ブームってその時代時代でいろいろと出てくるもので、現在は「韓国ブーム」、「お笑いブーム」、「手品ブーム」、「雑学ブーム」などがあるだろうか。「金持ちブーム」っていうのがあるかどうかは知らないが、「セレブ」なんて言葉を良く耳にする。
テレビでいろんな分野で儲けた人たちの豪邸を案内したりとか生活レベルの違いを紹介する番組をよくやっている。何百坪もの敷地に何十もの部屋がある豪邸だったり、1億円以上するクルマに乗っていたり、われわれシロートが見ても高価だとわかる絵画や宝石など・・・。僕ら庶民にはうらやましい限りでポカーンと口を開けて見ていることが多い。
そんな番組とは正反対に、貧乏な人たちの生活を紹介するのものもある。それもまた口をポカーンと開けて見てしまうほどヒサンなものがあるが、ビンボーというものをおもしろおかしく紹介しているので、なかなかビンボーも悪くないなと思わせるときもある。
それぞれの番組がいい視聴率を上げているのは、われわれのような庶民が大半を占めているからだろう。金持ちでもなく、かと言ってあれほどビンボーでもない。「やっぱ普通がイチバンやな」と、庶民たちは自分が今庶民であることをテレビを見て自認する。
テレビで紹介される大金持ちさんたちの中には、若い頃やはりテレビで紹介されるビンボーさんたちのような生活を経験していた人がいて、そんな人は「明日食べるメシがない」というような逆境に負けじとガンバってきた人たちだと思う(そうであってほしい)。
だからテレビのビンボーさんがいつの日か大金持ちになるという可能性は、実は僕ら庶民より大きいかもしれない。反対に大金持ちさんがビンボーさんになってしまう可能性もしかり。
そもそも「金持ち」や「貧乏」なんていうランクは、大抵自分を基準にしているわけで、金持ちの中にも「ビンボーだ」と思っている人はいるだろうし、ビンボーな人も心が満たされていればそれもよし。他人が人の生活レベルをどうこう言う資格はない。
「どちらかになれ」と言われたら僕は(少し悩んでから)ビンボーを選ぶだろう。500円の図書券をもらったときのヨロコビを忘れたくないからだ。今月も小遣いは図書券になりそうだし・・・。