一緒に考えてください

 ヒマなときにじっくり読んでください。
 
 
 先日ダート工業へ王滝練習へ行った際、ちょっと大き目の石ころや深めの轍に、ちょうど下死点に来たぺダルが引っかかり、文字通り足をすくわれる形になって足を着いてしまうことが多々ありました。運の良い日はペダルが上死点に来て何事もなくクリアできるのですが、先日はなんでやねんというぐらい引っかかりました。
 
 それからですね。いろいろと無い知恵絞って考えたのですよ。それが上の画像です。PCで図を描いたことがないのでノートに描いたのを写真に撮るという、ぶっさいくな方法でこっぱずかしいのですが、見難くても見てください。力作です(笑)。
 
 いいですか(←本人が良くわかってないので自分に言い聞かせるように説明してます)。円周上にある一点は、その円が転がると上の図のように移動します。よね?うん。するする。これを『サイクロイド曲線』って言うらしいです。
 
 この円をクランクに例えるとですね。(私の場合)クランクが175mmなので半径175mmの円が常に転がってるワケですよ。半径175mmだったら円周は1099mmです。ペダルが1回転すると1099mm進むのです。自転車って転がってるのはタイヤだけじゃないんですねえ。クランクも転がってるのです。
 
 でも、クランクってタイヤみたいに地面に接してるワケじゃないんで、実際には空中に浮きながら転がってます。私のバイクの場合はペダル下死点から地面まで約12cmです。乗車状態では10cmぐらいかと思います。だからクランクは地面から10cm上空をクルクル回転してるのです。だからペダルが1回転して進む実際の距離は、その時選んでるギヤによって変わるワケです。
 
 ここからややこしくなってくるのですが、大抵の自転車はホイールよりもクランクの方が径が小さいので、地面に対しては上のサイクロイド曲線ではなくて、下のような波線に近い形になるのです。うん。なるなる。これをカシコの人のHPによると『トロコイド曲線』と呼ぶそうです。軽いギヤであればあるほどトロコイド曲線はサイクロイド曲線に近付き、重いギヤほど横にびよ~んと長いトロコイド曲線になります。よね?なるなる。ていうか私の拙い説明でココまで理解できました?
 
 だから結局ナニが言いたいかと申しますと、ペダルが下死点に来てる時間を少なくすれば石ころに引っかかることも少なくなるんちゃうんかということです。ペダルが横に長いトロコイド曲線を描けば描くほど、ペダルが路面に近い所を通過する時間が長いのです。つまり石ころに引っかかるチャンスがそれだけ多くなってしまうということです。調子乗って重いギヤをぐいぐい踏んで登っていても、ロードならそれもアリですが、MTBでは時と場合によってギヤも使い分けないといけないということです!(←言い切った!)
 
 ロードバイクの場合はどんな斜度でもケイデンスがある程度一定になるようにギヤを選びますが、MTBの場合は斜度だけでなく、路面状況も考慮してギヤを選び、さらにその速度を維持できるようにケイデンスの変化も許容できるように脚を鍛えないといけないのですよアナタ!MTBは奥が深いでしょうよ!こんだけイロイロ考えながら練習してるMTBerが他にいますかってんだ!!
 
 
 酔いながら書いたワリにはリッパな論文だと思うんですが誰か褒めてください・・・・・。
 
 
 

一緒に考えてください” への7件のフィードバック

  1. 毎度!
    軽いギヤで下死点の通過時間を短くしても、下死点の通過回数が増えるので石に引っかかる機会はあまり変わらないのではないのかと思ったりしますけど・・・。

  2. ●ひとちゃん
    その通り(笑)!
    でも下死点の通過回数が増えても自転車は前に進んでいるので、下死点の通過時間が長いよりも有利やと思うのです。
    まあ酔うてるときに考えたにしては・・・ということで(笑)。

  3. タイトルは『MTBの科学』ですかね?

