昨日の晩、宗一郎が38.8度の高熱を出した。抱き上げると明らかに体が熱い。ほっぺたも真っ赤になり、目も少し充血している。いつもなら僕の顔を見ればニヤっと笑うのにそれもしない。離乳食を始めたらこんなことがあるだろうなと心構えをしていたが、なんせ初めてだから不安だ。とりあえず病院で抗生物質と解熱剤と「様子を見ましょう」という言葉をもらい、ひと安心。
子供が生まれたときに、嫁のおばさんから『育児の百科』(岩波書店 松田道雄著)という辞書みたいな分厚い本をいただいた。この本はとてもおもしろい。小さな子供を持つ親ならもちろん、そうでない人も是非読んでおいた方が良いと思う。その本にはこんなことが書いてあった。
『子供が急に38度以上の熱を出す。それは突発性発疹だ。6ヶ月ぐらいから1歳ぐらいまでの病気で半分以上の赤ちゃんがかかる。子供にとって関所だと思うぐらいがよい。高熱を出すのは初めてだから母親はうろたえる。医者には「様子をみましょう」と言われ抗生剤と解熱剤を渡される。この突発疹は3〜4日発熱が続くが医者にもらった薬は使わないでよい。使うとウイルスと闘う体の正常な機能の邪魔をすることになるからだ。子供は大人ほど発熱がつらいものではない。水分を補給しておけばよい。父親は「医者にもっとよく診てもらえ」と言い残し出勤するが、決して病院をたらい回しにしてはいけない。待合室でいらぬ病気をもらうことがある。熱がひいたら体に蚊にかまれたような赤いブツブツが出るがかゆがらない。それも3日ほどで消える』
医者でもらう薬のことや、僕のセリフまでズバリと言い当てている。この本にはいろんな病気について、「心配するな」というようなことが書いてある。親がオロオロしようが、夜中に病院のドアを叩こうが、その瞬間に病気が治ることはない。心配しても同じだと。
僕らはクルマの構造を知っているので、例えば走行中にオーバーヒートしても普通の人ほど焦ることはない。焦らずに落ち着いて対処することができるのは知識と経験があるからで、それは医者でも同じだ(時にそういった落ち着いた態度がわれわれシロートには怠慢のように見えることがあるが・・・)。やはり子供の病気や怪我について、親は知識を持たなくてはいけない。医者ほどの知識はいらない。夜中に病院のドアを叩きに行くかどうかを判断できるぐらいでいいと思う。だからこの本はとても役に立つ。