1万円以下のものを買うときはそうでもないが、10万円以上するものを購入するときはある程度の予備知識をつける。チラシを集めたり人に聞いたりして、自分の求める性能と値段が一致するかどうか十分検討してから販売店に行く。そしてお店のスタッフに教えてもらったり現物を見たりして購入に至る。それはみんながやる普通のことだと思う。
最近はインターネットが大変普及しているので、ネット環境さえあれば欲しい商品のことは何でも調べることができる。さらにそれを実際に使っている先輩ユーザーのアドバイスや経験談も聞くことができ、モノを手にすることなく所有しているような気分にもなれる。
クルマなんていう100万200万以上するものを買うときは特に調べるのであろう、ウチに来店されるお客さんの中には僕たちより詳しく知っている人がいて驚かされることがある。
まあ全く知らないよりはいいとは思うが、過剰な知識をひけらかして買いに来るというのも考えものだ。
エリシオンを見に来て初めに言う言葉が「エリシオンってスライドドアのリコール出てるんやろ?」である。そんなことが購入する際の参考になるのだろうか。「だからなんやねん」と言いたい。今から注文してアナタの手元に届くエリシオンは確実に改善済みになっている。もしかしたらお店の人間にナメられないようにと思っているのだろうか。
クルマに無知だからといってバカにしたりナメたりすることなんて絶対にない。「クルマのこと何も知らないんです」とハッキリ言われた方がこちらも説明がしやすい。どこのサイトで調べるのか知らないが、「純正のテレビはこの配線をこうすれば走行中映るようにできる」とか「こういう症状の時はここをこうすれば直る」など、われわれが時間をかけて診断し判明させた血と汗と涙の結晶を、あたかも自分が見つけたように言う。「もっと安くできへんの?」「簡単に直るんやろ?」などと。
確かにインターネットで情報を検索することはとても便利だ。誰でも何でもどんなことでもすぐに調べることができる。僕もよく利用する。だけど「アタマでわかった気になる」のと「実際に見て聞いて触ってわかる」のとでは雲泥の差がある。
エロビデオでAV男優がやっていることを自分の彼女にムリヤリ強要して嫌われるよりも、「何もわからないから教えて〜」と言った方が気持ちいい思いをすることができるのと同じだ。・・・きっと、たぶん。