自閉症

 昨日、スーパーテレビで自閉症の子供の特集をやっていた。僕はいままでこのような「子育て奮闘記」みたいな番組が好きではなかった。家庭で起こるさまざまな問題や事件を密着取材し、そして最後には「それでも私達は幸せですよ〜」みたいなオチがバレバレだからだ。それにもし自分の子供が障害を持って生まれてきたときのことを思うとどうしても見る気になれなかった。

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p> 結婚する前、または子供が生まれる前にこんな番組を見ると、本当に自分の子供が健康で五体満足で障害もなく生まれてくるかどうかとても不安になる。もしかしたら自分の子供もああなってしまうんじゃないだろうかと思ってしまう。もしそんな子供が生まれたら子育てに行き詰まって、最悪の場合子供を殺して自分も自殺するかもしれない。とにかくああいう番組はいろんな意味でショックを受ける。

 嫁が妊娠していたとき彼女は何かの本で、「妊娠1〜3ヶ月ぐらいの流産の確率は約30%」というのを読んでとても不安になっていた。けっこう高い確率に正直僕も少しビビっていた。しかしこうも書いてあった。「流産するのは自然淘汰である」と。なんか少し気分が楽になったのを覚えている。

 こんなことを書くとちょっとキモイが、生まれるか流産するかは神様が決めることだと思う。だから僕らがどうこうできることではない。流産する子は成長の過程で何かしらの不具合があって、このままでは人間になれない(脳がないとか心臓がないとか)子に神様がもう一度チャンスを与えるのだ。そしてその子はきっとまたちゃんとしたカラダになってどこかのお母さんのお腹に宿る。

 つまり五体満足だろうと、何か障害を持っていようと、「この世に生まれた」ということは神様に認められたからだと思う。何か使命を与えられるんじゃないだろうか。そう考えることができるようになると、不思議と今まで見ることができなかった今回のような番組が自然に見れるようになった。

 障害児を持つ親は本当に大変だと思う。だけどそれは「障害児だから大変」というわけではない。「子育てが大変」なのだ。子育てに楽も大変もないはずだ。

 もし障害児の親になってしまったら、「自分の子供を殺して自分も死ぬ」なんて考えてはいけない。死にたいなら自分だけ死ねばよい。子供はきっと何か生まれてきた理由がある。もし宗一郎が2〜3歳になって自閉症だと診断されても、ちゃんと育てる自信がある。僕が生まれてきた理由がそれだからだ。