速くなりたい

 この土日は気温は低いとはいえ非常に良い天気なので、みなさん真面目に練習されているようである。私はこの土日は共に仕事なので通勤ぐらいしか走ることができないのだが、まあ一人で走っていても「練習」なんて言える代物になっているかどうかは微妙。やはり複数で競い合ってこそ「練習」と言えるのだと思う。

 会社の目の前にある阪奈道路では、先程から何人ものローディー達が編隊を組んで走っておられ、私は仕事をしながらその光景を羨ましく眺めている。この時期は結構ヒマなので仕事を抜け出して一緒に走りたい気分である。

 毎週土日が休みだったり独身だったりすれば、各地、各ショップ、各チームなどで行われる合同練習に参加もできるのだろうけど、なかなかそうはいかないのが現実である。まあ自分が速くなれないことを仕事や家庭のせいにするつもりは毛頭無いが。

 それでも、天気の良い土日に仕事をしている自分と、ローテーションを組みながら阪奈道路を走って行く方々と、どちらが速くなるのだろうかと思うと、少々ストレスを感じることはある。そんな方々と同じカテゴリーで走らされる自分は圧倒的に不利だ。

 例えばリッツクリテリウムでは「C1、C2、C3、C4」などとカテゴリー分けされているが、もっと細分化して「毎週月曜日しか休みが無い美容師クラス」とか「出張が多くて自転車に乗る機会の少ないビジネスマンクラス」とか「いつ呼び出しがかかるかわからないから遠くまで走りに行けない消防団クラス」とかがあれば面白いんじゃないかと思う。

 「仕事が不定休だからなかなか安定して練習することができず嫁のご機嫌取りと子供の相手をしながら30年ローンをかかえ少ない小遣いの中からエントリーフィーを捻出し妄想ではいつも優勝している30代前半の気持ちだけは20代前半の身の程知らずのパパクラス」なんてのがあれば、私は間違いなくそれにエントリーである。そのクラスに何人集まるかは不明だが、もし集まるとすればかなりアツいレースになること間違い無しである。

 さて、つまらん言い訳してないで、今日も真面目に帰宅トレーニングするか。

土曜日の夜は

 今から頂き物のこの麦焼酎を開けてみたいと思います。『紅乙女』と書いてあります。果たしてそれが高いのか安いのか、うまいのかまずいのか知りませんが、「まあ酔えたら何でもええ」の精神でいってみたいと思います。

 さてハナシは変わりますが、ピスト通勤3日目です。疲れが溜まってきたのか、どうもスピードのノリが良くありません。いくら頑張ってペダルを踏んでも、固いフレームと重いギヤに跳ね返される感じです。昔はもっとスイスイ漕げて、「うわっ、ピストってめちゃめちゃ速いやん!」っていう感動があったのですが。

 タイヤの空気減ってるとか、ブレーキ引きずってるとか、ハブベアリング固着してるとか、いろんなこと考えましたが、最終結論は「自分が遅くなってる」ということにまとまりつつあります。

 「ピスト通勤トレーニング」が私にとって効果的なのかそうでないのか、ハッキリしたことはわかりませんが、「リッツ上位」を信じて頑張るつもりです。

 今度の春リッツで実現できるとは思ってませんが、一度は息子が見てるその目の前で、一番にゴールするパパを見せてあげたいです。その時の映像を妄想するとなんか感動して涙が出てきます。


 『紅乙女』は塩味です・・・。

語りおろし「私がピストを好きなワケ」

 初めてピストっていう自転車の存在を知ったのはメッセンジャーの頃なんですよ。そうですよ。そんなもんです。めっちゃミーハーな入り方なんですよ(笑)。競輪のこととかトラック競技のことなんて全く知りませんでしたからね。「なんか固定ギヤのシンプルな自転車があるらしいで」ぐらいのもんですよ。「ピスト」っていう単語さえ知りませんでしたから。でもそれがメッセンジャーの間では流行ってる。それはメッセンジャーの端くれとして手に入れなアカンやろ、ということですわ。

