『重力ピエロ』 伊坂幸太郎 新潮社

 初の伊坂幸太郎。どの作品だったか忘れたが、東野圭吾の作品の解説を伊坂幸太郎が書いてて、いつかこの人の作品も読んでみたいなあ~と思ったのが手に取ったきっかけ。
 
 辛い過去を背負った兄弟が、連続する放火事件のルールを解明していくミステリー。謎解き自体は単純で、犯人も中盤ぐらいでわかってしまうぐらいだが、兄弟の愛が爽やかで、それでいて鼻につくわけでもなく、好感が持てる。
 
 他の伊坂幸太郎の作品を読んでみないとわからないけど、セリフの途中に、仕草の描写を挟んで、さらにセリフを続けさせるってところが、登場人物の性格とか性質がよくわかるように工夫されている。逆に言うと読者に考える余地を与えないというか、キャラクターの顔や体格の想像が、それ以上膨らまないように制限をかけられているような感じ。まあそれは人によって好き嫌いが分かれると思うけど、何も考えずに読み進められるので楽っちゃあ楽かな。
 
 あと、チャプター分けが細かいので、ついついそこで読むのを休憩してしまい、500頁程度の文庫なのになかなか読了出来なかった。まあ伊坂幸太郎に罪はないけど(笑)。★★★☆☆でした。

『重力ピエロ』 伊坂幸太郎 新潮社” への2件のフィードバック

  1. にしやん、情報ありがとう。覚えとくわ。
    昨日本屋で『グラスホッパー』買いました。まだちょっとしか読んでないけど面白そう。

コメントは停止中です。