    円が直線上を転がるときに、円周上の一点が通る軌跡をサイクロイドといい、円の半径をr、回転角をθとしたときに[x,y]=[r(θ-sinθ),r(1-cosθ)]と現すことができます。Mさんの書いているとおりです。

    ギア比がmのとき、つまり、直線上を滑りながら転がり、移動速度がサイクロイドのm倍のとき、点の軌跡は[x,y]=[r(mθ-sinθ),r(1-cosθ)]となります。トロコイド曲線の場合は[r(mθ-sinθ),r(m-cosθ)]なので、微妙に式が異なります。惜しい!m=1のときはサイクロイド曲線と同じです。

    さて、ペダルが石にひっかかる時間=下死点付近にきている時間=全周の中でクランクが下にある時間の割合、なので、ひとちゃん氏の指摘のとおり、ギア比によらず、ペダルが石にひっかかる割合は一定です。

    ただし、下死点付近での、ペダルと地面の相対速度が違います。

    ペダリングのスピード(ケイデンス)をωとしたときに、BBの進む速度=車速=mrω、下死点でのペダルとBBの速度=-rω、下死点でのペダルと地面の相対速度=mrω-rωとなります。
    つまり、下死点付近で自転車に対してペダルが後ろに行く速度がrωであるなら、自転車はギア比のぶんだけ進んで mrωで前に進みます。地面との相対速度はその差で、mrω-rω=(m-1)rωです。
    m=1のとき、サイクロイドなので、相対速度=0になります。三輪車で、クランク長さ=車輪半径な状態を想定してください。
    また、同じ速度で進んでいるとき、ギア比が小さいほうがケイデンスは大きく、下死点でペダルが後ろ向きに動く速度が大きい、という理解でもいいです。

    ということは、下死点でペダルが地面にハスッた時、ギア比が小さいほうがダメージが小さい、と言えるのではないでしょうか。

    Mさんの記事では、ハスる可能性があるときは、ギア比が軽いほうがいい、というように書いていますが、実際に走ったときの感覚と合っていますでしょうか?

    絵が無くて式が多くて理解しにくいコメントですみません。式を追わなくても、なんとなくイメージできるように説明したつもりです。分かりにくいところがあれば追加説明します。

    Mさんのノートの図は明解ですばらしいですね。きれいな図を書ける人はすぐに式も理解できるようになりますよ。

    私はMTBを持っていないのですが(収納スペースも時間も現状無い)、MTBも楽しそうですね。Youtubeでビデオを見ると、とてもエキサイティングです。

  4. ●kondouさん、アナタは本当に素晴らしいです!!ありがとうございます!
    こういう話題は数式が難くて考える気すら起こらなかったのですが、実走しながらイメージするのは得意なのでイロイロと妄想してみました。それがキチンと数式で表されることができるなんて、数学ってオモロイですよね。いつも言いますが学生の頃もっと勉強しといたらよかったと本気で思います。今からでも間に合いますかね?
     
    さて、kondouさんからのコメントを30分かけてじっくりと読んでみました。そこで一つ、どうも違う気がしてならないことがあります。恐れながら意見を述べさせて頂きます。
     
    ワタシのフリーハンドのつたない図の中の下の図、「32X32」の時、つまりフロントはミドル、リヤはロー(ワタシのバイクの場合)のギヤ比が「1.000」の時のペダルが描く曲線は、路面に対してやはりトロコイド曲線になると思うのです。書いて頂いた数式が理解できないので(汗)間違っているのかもしれませんが・・・・。
     
    ギヤ比が1.000の時、クランクが1回転したらタイヤも1回転します。それはわかります。でも、タイヤの円の半径と、クランクが描く円の半径は異なるので、タイヤが1回転して進む距離に対して、クランクが1回転して進む距離は少ないハズです。つまりクランクが描く曲線は、地面に対してはトロコイド曲線になると考えたのです。
     
    MTB26インチの周長は2068mmです。175mmクランクの場合はクランクが描く円の円周は1099mmです。おもくそ大まかに言うと2倍違います。だからギヤ比1.000の場合、タイヤが1回転して進む距離を、クランクを地面に接地させて同じ距離だけ進ませるには2回転させなあかんのです。
     
