ドエライ落車が発生したことは容易に想像がついた。しかしなんせ強い追い風に乗って50km/h近く出ていたときだったので振り返る余裕はなく、後ろにいる仲間の安否が気遣われたが、停まると集団落車が後ろから襲ってきそうだったのでダッシュをかまして逃げる逃げる。
前には20人ぐらいかな?少し離れて5人ぐらいが逃げているように見えたがどうやらクラス違い。しばらくして少し余裕が出てチラッと後ろを見たらだ~れもおらん。そのときは「ああもう85kmクラスはこの20人だけになってしもた」と思った。完走さえすれば20位以内。ウケケ。と思った。ゴメン落車した人たち。
もうこうなったらイクしかないと、オモクソ漕いでN原くんとパチョくんに追い付く。夢の先頭交代なんかをしてレースごっこをして遊んだ。少ししたらカワマタさんも追い付いてきて、木馬3人が先頭に出たりローテしたり、今年のオキナワで一番楽しかった数kmだった。
でも、正直言ってこのペースで最後までレースを続けることはジブンには絶対不可能。楽しいことは楽しかったが、同時にゴッサ苦しい。でもええわ!フンガーの登りまででええわ!後のこと考えて今この楽しみを自分から放棄するなんてでけへん!オリャ~~。
ハイ。当初の予定の「マイペース作戦」は早くも失敗。アタマに血がノボって興奮したのは他の誰でもなくワタクシ。
フンガーの登りに差し掛かった途端、我が愛車ケルビム号はその質量を3倍ぐらいに増やし、N原くんとパチョくんとカワマタさんを見送った。やってもた・・・・。ギンギンにイッてもた・・・・・。まだ10kmちょっとしか走ってへんやん。あと70km以上の距離に想いを馳せ、ホンマに気が遠くなった。
後ろには落車のせいで誰もおらんと思ってたが、自分の見間違いだったのか、それとも復帰してきた人が上がってきたのかドンドン抜かされる。そりゃもう悲しい悲しい。ヘロヘロになりながら登り続けたが、あそこは一旦停まって休憩した方がええのかな。ちょっと自分を落ち着かせるぐらいの方が、結果的にはエエ走りが出来るのでは?と、冷め冷めに冷めた今はそう思う。
ここから一人旅になる覚悟を決めた。
つづく。