王滝レポート バトル編

 バトルNo.1 『VS.便意』

 記念すべき王滝レポート一発目がウンチョスネタってのもアレだが、なんで自転車乗りはあんなにウンコが長いんだ。並んでるときは「早よせーよ」と思ってるくせに、いざ自分の番が来たらここぞとばかりに長居しやがる。長丁場のレースに備えて全てを絞り出したい気持ちはわかるが、急を要する者にとっては鍵をこじ開けてでも突入したいんだからなんとかしてくれ頼む。お陰でスタート20分前までドキドキしながら列に並んでた。まだ後ろに並んでた人は大丈夫だったんだろうか。なんとか間に合ったので勝ち。

 

 バトルNo.2 『VS.大勢のMTBer』

 スタート地点はやや後方だったので予想はしていたが、やはり渋滞。ムリな追い越しは危険だから、前が空いたらすぐにそこに突入できるように重めのギヤを選択。ダッシュして緩めて、ダッシュして緩めての繰り返し。序盤10kmぐらいまではそんなことしてたと思う。いろんなレベルの人がいるから危ない危ない。タイヤがハスって目の前で集団落車もあった。うまいことクリアできたので勝ち。

 

 バトルNo.3 『VS.フルサストレックさん』

 最初の上りをクリアして初めて出てくる長めの下り。ジャリジャリの路面でビビリながら下っているといろんな人に抜かされる。遅いのはわかってたので別に焦ったりムリをしたりはしなかったが、中でも印象的だったのがトレックのフルサスに乗ったMTBer。ちょっとした段差でもピョンピョン飛び跳ねて行かれる。上りで抜き、下りで抜かれるというバトルが続いていた。目の前をあまりに気持ち良さそうに飛び跳ねるので、悔しいから上りで抜き返す際には全部立ち漕ぎしたった。いつの間にかいなくなったので勝敗つかず。

 

 バトルNo.4 『VS.シクロクロスさん』

 ガレ場をせっせと上っているときに、えらい前傾のきつい自転車に乗ってる人がいてるなあと思ったらシクロクロス車だった。細いタイヤで難儀しながら上っておられるので大変やなあと思いつつ抜かした。下り坂に入ったら後方から自転車の近付く音が聞こえたので減速して道を譲ったら、なんとさっきのシクロさんが下ハン握ってドエライスピードで下っていった!ガレ場ですよ。「シクロ車が走れないところは水の上だけ」って聞いたことがあるが、イヤあの言葉はホンマやね。尊敬します。下り切ったとこでパンクしてらっしゃったので結果的には私の勝ち(笑)。でもバトル的には負け。

 

 バトルNo.5 『VS.尿意』

 また下ネタ。何km地点かは忘れたが、どうしてもガマンできなくなって立ちションした。普段は立ちションはしないタイプだが(ここ強調)、こればっかりはやむを得ない。しかし立ちションするタイミングにかなり悩んだ。立ちションしてる間のタイムロスと、上りで抜いたMTBerとのタイム差を脳内で瞬時に計算、ヨッシャ今や!と木陰に隠れて(ここも強調)行なったが、どこでどう計算を間違えたのか、さっきの上りで抜いた人々にすぐに抜き返された。私が金色の放物線を描いている間にヘコヘコと抜いていくMTBer6人。悔しいから全員のジャージとバイクを覚えてロックオン。全てのMTBerを抜き返すのに1時間かかった。尿意恐るべし。

 

 バトルNo.6 『ダウンヒル体型のクライマー』

 MTBerは人材の幅が広い。ローディーはある程度限られてくるが(オキナワにはガリガリと坊主しかいなかった)、MTBの世界では速いデブがいる。ラグビーやアメフトの世界にはゴロゴロいることは知っていたが、自転車界にもいるんだなあ。上りがめっちゃ速いふとっちょさんがいた。当然下りも速い。なんとか上りで付いて行くが、下りでぶっちぎられる。アレは逆にカイカンである。そこまで速いなら許すって感じ。でも後半で座り込んで何かをバクバク食べておられたところをアッサリ抜き返した。燃費は悪いのね。

 

 バトルNo.7 『黄色ジャージの人』

 後半、もう80km地点を越した辺りからだったと思う。ずっと前後して一緒に走っていたトレック乗りさんがいた。荷物も少量で、ふくらはぎの形が美しくて、何よりガレ場のライン取りと下りのフォームがきれい。かなりレベルの高いMTBerさんだと想像する。後ろに付かせてもらっていろいろ盗ませて頂いた。最後の下りでぶち抜かれ、私よりも前でゴールされたようだが、なんか悔しいとかそんな気持ちはなかった。最後の最後でイイもの見せてもらった。誰かは存じ上げないけどどうもありがとうございました。

 

 とりあえず印象に残っているバトルはこれだけ。最大のバトル相手はやっぱり自分。さすがに後半の長いガレガレの上りではココロが折れそうになったが、ヨメコドモの顔を思い出して奮い立たせた。そしたら周りの人が遅くなった。だから抜いた。そしたら元気が出てきた。ずっとそれのくり返し。

 

 上りきったところに壮大な御嶽山が居座っておられた。

 

 鳥肌が立つほど美しかった。

 

 カメラを持っていなかったので、心のシャッターを何度も切った。

 

 今でも目に焼き付いている。

 

 だから絵にしてみた。

  

 その素晴らしい眺めは、このレースに出て良かったと思わせるどころか、生きていて良かったとさえ思わせてくれる姿であった。

 

 渾身の絵画はこちら

 

 

 ヨメコドモ、回転木馬の皆様、会社の皆様、関係者の皆様、王滝民族の皆様。本当に楽しかったです。来年も走りたいです。ありがとうございました。

王滝レポート バトル編” への8件のフィードバック

  1. 王滝完走おめでとうございます!!
    >『ダウンヒル体型のクライマー』を目ざして頑張ります!!
    噂に聞いてるのですが、やはりロードよりもかなりきついのでしょうか??

  2. ●建売さん
    ありがとうございます!
    ロードよりもはっきり言ってキツイです(笑)。
    ロードの100kmとは比べ物になりません。下りもしんどいです。
    建売さんならダウンヒル体型のクライマーになれますよ!
    以前から思ってました!

  3. そうかぁ、シクロでもでられるのかぁ、そうかぁ、
    困ったなぁ、、、。

  4. ●ロラあにき
    シクロどころか一輪車もいてましたよ。
    その気になれば自転車の種類なんか関係ないんですね。
    男気を感じました。

  5. ●manさん
    シクロにぶち抜かれたときは感動しました。
    「あーあのヒトはシクロが大好きなんやなあ」って思いました。
    それぐらい自分の自転車のことを愛してるやつに抜かれても悔しくなんかないですね。

  6. 「渾身の絵画」いいですね。全く同じ絵がオイラの思い出にも刻まれています。上りきってフッと右を見た、あそこですよね。

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