こんなご時世

 最近フト気付いたことだが、「こんなご時世」という言葉をよく聞く。もちろん自分もよく使う。例えばお客さんに無理な値引きを要求されたときに、
 
 「こんなご時世だからカンベンしてくださいよ~」
 
 なんて言う。値引き交渉にかかる時間のめんどくさいのがイヤだったり、本当にそれ以上まけたら損する可能性もあったり、とにかくコッチはできるだけ定価で売りたいから、それをご時世のせいにして乗り切ろうという作戦である。個人的な感想ではあるが、「ご時世」という言葉を出すと諦めてくれるお客さんが多い気がする。
 
 この言葉は少々反則のような気がしないでもない。しかし昨今の不景気についてはここで述べるまでもなく、特に自動車関連の暗いニュースが多い。天下のトヨタさんまでもがラインストップさせるなど、ニッポンのお家芸だった自動車産業がここまでアカンとなると、お客さんも「そやな。そらしゃーないな」と思ってくれるのかもしれない。これからも大いに利用していこうと思う(笑)。