素人レベルのハナシ

 『頭文字D』で、ハチロクのエンジンを載せ替えたがシックリ来なくて悩んでいたとき、実はタコメーターの目盛りが足りないだけで、スケールの大きなメーターに交換したら本来のエンジンパワーが解き放たれた、というハナシがあった。

 人間って、経験や感覚で物事を理解しているつもりでも、実は計器によって結構支配されている部分があるのではないかと思う。

 生まれて初めてクリテリウムレースに出たとき、集団の中で頑張って漕いでいたら、スピードメーターが当時ありえなかった「60km/h」という数値を表示しているのを見て、ビビって集団から遅れてしまったことがある。あれがもし、ウソでも「40km/h」という表示だったら私は集団の中で頑張り続ることが出来ただろう。

 清滝を登る時は最大心拍の80~90%ぐらいでヒーヒー言いながら登っているが、プロの皆さんみたいにきっちりと最大心拍数を測定したわけではない。テキトーにもがいて、めっさ苦しい時の心拍数をチラっと見てそれを「オレの最大心拍数は198や〜」とか言うてるに過ぎない。実はちゃんと測定したらレッドゾーンは250bpmぐらいからで、185bpmでヒーヒー言ってるのも実はLSDぐらいだったりするかもしれないのである。

 自分の中に眠っている秘めたるパワーを解き放つために、オキナワでは心拍計とかメーターとか、全部外したろかと思っている。