図書券

 年末年始にお金を使い込んだという理由で小遣いを半分に減らされた。恥を承知で公表する。1万円が5000円になってしまった(涙)。キョウビの中学生でももらっている金額である。

 「それでは納得がいかない」とゴネまくる僕に嫁が「これやるから」と言って差し出したのが図書券だった。しかも500円分1枚のみ。僕は素直にそれでOKした。正味5500円なのに。

 なぜだかわからないが、図書券というのはかなり得した気分になる。例えば1万円を現金でもらうより、図書券でもらうと現金より嬉しい。僕だけだろうか。現金ならいろんなものが買えるが図書券は間違いなく本しか買えない。しかし図書券で本を買うと得したような錯覚に陥る。しかもお釣りが現金で返ってくる。タダの紙切れがお金に換わるのだ。しかも本が手元に残っている。

 去年は結婚したり出産したりと、いろんな方からお祝いをいただくことが多かった。お祝いのほとんどは現金なわけで、それらの現金はお返しであったり貯金であったり、すぐに僕の手元から旅立っていく。

 しかしもし図書券でいただいていたら、お返しにも使えないし銀行にも振り込めない。本を買うことにしか使えない。だから本など買わない嫁の手元をスルーして、僕の元へやってくる率が高い。

 本好きにとって図書券をもらうということはスバラシイことである。本しか買えないという限定された性能なのに、これほど人を喜ばせることができる。商品券、テレホンカード、Jスルーカード、マックカードなど、キャッシュレスで買い物ができるものはたくさんあるが、図書券に勝るものは今のところないと僕は思う。

 図書券はもっともっと普及してもよい。最近の子供の学力が下がっているとニュースでやっていたが、多分本を読まないことが原因の一つだと思う。子供の小遣いなんか図書券にすればいいのだ。お年玉も図書券、高校生のバイト料も図書券・・・。図書券をもっと流通させよう。図書券はこれからの日本を救う救世主だ。