先日、嫁と子供を乗せクルマを運転していたら、嫁がトナリのクルマ(インプレッサ)を見て言った。
「あのクルマのボンネットについてるの何?」
ターボ車に付いているインタークーラーのエアインテークを指差しているので、私はこう答えた。
「エンジン冷やす空気取り入れ口や」 それから質問攻めである。
「ウチのクルマにも付いてる?」
「ついてへん」
「なんで?」
「なんでってターボ付いてへんから」
「ターボって何?」
「エンジンをパワーアップさせる装置や」
「あんなとこ(ボンネット)に穴が開いてたら水入るやん」
「入るなあ」
「ええの?」
「ええやん」
「虫も入るやん」
「入るなあ」
「アカンやん」
「アカンけど水とか虫とかが入るリスクよりも効果の方が大きいから開いてるんや」
「じゃあターボ付いてるクルマはみんな開いてるの?」
「そんなことない」
「なんで?」
「もうええわ!」
あまりにもヒツコイのでキレてしまった。それ以降、嫁は何も聞かなくなった。
だけど私が子供の頃、父親を同じように質問攻めにしていた。
「(シフトレバーを指差して)これ何?」
「(サイドブレーキを指差して)これ何?」
「(ウインカーを出すのを見て)何やってんの?」
そして最後には「もう〜、うるさいねん!」と言われた。そのときのショックを思い出して、嫁に対してすまない気持ちになった。だから私はターボエンジンについて詳しく教えてあげた。クルマのプロが直々に教えるのである。金を取ってもいいぐらいだが、さっきの罪滅ぼしだ。無料でレクチャーしてあげよう。
「ターボで過給された空気は熱を持つんや。熱を持って膨張したら体積あたりの酸素量が少なくなるから燃焼効率が悪くなるんや。だからインタークーラーで冷やすんや。冷やす場所はクルマの種類によって違うからボンネットに穴が開いてるやつもあれば・・・」
「もうええわ!!」
「・・・・・」
・・・息子が私を質問攻めにするようになっても、キレないように注意します。