雑感など

 滋賀県で子供の命が奪われた悲しい事件が起こった。本来子供を守る存在である大人が子供の命を奪う・・・。そこに何があったのか知る由も無いが、こういう事件が起こる度に、「大人レベル」が下がってるのかなあ、と思ってしまう。「大人レベル」なんて本当にあるのか無いのかわからないし、私自身のレベルが高いと言っているわけではないけども、自分にも同じ歳の子供がいるにも関わらず事件を起こした犯人のレベルはやはり「低い」としか言いようが無い。

 話題は変わるようだけども。

 最近子供に付き合わされて、NHKやBS等でやっている幼児番組を観るようになった。それを観ていて感じることは「私が子供の頃観たものとほとんど内容が変わっていない」ということである。「はたらくくるま」とか「パタパタママ」とか「おかあさんといっしょ」とか「ムックとガチャピン」とか。私がそれらを観て喜んでいたのと同じく、息子もそれを観てキャッキャ言って喜んでいるのだ。30年も前のものでも今の子供に受け入れられ、それが子供たちにとって一番おもしろいということはつまり、子供のレベルなんて30年経とうと40年経とうと何も変わらないのである。

 ところが大人のレベルはどんどん上がってきている。出来ないといけないことや知っておかないといけないことが非常に多い。ウチのオカンなど、人よりミシンが上手に使えるということ以外は何も出来ない。クルマ免許は持っていないし、携帯の使い方は今でも危ういし、パソコンなんか絶対にムリである。それでも私や弟をここまで育てるのには何も不自由が無かった時代なのだ。

 子供から大人に至るまで、例えば30年だったとして、30年の間にやるべきこと、覚えるべきこと、学ぶべきことが増えた。それが日本という国の発展に繋がってきたのだから仕方無いと言えばそれまでだが、しかし、人間が30年やそこらで上げることの出来るレベルなんて、今も昔も変わらないと思う。

 人間のレベルが上がるスピードなんて今も昔も変わらない。それでもこういった子供を狙った犯罪を起こす「低レベルな大人」が増えたということは、それは相対的に世の中のレベルが猛スピードで上がってきたからなのではないかと思う。そんな世の中に対応出来なくて、取り残されて、周りと比べられて、虐げられて・・・。

 そう考えると、私だっていつ「低レベルな大人」になってしまうかわからない。これから先、世の中がどんどん進歩して、自分だけ取り残される日がやってくるのはそう遠くないかもしれない。自分の子供が大人になる頃には、もっと複雑な世の中になっているだろう。そんな世間に揉まれる為に成長するのかな、と思うと少々不憫にもなる。

 もっと単純で、もっとシンプルな世の中にならないものだろうかと思う。