オレは走るよ

 以前から欲しかったランニングシューズを買った。アディダスのやつがアウトレットで3000円ぐらいだったのでいい買い物をしたと自己満足している。

 なぜ急にそんなものを購入し、ランニングなんぞを始めようと思い立ったのか。小学生の友達に「やっぱ足の速い男子はモテる」と教えられたからではない。息子の運動会に参加した時に脚光を浴びたいわけでもない。ましてやランニング中の若い女性をナンパしようなどと考えているわけでももちろんない。

 「走りたくなった」

 ただそれだけである。「走る」。それは人間が行う運動の原点であり、これが最低限出来なければ人間として、イヤ、動物として失格なのではないだろうか。

 私のマラソン嫌いは筋金入りである。なんせ高校時代の3年間、マラソン大会をサボる為にわざわざ体育委員になり、コース脇に立って案内板を持ち、ヒーヒー言ってカラダから湯気を出しながら走っている奴らをニヤニヤしながら眺めていたのだ。クラブ活動で走らされる時はなんとかしてショートカットのコースを模索した。母校である桜宮高校から、赤川鉄橋を通り豊里大橋まで走り、それを渡って対岸を走って赤川鉄橋を渡って帰ってくる約10kmのコース、通称「メグリ(巡り)」をサボる為に、何度も途中の100円橋をよじ上ったものである。

 でもこれからの私は違う。走りに走り、走りまくって、市民マラソンとかトライアスロンとかを目標に頑張ったる!なんせエエ靴を買ったのである。私が今まで買った靴の中で一番軽いのである。走らなソンである。

 早速実家から旭区役所までの約200mを走ってみた。

 ヒザがイタイ。

 やめよっかな〜。