鳥人間コンテスト

 昨日テレビで鳥人間コンテストをやっていた。私は子供の頃からこの番組が大好きでよく見ていたのだが、最近はどうもおもしろくない。

 私の記憶が正しければ、昔の鳥人間コンテストに出場する飛行機は様々で、人力部門のみを見てもプロペラが前にあるもの、後ろにあるもの、複数あるもの、主翼が2枚3枚あるものなど、見ているだけで楽しかった。たとえそれが離陸してからすぐに墜落しようとも。

 ところが最近は飛行距離が伸びたせいか、放送時間が短いせいか、そういった独創的な飛行機の放送はカットされ、10kmも20kmも飛ぶ変わりばえのしない飛行機の淡々とした飛行の姿が映し出されているだけである。時々入る応援団のうるさい応援も目障りだ。

 「鳥になりたい」「空を飛びたい」という、人間の遥か古代からの夢を叶えるべく、それに向かって努力する姿そのものがおもしろいのに、なんだかもうすでに鳥になってしまったものを放送しているだけのような気がしてならない。

 私の父親もこの番組が好きで、ビールを飲みながら「この機体はアカン」とか「主翼が小さすぎる」とか「尾翼の揚力が足らん」とか、幼い私にウンチクを語っていた。私も真剣に鳥人間コンテストに出ようと何度も思った。しかしなんだかそういう気持ちもなくなってしまった。

 歳のせいだけだろうか。