モノ作り

 イノウエさんからDHバーの発注があった。物好きな人だ。私の自作DHバーを見て自分も欲しくなってしまったらしい。よろしい傾向である(笑)。

 私はもともと「モノ作り」が好きで、幼少の頃から牛乳のパックを縦に半分に切って船を作ったりクルマを作ったり(この時初めてカッターで手を切った。刃物の恐ろしさを実感した)していた。お菓子などのパッケージの箱などは捨てずにモノ作りの材料として押入れの隅に在庫しておいたぐらいだし、新聞の折込チラシはすべて大小様々な飛行機に姿を変えた。

 今回DHバーの注文を受けたからといって、イノウエさんからお金を貰うつもりは全く無いし、私の自作DHバーを販売しようなんて毛頭考えていない。しかし「モノを作ってお金を稼ぐ」もしくは「モノを修理してお金を稼ぐ」というのが本来のお金の稼ぎ方である、というのは常日頃から思っていることだ。

 私は古い考え方の人間かもしれない。だから昨今のライブドアショックなんかは、「私に言わせれば「ざまあみろ」である。「カネは汗水流して稼ぐもんや。パソコンいじって儲けたカネなんてすぐに消えてなくなるわい」である。

 高校時代のアルバイトの時から体力と器用さが要求される仕事に就いているせいか、パソコンをするようになってヤフオクを覚え、モニターを見ながらキーボードを操作してモノが売れ、お金が振り込まれてきた時には(もちろん儲かったという喜びはあったが)、正直言って違和感があった。「えっ?こんなんでいいの?」

 日本人は今回の一連のライブドア騒動で思い出さないといけない。田畑を耕し米や野菜を作り、海へ出て魚や貝を獲り、みんなで力を合わせて生活した時代を。何の為に手の指は5本あるのか。キーボードを上手に叩く為では無い。モノを上手に作る為である。

 錬金術なんて絶対に無い。