フライホイールと私


 
 幼い頃我が家には旧いミシンがあって、オカンは足で踏み踏みしながら常に何かを縫っていた。ミシン本体の横には大きな輪っかがベルト駆動でグルグル回っていて、「指はさむから向こう行っとき」とよく言われた。それが回転に弾みを付けるフライホイールだと知るのは大人になってからだ。
 
 若い頃、「コレを付けたら速くなる」との情報だけで、当時乗っていたミニクーパーに軽量フライホイールを取り付けた。ガレージ設備では相当大変な作業をなんとか友人と2人で終え、ホクホクしてエンジンをかけるとアイドリングしなくてビビった。低速トルクがなくなって信号発進なんかママチャリより遅い。エンジン回転の上がり下がりは恐ろしいほどに早くなったので、まさに「音だけ番長」になってしまった。フライホイールの重要さを体験した。
 
 そして今、自転車にディスクホイールという名のフライホイールを付けた。自転車におけるディスクホイールは空力パーツであると認識されている場合が多いけど、空力的にはあんまり意味が無いという研究結果もあるぐらいで、実はフライホイールとしての効果のほうが大きいのではないかと、使ってみて改めてそう思う。重いしうるさいし、見た目も無駄に目立つし、キャリアに載せるときに固定できないし、取り扱いに気を遣うし、空気入れにくいし、色々とネガティブな部分が多々あるが、これが一旦転がり出したら止まらんというぐらいに回るのだ。
 
 左右のペダリング時のトルクの波が吸収されているようで、ペダリングが上手になった気がする。立ち漕ぎするとペダリングに合わせて「ゴーワ、ゴーワ、ゴーワ」と音がするけど、これはトルクの無駄な波をホイールがなめらかにしてくれている音だと勝手に思っている。しなやかなクロモリフレームと、しなりもクソもないホイール。意外と相性はいいのかもしれない。
 
 私のこの無駄なテンションの上がり下がりも、なめらかにしてくれるフライホイールはないものか。
 
 
 5月28日(月)C59で通勤往復。阪奈頂上19℃。アームカバーとレッグカバーはもう暑い。今年は日焼けしないようにと考えていたが暑さには勝てないかも。
 
 

フライホイールと私” への4件のフィードバック

  1. 多分外周だけ重くてもあかんのでしょうね。全域の回転数で効果が出ないことにはフライホイールの意味がないのでしょうね(^-^)/

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