妄想はとどまるところを知らない

 「あ〜あ、みんな10速やなあ」と自分の自転車のシフトレバーをボケーっと眺めていた。

 メッキも剥がれてきてるし、壁に立て掛けた時か転倒した時についたと思われる傷もある。

 グローブに常に接している部分がテカっている。

 良く見ると非常に複雑なカタチをしている。

 手にフィットするように考えられているのだろう。

 だんだんと女性の足に見えてきた。

 うん、見えてきた見えてきた。かなりの美脚。

 シルバーのタイツを履いておられる。

 私は毎日こんな美脚をオサワリしていたのである。

 これからはブレーキとシフト操作に全神経を集中することにする。



 許されるならば素手でいきたい。