オッサンのおみやげ

 大阪から奈良までの自転車通勤も2週間を過ぎた。仕事のツナギや弁当箱などの荷物を背負った状態でありながら、毎朝コンスタントに清滝10分台をタタキ出す私はやっぱりスゴイ。スゴイんちゃうかなーって以前から思っていたがやっぱりスゴかった。誰が何と言おうと清滝アタッカーズの隊長は私である。わはは。

 しかし清滝峠までのアプローチ区間であるR163の走りにくさったらない。行きも帰りもそれぞれ約10kmほどイヤでも走行しないとしけない道なのであるが、アホなクルマのせいで毎日最低でも一度は“ヒヤリ・ハット”することがある。

 まあしかし、そんな“アホ”やら“初心者”やらがゴチャ混ぜになっている混合交通の中に身を置き、そして逆の立場で言えば私だってクルマから見ればイライラさせる要因の一つであったりもするわけだから、その辺のお互いの心理や行動を十分に予測して安全運転に努めているつもりである。

 そんなわけでR163を走行する時は結構集中していて、クルマの急な車線変更やママチャリの予想外の動きにサッと対応することが出来るのだが、そんな集中力や反射能力など、いつまで続くのだろうか。

 「20歳を越えると運動能力は衰える一方である」ということは良く耳にする。すなわち30をとうに過ぎた私など、運動能力が衰え始めてすでに10年以上経つわけで、「これぐらいイケるやろー」と思っていたことが、無意識の内に「イケなく」なってしまっていることを自覚しておかなければ、事故という最悪のパターンにもなりかねないのである。

 白髪が随分増えた・・・。
 ファッションに興味がなくなった・・・。
 夜の営みがめっきり淡白になった・・・。
 ビイルを飲まないと眠れない・・・。
 口笛がやたら上手くなった・・・。
 ウォシュレットの水勢が「強」でも物足りない・・・。

 残念なことだけども、我々は着実に「オッサン」への道を歩みつつあるのだ。

 何よりも「我が身が安全確実に愛するヨメコドモの所へ帰る」ということが第一条件であり最終目的である。

 『おみやげは 無事故でいいの お父さん』

 なんていう標語を見ることがあるが、まさにその通りである。オッサンのおみやげは「無事故」でイイのである。