生涯スポーツ

 バルセロナ五輪シンクロナイズドスイミング銅メダリストの奥野史子氏は、私の1つ年上で3人のママさんである。特に縁もゆかりもないないけれど、仕事中などに良く聴くAMラジオのパーソナリティをやっていて、“元アスリート目線”と“関西のおばちゃん目線”のギャップが、コメントの歯切れの良さと相まって面白いので個人的に好きなのだ。
 
 その奥野史子氏がトライアスロンに挑戦するという。仕事を持ち、子供3人を育てながら3種目の練習なんて大変だろうなと思う。それでもそんな困難に立ち向かうあたり、やはり元アスリートということなのだろう。目標を達成した後の感動や快感を知っている者の、ごくごく一般的な衝動なのだと思う。そしてそれを自分の生涯スポーツとして続けていくことにより、心身共に健全な状態を維持していきたいとのことである。
 
 自分にとっての自転車は、よくある一時的なマイブームというものではなく、恐らくこれからも続けていくであろう生涯スポーツとなった。自転車に乗っていると体力も付くし燃焼系のカラダにもなれる。そうして得た健康が、日々の生活や精神の平穏に繋がるということを、身を持って知った。
 
 なんか「生涯スポーツ」と言うと、「歳をとってもできるぐらいのレベルでゆっくりと無理をせず、競技とか競争とかそんなんとはちょっと温度差があるねんな~」というイメージであるが、自分はちょっと違うかなあと思う。やっぱり何か目標があって、それに挑む意識があるから続けられるのであって、もしもなんにも目標がなかったら、やる理由がない。
 
 そう、なんでも先に「理由」を用意しといて、そのために早起きしたり、禁酒したり、新しい機材に散財したりするのだ。そのオマケに「健康」が付いてくるぐらいで(まあそのオマケがオイシイのだが)いいと思う。奥野史子氏だって、全く心身の健康のためにトライアスロンをするわけではないと思う。そこはやはり競技者として、少しでも上位を狙って頂きたい。生涯スポーツは、そう在るべきだと思う。