 たしかヤフオクやったと思います。5万ぐらいで出品されてたパナソニックのピストに一目惚れして、入札したらそのまま落札っていうことになって。届いた箱を開けた時の感動は今も忘れませんよ。意外とキレイに梱包されてて、中から前も後ろもブレーキが無い自転車が出てきた時はちょっと緊張しましたね。なんかレーシングカーを間近で見た時のカンジに似てましたね。

 それからボクとピストの付き合いが始まるわけなんですけど、実は今乗ってるピストは二代目なんですよね。一代目はクルマにはねられてイッてしもたんですわ。良心的な相手さんと回転木馬さんのおかげでなんとか復活しましたけど、あの時は悲しかったですね。まあ道交法上では相手のクルマが100%悪いってことになりましたけど、「どんな形態であれ事故が起きた時は少なからず自分にも必ず責任がある」っていう自論を持ってるボクにとって、自転車を壊した責任はボクにもあるわけで。

 ピストを「ファッションアイテム」として捉えてた自分が恥ずかしかったですね。純粋なレーシングカーを公道でヘタに走らせて事故るバカな若者みたいで。

 それからはなんとかピストを乗りこなそうと必死でしたよ。今の仕事に変わってからも片道25kmの道のりをピストで通勤したし、清滝峠も数え切れんぐらい上ったし、琵琶湖も回ったし淡路島も回ったし。まあそれがホントに「ピストを乗りこなしてる」ってことにつながるかどうかはわかりませんよ。多分ピストは「まだまだやで」って言うてると思いますけど(笑)。

 ホントは公道じゃなくてトラックを走ることが本来の使い方やっていうことはよーわかってるんですけどね。なんか一般の人でも安くで走らしてくれるそうなんで一度は走ってみたいんですけどね。もともと小心者やから自分が知らない場所に出かけることが億劫なんですわ(笑)。誰かにムリヤリ連れていかれるとか、めっちゃ仲のイイ友達に誘われるとかしたら行くんですけどね。なんか風俗に似てますわ(爆笑)。酒飲んでたら喜んで行ったりして(大爆笑)。

 ボクはシンプルなもんが好きなんですよ。単一の機能しか持ってへんのにそれが逆にカッコエエもんってありますよね。他のことは何もでけへんけど、それだけやらしたら天下一品や!みたいな。「不器用ですから」って言う高倉健がカッコエエみたいなもんですよ。歌でもダンスでも楽器でもサーフィンでも何でも出来るキムタクはボクはあんまりカッコエエとは思いませんね。イヤ別に嫁がキムタクのファンやからってヤキモチ焼いてるわけちゃいますよ。

 ハナシがそれましたけど、とにかくボクはピストの持つ「シンプルさ」が好きなんですよ。今はなんでも飾り立てる時代でしょ?ライブドアの粉飾決済でもそうですやん。世間の目をまんまとダマした。世間はまんまとダマされた。物事の本質を見極める「眼力」を実に付けなイカンっちゅうハナシですよ。ゴタゴタせんでええんですよ。シンプルで。

 ピストに乗ってたらわかりますよ。「世の中のムダ」も「自分の実力の無さ」も(涙)。

海練

 昨晩遅く、みなぎり組は舞洲で夜練を行ったそうだ。22時半頃「今から来い」との電話を頂いたが、「いやじゃ」と丁重にお断りしておいた。

 これからの日本を背負っていく世代である30をゆうに過ぎたおっさん数名が、夜中にへらへら笑いながらハアハアゼイゼイ言って自転車で走っている姿を想像してみる。

 「日本はまだまだ大丈夫やな」

 私はそう感じた。

 家がみんなと近所だったら絶対行ってた。

トバし過ぎ

 ピスト通勤1日目。

 行きはその後の仕事のことを考えてゆっくりのんびりと。そのかわり帰りは「おもくそ(思いっきり)」走った。

 平地は時速40キロ以上を維持、上り坂は下ハン握って踏みまくり、下りはバックトルクを押さえ付ける。コーナーではペダルが地面にこするほどバンクさせ、立ち上がりは車体をブンブン振り回して加速。

