちには後悔させたくないので、今私が感じているような充実感を上手に伝えられるような方法を模索していきたいと思います。
こんな長くて支離滅裂な文章を書いているようでは、まだまだ私も勉強が足りませんね。
“口述試験” への2件のフィードバック
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私も就職してからの方が、学生の頃よりたくさん勉強した様な思い出があります。なんで就職したのにこんなに勉強せなあかんねんと嘆いてました。それが身になっていたなぁと今頃気づかされますねぇ。
国家試験頑張ってね。
ひとちゃんお疲れ様です。
ボクも今が一番勉強している時期なのではないかと思います。
多分人生の中で今が一番カシコです(笑)。