    もし仮に、クランクが路面に対してサイクロイドしている場合なら、走行中に下を見るとペダル下死点付近では路面は停止して見えるハズです。でも実際にはペダル下死点付近では路面は過ぎ去って行くように見えます。これはペダルが描く曲線がトロコイド曲線だからこそだと思うのです。
     
    路面の石ころをかわすためには下死点に来ている時間を少なくするのが効果的です。ペダルの円がサイクロイドに近ければ近いほど、路面とペダルが近付く時間は少なくなります。確かに時間は少なくなっても“機会”は多くなりますので、トータルすれば同じかもしれませんが、実際のトレイルでは、足元を石ころが通過する時間は一瞬です。だから路面状況(ガレ場などは特に)に合わせてケイデンスを高めて走行するのがエエのではないかと思うのです。
     
     
    実経験からの妄想ですので、計算式をきっちり理解できる人には到底かなわないのですが、だからこそ数学(この場合は物理かな?)のオモシロさを感じることが出来るのかもしれません。理科の実験が面白いのと同じで。
     
    ワタシの考えが間違ってたら遠慮なくご指摘ください。ヒマなときで結構ですよ(笑)。数学がMTBに役に立ったらオモロイなあと妄想した酔っ払いの独り言にお付き合いくださって本当に感謝します!!!

  5. んんん?
    ・・・・ちょっと待てよ。やっぱりギヤ比1.000の時はサイクロイドか?
    横にびよーんと長いサイクロイドか??
    昨日からアタマん中を円がぐるぐる回ってます・・・・。

  6. まず、私のコメントでギア比の定義が不明確でした。

    ペダルが一回転したときに、自転車が、ペダルの周長だけ動くときを「ギア比」=1とします。

    当然、クランク長とホイール半径は違うので、ペダルが一回転したときにホイールが一回転したときの、ここでいう「ギア比」は1より大きくなります。周長比を考えると、約2です。

    地面より高いところをペダルが回転していることについては、地面を平行移動すれば済みます。つまり、ペダル下死点のところに地面があって、ホイールはそこより低い溝の中を通っている状況を考えてください。

    また、ペダルが通る曲線は[x,y]=[r(mθ-sinθ),r(1-cosθ)]で、トロコイド曲線は[r(mθ-sinθ),r(m-cosθ)]なので違うと上のコメントで書き増したが、y方向にr(m-1)だけ平行移動した、同じ形の曲線です。Mさんの正解です。

    それをもとに、ペダルが通る曲線のグラフを書いてみました(mixiの方参照)。それぞれ、「ギア比」=1,2,4です。ここで、yが0.2より小さい時、石に当たるとすると、たしかに、ギア比が小さいほうが、yが0.2より小さいxの範囲が少ないです。

    クランクが下死点にある時間の割合は、ギア比によらず一定ですが、そのときの速度が (m-1)ωと、「-1」されているので、そのときに通過する距離が一定にならない、というところがポイントなのでしょう。なぜ、-1されるか、というと、自転車は前に進んでいるがペダルは後ろ方向に進んでいるから、という感じでしょうか。

    今回は、Mさんに完敗ですね。

  7. ●kondouさん
    かかか完敗だなんてめっそうも無い!
    お忙しいのに夜中にコメント頂きましてホンマにありがとうございます。
    最近は道行く自転車のペダルの描く曲線をじっくり見てしまうようにいなりました。ママチャリはギヤ比一定なのでわかりやすいですね(笑)。

    ホイールが溝の中を通っているとの表現がありましたが、正にMTBではそういう道を通ることが多いです。さらに深い轍を通るとき、轍の側壁にペダルが引っかかります。そのときペダルの描く曲線がトロコイドだと、ペダルが地面に突っ込むように埋まってしまって走行不能になります。
    でもサイクロイドに近い曲線だとペダルが突っかい棒のようになって(わずかにバイクの車体を浮かしながら)クリアできるのです。
     
    私は元ローディーなので、斜度に対してギヤを選ぶクセがあります。それはそれで正しいとは思いますが、MTBの場合では斜度が緩いからといって重いギヤ(トロコイドを描くギヤ比)で深い轍に入るとダメなのです。MTBは難しいです。
     
    勉強になりました!本当にありがとうございます!

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