最近、なんか重たいハナシばっかりなので、今日は軽いハナシにします。
今朝、「1週間ぶりにエンジンをかけようとしたらウンともスンともいわない」という依頼があって、現場にかけつけた。まあ結果から言うと、ルームランプの点けっ放しによる、バッテリー上がりだった。
バッテリーをブースターでつないでエンジンをかけると、いともあっさりとエンジンが目を覚ました。そのあまりにも「いともあっさり感」に、若い女性のお客さんはえらく感動したらしく、
「いや〜ん、スゴ〜イ」とか
「めっちゃウレシイ〜」とか喜んでいた。
こういうことはよくあることなので、何と言うこともなく一言挨拶してその場を後にしたのだが、帰りのクルマの中でふと思った。
私はこの仕事を10年とちょっとやってきて、大抵の修理は出来るようになったし、クルマの(正確にはホンダ車の)メカニズムに関しては知らないことは無い。どんなに難しい症状でも診断し、修理してお金をもらう。だから今回のようなバッテリー上がりとか、パンクしたからスペアタイヤに交換するとかいう修理は、ホントに赤子の手をひねるようなもので、お金なんて請求する気にもならないし、我々でなくてもクルマのことを少し知っている人であれば誰でも簡単にできる。
だけど、チカラの無い人やクルマに関して無知な人(特に女性)の中には、クルマが動かなくて困っている所に我々がサっとやって来て、ササっとエンジンをかけて、サササっと帰って行く(それが我々にとってはどんなに簡単な修理であろうと)。このことに対してかなり感動し、そして1万円でも2万円でも言われるがままの金額を払っても良いとさえ思っている人がいるのではないだろうか。
私は専門学校で「人を感動させる仕事をしよう」と習った。「人を感動させる仕事」なんて、10年以上の経験を生かして、エンジンを分解しオーバーホールすることや、コンピューターを駆使してエンジンの回転数をコントロールしたりすることではなく、お客さんが本当に必要としていることを、必要としているときにタイミング良く、必要な技術で応えることなんだと思う。
私はAV男優のような高等テクニックは持っていない。だから女性を喜ばせる(悦ばせる?)ことができるのは、クルマに関してだけなのかなあ、と思ったりもして・・・。