 しばらく実家で眠り続けていた我がピストに、本来の性能を思い出させてあげる為にトバしまくった。踏みまくった。モガきまくった。

 「どうや!これがお前の本当の実力や!」
 「どうや!久しぶりに気持ちエエやろ!」

 などとピストに語りかけながら、ヒィヒィ言って自宅に到着。会社から自宅までのタイムレコードを大幅に更新。

 ところがその後、吐き気はするわ気分悪いわ・・・。嫁が作ってくれていた夕食がノドを通らず。自分の部屋でしばらく回復待ち。

 壁に立て掛けたピストが私を見てあざ笑っているかのようである。

 春までにはお前を「ヒィヒィ」言わしたるからそのつもりしとけよー。

スタートしないとゴールは無い

 「Mくーん、電話やでー」と呼ばれ、ピットから電話口までの数十メートルをダッシュ。たったそれだけの距離で「ハアハア」言ってしまう。息を殺しながらお客さんと会話するのがどれだけ苦しいことか。

 ゴールスプリントの練習より、スタートダッシュの練習の方が重要かも。

トレーニングは明日から

 実家からピストを持って来た。夕方になって雨が止んでから、少し近所を走ってみた。

 ピストは美しい。自転車で速く走ることを純粋に突き詰めて行ったらこうなりました、っていう見本みたいなものだ。

 変な趣味だと言われても仕方が無いかもしれないが、私は自転車を押して歩くのが好きである。特にピストは押して歩くと当然後輪の回転に合わせてクランクも回る。チェーンがかすかに「カラカラ・・・」と音をたてて、スポークがキラキラと街灯の明かりに照らされる。

 速く走る為にムダを一切省いた姿は、その佇まいからして美しい。ガレージに入れられたポルシェが美しいように。厩舎のサラブレッドが美しいように。こうして一緒に歩いていると、私までもがムダを一切省かれ、美しいものになった気さえしてくる。

 そんなことを考えながら、自宅への道を歩き続けるのである。

 
 パンクさえせーへんかったら乗って帰るっちゅうねん(涙)。

ピストで走るよ

 先日ちょっとピストに乗って走ったら、今になって太もも辺りが痛い。

 自転車通勤して、休みの日にはそこそこの距離を走って、「まあ毎日乗ってるし〜」みたいに思っていても、自分の気付かないウチに「ラクしてる」ことがよくわかる。自転車の高性能に任せてサボっているのである。ああ、人間ってそんな生き物・・・。

 ここはひとつ原点に帰り、しばらく変速機もフリーギヤも無い(ついでにメーターもボトルゲージも無い)ピストに乗ってみるか。

 リッツまでにはスプリンターになるつもり・・・。

オレは走るよ

 以前から欲しかったランニングシューズを買った。アディダスのやつがアウトレットで3000円ぐらいだったのでいい買い物をしたと自己満足している。

 なぜ急にそんなものを購入し、ランニングなんぞを始めようと思い立ったのか。小学生の友達に「やっぱ足の速い男子はモテる」と教えられたからではない。息子の運動会に参加した時に脚光を浴びたいわけでもない。ましてやランニング中の若い女性をナンパしようなどと考えているわけでももちろんない。

 「走りたくなった」

 ただそれだけである。「走る」。それは人間が行う運動の原点であり、これが最低限出来なければ人間として、イヤ、動物として失格なのではないだろうか。

 私のマラソン嫌いは筋金入りである。なんせ高校時代の3年間、マラソン大会をサボる為にわざわざ体育委員になり、コース脇に立って案内板を持ち、ヒーヒー言ってカラダから湯気を出しながら走っている奴らをニヤニヤしながら眺めていたのだ。クラブ活動で走らされる時はなんとかしてショートカットのコースを模索した。母校である桜宮高校から、赤川鉄橋を通り豊里大橋まで走り、それを渡って対岸を走って赤川鉄橋を渡って帰ってくる約10kmのコース、通称「メグリ(巡り)」をサボる為に、何度も途中の100円橋をよじ上ったものである。

 でもこれからの私は違う。走りに走り、走りまくって、市民マラソンとかトライアスロンとかを目標に頑張ったる!なんせエエ靴を買ったのである。私が今まで買った靴の中で一番軽いのである。走らなソンである。

 早速実家から旭区役所までの約200mを走ってみた。

 ヒザがイタイ。

 やめよっかな〜。