まったくもって僕の勝手な意見ではあるが、自転車好きは自分好きが多いと思う。本当に僕の勝手な意見なので自転車好きのみなさんのことを全員ナルシストだとは言わない。もしかしたら自分だけかもしれない。・・・いやしかし、きっとそうだ。みんなナルシストだ。
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p> それはなぜか。自転車好きは、あのツライツライ上り坂が好きだという人が多いからである。上っているときは誰もがツライ。もう自転車を降りて歩こうかと思うし、引き返してしまえば楽な楽な下り坂になる。だがしかし、みんなそんなことはしない。山の頂上でなんとも言えない充実感というか達成感というか、「オレってすごいやん」って気持ちを知っているからである。みんなそれを求めて必死に上る。
うっすらと雪化粧の冬や紅葉のきれいな秋、桜の春や新緑の夏。四季折々に山はその表情を変えているのに、自転車乗りにはそんなもの見えていない。ゆっくりと後ろに流れていく地面と、速度を示すメーターと、前を走る速い人の背中を上目使いで睨んでいるだけだ。
自分の息遣いを聞く。身体をつたう汗の位置を感じる。酸素が血液に溶けていく・・・。そういった普段あまり感じることができない、身体の機能がフルに働いている時を自覚する。
そうして頂上に着いたときはみんなテンションが上がっている。テンションが上がっているのに加え、みんなそんな頑張った自分が好きだからえらくハナシが盛り上がる。ツラかったくせに次に上る時のことを考えている。
「なぜそんなにしてまで自転車に乗るのか」
きっと、きっと、答えは「自転車が好きだから」を通り越して「自分が好きだから」だ。
・・・とまあ、ここまではそこらの自転車雑誌に書いてある。ここからが本当の「M君の日記(仮名)」だ。
先日行われた清滝TTのハナシ。結果は散々なものだ。元メッセンジャーが聞いてあきれる程の体たらくである。「速いM君」はどこに行ったのだろうか。「クルマの免許更新なんて自転車があるからせんでええか〜」なんて言っていた僕はどこへ行ったのか。僕は誰にも負けないぐらいの「自分好き」なのだ。
このままではいけない。本当にいけない。なんの為に自転車で5分のところに清滝峠があるのか。それは「清滝最速」の称号を得る為である(まるで走り屋)。速さはカネでは買えない。速さはどれだけ「自分が好き」かで決まるのだ。ナルシストが本気で根性を出した時の恐ろしさをみんなにわからせてやるのだ。
ここに宣言する。「清滝最速」はオレだ。今はその称号は譲ってやるが、近いうちに必ず返り咲いてやる!オレは四条畷市に税金を払っているのだ。清滝のタヌキの死骸やガラスの破片を掃除しているのはオレの税金だ。清滝とともに泣き、笑い、そして清滝を愛し・・・。
とっ、とにかく今度走るときは絶対に前を走らせない。道路にマキビシ撒いといたる〜。